片方の目の奥がえぐられるような痛み。
群発性頭痛はなってみた人にしか分からない激痛が起こります。とても辛い頭痛です。
今回は、群発性頭痛を予防する方法をご紹介していきますので、是非参考にしてみて下さい。
群発性頭痛とは?
群発性頭痛とは、強烈な痛みを伴う頭痛です。あまりの痛さに壁に頭を打ち付けたり、失神してしまうこともあり、中には自殺する人もいるほど強い痛みを伴います。
この群発性頭痛は、痛みは片側に起こります。
- 目の奥がえぐられるような痛み
- 刺されるような痛み
- 頭を金槌で叩かれるような痛み
などと表現されることが多いです。
群発性頭痛は、20~40歳代の男性に多く、1000人に1人の割合と言われています。
発作中には、痛みのある側の涙や鼻水が出たり、目の充血を伴う事も多く、アルコールの摂取によって発作が誘発されることもあります。頭痛は、ほぼ毎日同じ時間帯、特に夜中~朝方にかけて発症することが多く、30分~2時間ほど続きます。いったん痛みが出ると1~2ヵ月痛みが続き、この時期を「群発期」といいます。この群発期は1年に1回、ある時期になると発症します。
しかしこのような群発性頭痛の症状は人によって様々で、1回の発作が数時間の人もいれば、1日に数回出る人、数ヵ月間持続する人、1年に数回の群発期が出る場合もあるのです。群発期を過ぎると、自然に頭痛がなくなる寛解期になります。
群発性頭痛は経験した人にしか分からない痛みで、比較的認知度が低い疾患です。
群発性頭痛の原因は?
群発性頭痛の原因は、血管の拡張によって三叉神経を圧迫して痛みが出る「三叉神経血管説」というのがあります。いまだはっきりと解明されていない原因の中でも、この三叉神経血管説が最も原因となっているのではないかと言われています。
脳にはたくさんの血管があります。その血管の収縮に関わっているのが、セロトニンという神経伝達物質です。
脳に何らかの刺激が加わることで、セロトニンが大量に分泌され、血管を急激に収縮させてしまいます。
そして、セロトニンが分解されてくると、収縮していた血管が今度は急激に広がります。この時に、反動で血管が広がり過ぎてしまうことがあります。
すると、広がり過ぎた血管が三叉神経を圧迫します。圧迫された三叉神経は、その刺激によって「痛みの原因となる物質」である神経ペプチドという物質を分泌します。
神経ペプチドが分泌されたことによって、血管の周囲に炎症が起こり群発性頭痛が起こるのです。
また、睡眠不足や天候、タバコやアルコールも血管の収縮に関係しますので、これらをきっかけに群発性頭痛の症状が出ることもあります。
さらに、根本的に血管の収縮拡張をコントロールしているのが自律神経です。この自律神経は交感神経と副交感神経がバランスよく働くことで血管の収縮拡張機能が正常に行われます。
自律神経が乱れてバランスよく働かなくなると、血管の収縮拡張機能が正常に機能しなくなり、結果的に三叉神経を圧迫して、群発性頭痛につながるのです。
群発性頭痛の予防法は?
群発性頭痛を予防する方法をご紹介します。
- 禁煙
- アルコールを避ける
- 自律神経を整える
群発性頭痛は喫煙者に多いことから、禁煙が予防法のひとつとなります。そして、アルコールの摂取によって症状が出やすいので、アルコールは控えた方が良いです。特に群発期にはアルコールの摂取によって高確率で発症するので、群発期はアルコールは避けましょう。
さらに自律神経を整えることも予防法として大切です。
自律神経を整える方法とは、
- 生活習慣の見直し
- ストレスを溜めない
- 姿勢を整える
です。
これらを詳しく説明していきます。
生活習慣の見直し
生活習慣は特に、食事・運動・睡眠の3つが大切です。これらを規則正しく行うことで、自律神経が整いやすくなり、群発性頭痛を予防することにつながります。
食事
最近は、手軽に済ますことのできる、コンビニ弁当やラーメン、ジャンクフードなどをを食べる機会が増えています。また、食の欧米化に伴い、栄養のバランスが偏のりがちになっています。これは当然体にも良くなく、自律神経も整いにくくなってしまうのです。
食事は、栄養バランスの取れた和食を中心に毎日3食食べましょう。
栄養バランスの摂れた食事とは、「一汁三菜」を基本としたメニューにすることです。
主食、汁物、おかず(メイン1品、小鉢2品)というような、和食のイメージです。これを意識することで、糖質、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルをバランスよく含んだメニューに近づけることができます。
運動
運動をしていない人は運動をしている人よりも自律神経が乱れやすいです。
運動で筋肉が動くことによって血流循環や代謝が良くなり、呼吸が増えることで、全身の細胞に酸素が運ばれやすくなります。これによって身体はリラックスし、自律神経が整いやすくなるのす。
特に、朝の散歩は運動効果と日光浴にもなり体に良いです。運動をして日光を浴びることは、睡眠や精神的な安定、ストレスを抑制するホルモンである、「セロトニン」の分泌量が増加します。
できれば、週に3日、30~1時間くらいは運動をする習慣をつけましょう。
睡眠
規則正しい睡眠をとれている人は現代では減少傾向にあります。睡眠をしっかりとらないと体や脳の休息が取れないのです。睡眠は早起きよりも早寝が大切です。毎日ある程度決まった時間に寝て、だいたい7時間程度の睡眠時間が理想的です。
脳には、視床下部(ししょうかぶ)という場所があります。自律神経はその視床下部によってコントロールされています。さらに視床下部には、体の様々な情報が伝達され、睡眠、覚醒、体内時計の調節もしています。なので、不規則な生活習慣によって、睡眠時間が極端に短かったり、睡眠不足が続いたり、寝る時間や起きる時間が毎日バラバラだと、視床下部を介して自律神経に影響してしまいます。
自律神経を整えるうえで、睡眠時間をしっかりと確保することと、規則正しい睡眠生活はとても大切です。
ストレスを溜めない
ストレスを溜めないこともは、群発性頭痛を予防する上でとても重要です。しかし、ストレスを溜めるなと言われてもなかなか難しい話です。そのため、自律神経のバランスが乱れやすい人が多いのが現状です。なので、定期的にストレスを発散しましょう。
何か趣味があればそれを定期的に行うでも良いですし、趣味がない場合は、自分が没頭できそうなことを探すのもいいと思います。趣味やストレス発散方法は人によって違うので、自分が何をすればストレスが発散されるのか分かっておく必要がありますね。
姿勢を整える
姿勢も自律神経に影響します。自律神経は背骨の前を走っているので、背骨の状態、つまり姿勢によって影響を受けるのです。
普段から姿勢が悪いと自律神経もですが、体全体的に不調になりやすいです。
特にデスクワークやスマホを見る姿勢は、頭の位置が前に出てしまうので猫背になりやすいので良くありません。一度自分の姿勢を写真で取って確認するのも良いですね。今の状態に気づくことは非常に大切です。
姿勢を良くするポイントは、頭の上を糸で引っ張られているかのように頭を少しだけ上に上げる意識です。背伸びはしません。この状態でお腹に力が入るのが分かるかと思いますが、この筋肉が弱くなると不良姿勢につながるのです。
普段から頭を少し上に引っ張られていると思って、良い姿勢を意識しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
群発性頭痛を予防する方法は、姿勢やストレス、生活習慣の改善です。そして、こういったことを日頃からの習慣化することが大切になります。