歩くと痛い!?そんな外反母趾の治し方を大公開!!

足の疾患の中でも、比較的多くみられる外反母趾。

歩くと痛くて、困っている方も多いのではないでしょうか。

今回は、外反母趾の治し方についてご紹介していきます。

「外反母趾の治し方」という表現の仕方が、適切かどうかは分かりませんが、変形が残ったままでも痛みが改善するパターンと、変形が矯正されて痛みも改善されるパターンがあります。「治す」と聞くと、「痛みが0になる」「変形が元通りになる」というようなイメージを抱く方もいると思いますのでここでは、あくまで、「痛みの改善」「変形の矯正」というところに対しての治療法や、自宅で出来る運動などをお伝えしていきます。外反母趾で悩んでいる人は是非参考にしてみて下さいね。

外反母趾とは

まずは、外反母趾について理解しましょう。

外反母趾は1:10で女性に多い疾患です。しかし、最近では男性にも増えてきています。

足の親指(母趾)が外側に変形(外反変形)し、関節がくの字になっているものです。そのくの字に出っ張った関節の部分が、靴を履くと中で擦れて圧迫され、痛みが出てきます。

歩くと痛みが出るので、遠方に行けないとか、履ける靴が限られているとか、高齢者の場合は、外に出るのが億劫になって、生活の幅が狭くなってしまうこともあります。

親指の関節の角度がある一定の角度をこえると外反母趾と診断されます。その一定の角度は20度です。この角度はHV角とよび、角度の大きさによって重症度が分類されています。

・軽症 :20~30度

・中等度:30~40度

・重症度:40度以上

変形の度合いは人によって様々で、変形が強い場合は、隣の人差し指と重なるほどです。ここまで変形すると、関節が亜脱臼した状態になります。

足の重要機構「アーチ」

足には、非常に重要な機構があります。それは「アーチ」です。3つのアーチが、歩行するうえで重要になります。それぞれのアーチは、ドーム状になっており、足の裏の立体的な構造を形成しています。

足を上から見ると、親指の付け根、小指の付け根、踵、の3つの点を結ぶと三角形ができます。その三角形のそれぞれの辺が3つのアーチになります。

  • 「内側縦アーチ」親指の付け根から踵にかけてのアーチ(土踏まず)
  • 「外側縦アーチ」小指の付け根から踵にかけてのアーチ
  • 「横アーチ」親指の付け根から小指の付け根のアーチ

この中でも、一般的にイメージしやすいのは、内側縦アーチです。これは、「土踏まず」と呼ばれており聞いたことがあるのではないでしょうか?内側縦アーチが崩れると偏平足になります。

アーチの役割

  • 体重支持
  • 衝撃吸収
  • 歩行の推進
  • 安定化

足は、唯一地面と接する場所なので、このような構造機能が非常に重要になってきます。

アーチは骨、靭帯、筋肉、腱によって支えられています。

治療法

外反母趾の治療法には大きく分けて2つあります。

  • 保存療法
  • 手術療法

保存療法

保存療法は大きく5つに分けられます。

①運動療法

②装具療法

③靴選び

④テーピング

⑤歩行訓練

一つずつ説明していきますね。

①運動療法

親指が外反変形することで、歩行時の足の使い方が自然と変わってきます。そうなると、負担のかかり方が変わり、ちゃんと使えていない筋肉は筋力低下を起こしてしまいます。そしてつまずきやすい状態になってしまうのです。なので、正常な歩行をするためにも、つまずきにくくするためにも、筋力低下を起こしやすい筋肉のトレーニングが大切です。

そこで、自宅で出来る運動療法をご紹介します。

ホーマン体操

両足を前に出して長座位になります。ゴムを両方の親指に引っ掛けて、踵をくっつけて足を外側に広げます。広げた状態で10秒キープします。これを繰り返します。そうすることで、くの字に変形した親指を、正常な角度に近づけます。

母指外転筋訓練

足の指でグーパーをします。パーにしたときに10秒キープします。これは、親指の内側の筋肉を鍛えて、外に変形するのを抑えるための筋トレです。

足の指の筋肉

この筋肉は、アーチを構成する重要な筋肉です。

床にタオルを敷きそれを足の指で手前にたぐり寄せる運動です(タオルギャザー)。慣れてきたらタオルの上にペットボトルなどを乗せて負荷を上げて行います。

もう一つは、ビー玉を足の指でつかんで、お皿に入れるトレーニングです。

このようなトレーニングで、足の指を曲げる筋肉を鍛えます。

後脛骨筋

この筋肉も、アーチを構成する重要な筋肉です。

つま先が床につくぐらいの高さの椅子に座り、両足でサッカーボールぐらいの大きさのボールを挟みます。この時のポイントは、両方の足の裏が向かい合うように内側を少し浮かせます。そして、足の指の方がやや内に入る感じで持ち上げます。上から見ると「ハ」の字になります。

ちゃんとできていれば、足首の内側からすねの内側が疲れてきます。

前脛骨筋

この筋肉は、足首を上に上げる筋肉です。

まず椅子に座ります。この時に、足の裏が床について膝が90度の角度になるくらいの高さの椅子が良いです。右側を鍛える場合は、左足を右足の半分から前の方に乗せます。この足の重みを利用して運動を行います。左足を乗せた状態で右足を踵をつけたままゆっくり上に持ち上げます。そして、おろす時もゆっくりとおろします。これを繰り返します。

