これから頚椎ヘルニアを改善したいと思っているあなたに、原因から治療法の説明まで紹介していきたいと思います。
頚椎ヘルニアは様々な要因が絡みあって発症している可能性がとても高いですが、やれる事を頑張って積み重ねていくことで改善が見られるはずですので、諦めずに頑張っていきましょう。
4項目に分けて紹介していきますので、あなたの改善のお役に立てると思いますよ。
ヘルニアになってしまう原因は?
人は重たい頭を首だけで支えているのですが、首には頸椎(けいつい)と呼ばれる背骨が7つあり、それぞれの頸椎のすぐそばを想像以上に多くの神経が走行しています。
頸椎ヘルニアと同じような症状のでる頸椎症という病気もあるのですが、これは加齢や負担の集中などによる骨の変化によって肩の痛みや手のしびれなどが出る病気で、椎間板ヘルニアとは別です。
60歳以上の方でレントゲンを撮ると、4人に1人くらいは症状がなくてもレントゲン写真上では骨が変化しています。その中でどれくらいの方に症状が出てくるかはわかっていませんが、骨の変化の上では多くの方が頸椎ヘルニアや頸椎症と診断されやすい状態になっているのです。
- 加齢的変化
- 外的要因
- スマートフォン・PC
- 体の歪み
- 自律神経の乱れ
などが、頚椎ヘルニアを引き起こしてしまう原因になります。
首にかかる負担は、まっすぐ立った時に対して約3倍に増えるのです。
ただでさえ人間の頭は6kgほどありますから、猫背の状態では20kg近くの負荷がかかっていることになります。猫背になりがちなデスクワークのときには1時間に1回は休憩をして、首を休ませてあげましょう。
スポーツが原因というのもよく見られます。体をひねる水泳やゴルフ、格闘技やテニスなどのハードなスポーツに多いですね。そのなかでも特に、プロレスラーには高い確率で頚椎ヘルニアが起こります。
ラグビーやアメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツではとても多い外傷の一つです。
ほか、交通事故やケガによって椎間板を痛めるケースもあります。
また加齢による骨の老化も原因となり、頚椎ヘルニアの患者で1番多い年代は50〜60代の中高年なんです。
ヘルニアとは、「飛び出す」という意味です。
椎間板ヘルニアとは、文字どおり中身である髄核が飛び出してしまう症状です。
頚椎ヘルニアの原因として、20歳代からすでにはじまる椎間板の「加齢的変化」や、「不良姿勢」などの背骨にかかる負荷の積み重ねにより、線維輪がふくらんだり、亀裂が生じて中身である髄核が外にはみ出します。
この結果、脊髄や神経根を圧迫して症状があらわれるのです。
そして、7つの頸椎の上から数えて4番目、5番目、6番目、7番目にあたる神経は、手や腕に繋がっているため、圧迫されてしまうと、手や腕のしびれ、握力低下などが生じます。
一方、上から1番目、2番目、3番目までにある神経は、頭に繋がっており、これらが圧迫されると、頭痛・吐き気・眼精疲労・視力低下・耳鳴りなどの、頭部を中心とした症状が起きます。
症状と治療法
次に頚椎ヘルニアになってしまうと、どんな症状が出てくるのか。
片側の肩から腕に痛みやしびれが起こる
左右片方の肩や腕などに、強い痛みやしびれが起きるのが特徴。
最初に、寝違いと似た痛みや違和感を感じることが多く、次いで片方の手・肩の広い範囲で強い痛みが出てきます。このころを“急性期”と呼び、安静に過ごすことで2〜3週間ほどで症状が落ち着いてきます。
以降、鈍痛やしびれが残りますが、姿勢や日頃の注意で改善されていくはずです。
おもな治療法は保存治療
ヘルニアは手術をせずとも様子を見ながらでも自然と消滅する場合が多いので、そのあいだ冷やさないように安静にしたり、薬物治療などにより症状を和らげ、筋肉をリラックスさせて血行を促し治癒を早めようというものです。
運動障害が起こる
左右両側に現れる事が多いです。これは脊髄が、全身に張り巡らされた神経の中心部だからなのですが、そのため他にもさまざまな症状として現れます。
1番多いのは、歩きにくい、足の違和感、手がうまく使えない等の巧緻障害などの運動障害です。
これらが、数日から数週間のあいだで急に進行していく場合があります。さらには便秘や失禁などの排泄障害、後頭部の痛みや首〜背中のコリがよく見られます。
治療の流れとして程度が軽いときは、保存療法をおこなって様子を見ます。そして改善が見られなかったとき、または痛みや症状が強いときには手術を考えることになります。
ヘルニアが神経のどの部分にダメージを与えているかによって以上の種類に分けられます。
軽症の場合は保存療法
頚椎ヘルニアの保存的治療の基本は首の安静です。安静にした上で、消炎鎮痛剤やビタミン剤の服用で血流改善、筋肉の緊張緩和が主になります。また牽引(けんいん)療法という、専用の機械で軽く首を引っ張りあげるような治療もよく行われます。
事故や外傷などの強い衝撃によって椎間板ヘルニアになった場合は、脊髄を急激に破壊するので運動麻痺がでやすくなります。しかし、ほとんどの頚椎ヘルニアでは徐々に脊髄を圧迫していくので、しびれや痛みといった感覚障害や体の重だるさが最初の症状として現れます。この初期の段階でMRIを撮影して、椎間板が少し出ている程度であれば、首を上にひっぱる牽引療法を行う事が多いようです。
- 患部の安静
- 物理療法
- 徒手療法
- 運動療法
物理療法
- 温熱療法
- 電気治療
- 牽引療法
徒手療法
運動療法
頚椎ヘルニアの手術について
保存治療を数ヶ月おこなっても改善が見られなかったときや、運動障害などの強い症状現れてしまったときには、手術を検討します。
では、頸椎ヘルニアの手術はどんな方法なのか?
