逆流性食道炎は非常につらい疾患です。
何を食べればいいのか悩んでいる方も多いはず。
中でも、逆流性食道炎には、ヨーグルトが効果的だとよく言われますが、それは本当なのでしょうか?
今回は、逆流性食道炎にヨーグルトは効果があるのか?ヨーグルトを食べるタイミングや量はどれくらいが良いのか?についてご紹介していきますので、是非参考にしてみて下さい。
逆流性食道炎とは?
逆流性食道炎とは、胃酸を含む胃の内容物が、食道へと逆流することによって、食道の粘膜に炎症が起こった状態です。
1980年代には、2%前後だった有病率も2006年には20%前後と、増加傾向にあります。そしてなんと、日本人の5人に1が逆流性食道炎患者との報告もあるほど、現代病のひとつとなりました。
胃には胃酸が分泌されており、食べた物を消化できるようになっています。その胃の入り口には、下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)と言う筋肉があります。この筋肉は、食べ物や飲み物が胃に入るときは弛緩して広がり、胃に入ったものが逆流してこないように収縮して閉じるという働きがあります。
正常であれば、下部食道括約がきちんと機能しているので、胃酸を含む胃の内容物が食道の方へ逆流することはありません。
しかし、
- 食事内容や食べ方
- タバコ
- アルコール
- 姿勢
- ストレス
などの様々な生活習慣の乱れによって、下部食道括約筋が機能低下を起こした場合、胃の入り口は収縮できず閉じなくなるので、胃酸を含む胃の内容物が逆流してしまうのです。
当然、胃の粘膜は、胃酸に耐えられる機能がもともと備わっているのですが、食道は胃酸に耐える粘膜ではありません。そのため、胃酸が逆流してくることで、食道の粘膜に炎症や潰瘍が生じてしまうのです。
症状は、
- 胸やけ
- 胸の痛み
- 吐き気
- 肩こり
- 背中の痛み
- 吞酸(口に胃酸がこみ上げる)
- 口の中が苦味や酸っぱい感じ
- 胃もたれ
- 飲み込みづらい
- 咳
- 気管支炎
- げっぷ
などが出てきます。
ヨーグルトは効果があるのか?
では、逆流性食道炎に対してヨーグルトは効果があるのでしょうか?
ヨーグルトには、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を活発にさせる働きがあるので、便秘を解消する効果があります。便秘は、逆流性食道炎の原因のひとつでもあるのです。
胃と腸はつながっており、腸で便が溜まって停滞していると、腹圧が高くなり胃へ負担がかかり、その結果逆流性食道炎になるのです。
つまり、便秘が原因で逆流性食道炎になっている方には、ヨーグルトの摂取が効果的だということです。
しかし、効果があるのは便秘だけではありません。
ヨーグルトには乳酸菌が多く含まれ、胃の悪玉菌を抑制して胃の粘膜を保護してくれる効果があります。さらに、胃酸の分泌も抑えてくれる働きもあるので、吞酸や胸やけにも効果があります。
ヨーグルトを食べるタイミングと量は?
ヨーグルトには胃酸の分泌を抑える働きがあるので、食事と一緒にヨーグルトを食べると、食べた物の消化不良につながります。ですので、できるだけ空腹時に食べることをおすすめします。
ヨーグルトを食べるタイミングについては、
- 空腹時
- 就寝の2~3時間前
のどちらかに分かれます。
ですので、あなたがどっちが合うのかヨーグルトを食べるタイミングを試してみましょう。
もちろん逆流性胃腸炎に効果的だからといって、大量に食べると消化不良になるので、良くありません。1日に80~100gを目安に食べると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ヨーグルトが効果的だというのは本当です。特に便秘によって逆流性食道炎になっている場合には効果が出やすいです。ヨーグルトは胃の保護や胃酸の分泌抑制の作用もあるので、逆流性食道炎で困っている方は、一度試してみてはいかがでしょうか。