ちゃんとできていれば、すねの骨の外側の筋肉が疲れてきます。この筋肉が弱くなると、つまずきやすくなってしまいます。

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腸腰筋

この筋肉は、股関節を曲げる筋肉で、歩行の際に、膝を上に持ち上げる筋肉です。

トレーニングの方法は、椅子に座り、姿勢を真っすぐキープしたまま、膝をお腹の方に上げていきます。腸腰筋が弱いと、姿勢が前かがみになったり、後ろに倒れたりして代償運動が入るので、ポイントは、姿勢を真っすぐをキープすることです。上げる時も下す時もゆっくりと行います。

この筋肉が弱くなると、つまずきやすくなります。

大腿四頭筋

この筋肉は、膝を伸ばす筋肉です。

方法は、椅子に座り、片足ずつ膝から下を前にゆっくり伸ばします。この時に、膝を伸ばせるだけ伸ばしてください。そしてゆっくり下ろします。伸ばした時に、太ももの前が硬くなっていればオッケーです。

この筋肉が弱くなると、歩行時に膝を支えきれず、カクンッと「膝崩れ」が起きてしまいます。

大殿筋

この筋肉は、お尻の筋肉で、体の中で一番大きな筋肉です。

方法は、上向きで両膝を立てて寝ます。その状態でつま先を浮かして踵を支点にしながらお尻を上げます。この時に、膝から胸までが一直線になるところでキープします。これをゆっくりと繰り返します。お尻が硬くなっていればオッケーです。

この筋肉が弱くなると、歩行時に、足が前に出にくくなったり、上半身を支えるのが困難になってしまいます。

中殿筋

この筋肉は、お尻の筋肉で、体の左右のバランスをとる筋肉です。

方法は、横向きで寝ます。上側の足を股関節を開くように上に上げます。この時に、体よりも前に出てしまうと違う筋肉のトレーニングになってしまうので、体よりやや後ろで上に上げる意識で行いましょう。これをゆっくり繰り返します。お尻の横が硬くなっていればオッケーです。

この筋肉が弱くなると、歩行時に股関節が安定せず、肩が左右に揺れた歩き方になってしまいます。

②装具療法

痛みのある部位を除圧するパッドや、歩行時や夜間に使用する矯正装具、足底板挿入があります。中でも、アーチサポートのある足底板がよく使用されています。インソールとして靴の中に挿入することで、崩れたアーチを持ち上げて矯正します。足の形は人によって異なるため、オーダーメイドでの作成が必要になります。

③靴選び

外反母趾は靴選びが非常に重要です。足の裏は唯一地面と接する場所なので、必ず自分に合った靴を選んでください。靴屋さんで、自分の足のサイズや形を計測してもらい、自分にあった靴を聞いてみるとよいでしょう。また、医療用の靴もあるので病院で相談してみるのも良いでしょう。

④テーピング

テーピングは、外反に変形した関節を、できるだけ正常な角度に近づけた状態で固定します。また、崩れたアーチをサポートする方法など、その人の外反母趾の状態を見て巻くことが重要です。

⑤歩行訓練

外反母趾の人の歩行は、足の裏全体でペタペタと歩く人が多いです。足の筋肉がちゃんと機能していないので、このような歩き方になってしまうのです。

歩行時に意識するポイントは、踵から地面に着いて、踵→足裏→指の付け根→指の順に、後ろから前に体重を移動させるイメージで歩くことです。

手術療法

group of surgeons in operating room at hospital

手術療法の適応になるものは、保存療法を数ヵ月行っても効果が全くでない場合や、徐々に症状が進行し、日常生活に支障をきたすくらいのひどい痛みが出てきた場合は手術療法の適応になります。

外反母趾の手術は200種類以上あると言われており、その人の足の状態に合わせて使い分けたり、組み合わせて行います。

①DLMO法

変形した関節に近い部分の中足骨という骨を骨切りし、そこをずらして正常に近い角度に矯正します。そして、ワイヤーで固定するというシンプルな方法です。

この手術は、軽度から中度の症例に適応になり、低侵襲手術です。

②Mann法

この手術も中足骨を骨切りしますが、DLMO法よりも少し踵よりを骨切りします。そして、関節部分を削り、硬くなった筋肉を切離し、角度を矯正して、数本のワイヤーで固定する方法です。

この手術は、中度から高度の症例に適応になります。

③関節固定術

破壊が進行した関節面を切除し、関節の角度を矯正して、ピンとワイヤーで完全に固定してしまう方法です。

この手術は、関節面の破壊が進行していて、変形が強い重度の症例に適応になります。

④人工関節置換術

関節部を切除し、人工の関節に置き換える手術です。耐久年数が20年前後なので60歳以上が適応になります。

この手術も、関節面の破壊が進行していて、変形が強い重度の症例に適応になります。

まとめ

今回は外反母趾の治療法、自宅での運動を中心に書きました。

外反母趾全ての方が手術の適応になるという事ではありませんし、保存療法で改善していることもたくさんあります。遺伝的な要因で発症することもあると言われていますが、あきらめずに出来ることから始めていきましょう。

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