代表的なものは2種類の手術法です。
前方除圧固定術(ぜんぽうじょあつこていじゅつ)
全身麻酔で、首の前側を5cmほど切開。ヘルニアになっている椎間板と骨の一部を取り除きます。
これで神経を圧迫することはなくなりますが、取り除いた空洞部分に患者さん自身の骨盤の一部を移植したり、チタン製の医療器具(ケージ)などを入れ込み固定します。
手術後は翌日から起き上がることができます。頸椎カラーを約3週間着用。骨を採った腰にも痛みがありますから、歩くときには数日のあいだ歩行器を使います。約2週間ほど入院したのち、退院できるようです。
脊柱管拡大術(せきちゅうかんかくだいじゅつ)
神経の束である脊髄はデリケートですから、管に包まれ保護されています。この管を脊柱管と呼びますが、加齢によって狭くなったり、生まれつき狭い人がいます。そこでヘルニアになると余計に神経が圧迫されやすく、症状が重くなる原因となってしまいます。
そこで脊柱管を人工的に広げて、神経の圧迫を防ぐための手術です。
脊柱管を構成している骨(椎弓)に切り込みを入れて、脊柱管を広げます。そこに人工骨や患者さん自身の骨を入れ込み、広がった状態で固定する手術法です。
術後はベッドにて安静。様子を見て問題がなければ翌日から頸椎カラーを着けて歩くことができます。10日ほどで退院できるようです。
手術のリスクについて
頸椎ヘルニアの手術は神経や動脈といった繊細な部位のすぐそばにメスを入れるものです。ですから万一、それらを傷つけてしまうリスクがどうしてもついて回ります。
- 食道や動脈の損傷
- 感染症
- 脊髄の損傷による麻痺
- 腕が上に上がらない
などの合併症や後遺症も少なからず存在します。手術を検討するときは、主治医から合併症のリスクについての説明を受けた上で、十分に納得してから行ってもらうのをオススメします。
自分でできる対処法は?
手術はヘルニア治療の最終手段という位置づけで考えるといいと思います。
保存治療で治るに越したことはありませんよね。
症状の軽減、悪化させないために普段の生活のなかで気をつけたいこともいっぱいあります。基本は『首の後ろ側を圧迫させない』。
それは、後ろ側に神経があるからです。
というわけで、頸椎ヘルニアの対処法で1番大切なことは、姿勢です。
日常生活のなかでとってしまいがちな首に負担をかける姿勢というのは
猫背
背中は丸まっていても、視線は前を向かなくてはいけません。すると見事に首の後ろ側が圧迫されたポーズが出来上がってしまいます。
枕の高さ
低すぎる枕も、頸椎ヘルニアを発症・悪化させる要因になります。
まとめ
どうでしたか?
頚椎ヘルニアでも、近年では手術という選択肢は強度のヘルニアを突然発症してしまったり、長期的にヘルニアの進行が進んでしまった場合など、最終手段なのでまずは保存療法で数か月は様子を見る事になると思います。
その間、医師の指示の元でリハビリを並行してもらったり、整体や整骨院で姿勢改善やヘルニア以外の体の調整をする事で改善が早く見込めるようにんると思います。
日頃の姿勢や癖なども気を付けないといけないことも多いと思いますが、少しずつ前進していきましょう。
当院でも頚椎ヘルニアのご相談はいつでもお受けしています。
あなたが頚椎ヘルニアでお困りで、なかなか解決策が分からない場合にはご相談下さいね。
お役にたてるはずです。