電車の中で急に腹痛に襲われたり、会議中など緊張する場面で、急に腹痛に伴って便意をもよおしたりという経験はありませんか?
そんなやっかいな過敏性腸症候群は消化器科の受診患者のうち3人に1人と言われています。
乳製品は腸に良いと思っている方は多いのではないでしょうか?中でもチーズは過敏性腸症候群にとって良いのか悪いのか。
今回は、過敏性腸症候群の食事でチーズは効果的なのか?という疑問についてご紹介していきます。
過敏性腸症候群とは?
過敏性腸症候群とは、原因不明のお腹の痛みです。Irritable Bowel Syndromeの頭文字を取って「IBS」と言います。
過敏性腸症候群は、腸の検査をしても異常が認められず、腹痛に伴って、下痢や便秘などの便の異常が慢性的もしくは、再発的に持続する状態です。
この疾患は、先進国に多く、日本では約10%の人にみられ、20~40歳代と比較的若い年齢層に多く、40歳代以降の有病率は減少します。男性より女性の方が多い傾向があり、男性では「下痢型」、女性では「便秘型」が多いとされています 。
病院の消化器科を受診する人の3人に1人は、この過敏性腸症候群と言われています。
過敏性腸症候群の症状は、腹痛や腹部膨満感が特徴的で、4つのタイプに分類されます。
- 下痢型
- 便秘型
- ガス型
- 混合型
過敏性腸症候群の食事療法FODMAPとは?
過敏性腸症候群では食事に対して何をポイントにすればいいのでしょうか?
そこで、最近注目されているFODMAP食とはどういったものなのか解説します。
FODMAP食とは、過敏性腸症候群を改善するための食事療法です。
- fermentable(発酵性)
- oligosaccharides(オリゴ糖)
- disaccharides(二糖類)
- monosaccharides(単糖類)
- and
- polyols(ポリオール)
の略語です。
これらの糖類は、小腸で、消化・吸収されにくいため、大腸に運ばれると発酵が促進される性質があります。それによって、ガスが発生しやすくなったり、正常な水分吸収の機能が作用しなくなり、お腹の張りや下痢・便秘などの原因を作り出す腸内細菌のエサとなってしまうのです。
高FODMAPの食べ物一覧です。
- 小麦
- パン
- ラーメン
- パスタ
- うどん
- 玉ねぎ
- 豆類
- キャベツ
- ごぼう
- にんにく
- さつまいも
- たこ焼き
- ソーセージ
- トマトケチャップ
- ワサビ
- すいか
- リンゴ
- 牛乳
- ヨーグルト
- 乳糖を含む乳製品
- アイスクリーム
- はちみつ
- チョコレート
など、実にたくさんあります。これら以外にもまだまだたくさんあり、日頃から口にしているものが結構多いのです。
過敏性腸症候群の方は、高FODMAP食によって、腹痛や下痢・便秘などを引き起こしてしまっています。なので、食事からこれらの摂取を控えることが大切です。これを「低FODMAP食」と言います。
この低FODMAP食による食事療法は、過敏性腸症候群の方には有効な食事療法として注目されています。
食事にチーズは効果的なのか?
チーズは乳製品の一種で腸に良いと思われている方が多いのですが、過敏性腸症候群の食事にチーズを摂り入れるのは効果的なのでしょうか?
先ほどのFODMAPが多く含まれる物の中にチーズはありませんでしたね?
しかし、チーズにもいくつか種類があり、実は高FODMAPに含まれる種類もあるのです。
その一部を紹介します。
高FODMAPのチーズ
- ホエイチーズ
- プロセスチーズ
- カッテージチーズ
- ブルーチーズ
- クリームチーズ
低FODOMAPのチーズ
- ブリ―チーズ
- バターチーズ
- カマンベールチーズ
- チェダーチーズ
- ゴルゴンゾーラチーズ
- モッツァレラチーズ
- パルメザンチーズ
などがあります。
食事でチーズを取り入れる場合は、低FODOMAPのチーズを選んでください。
まとめ
チーズは体に良いというイメージをお持ちの方はたくさんいるかと思いますが、実はチーズの種類によって過敏性腸症候群に影響を与えているのです。チーズが好きな方は種類を選んでくださいね。
過敏性腸症候群の方は、今後の食事を作る際に是非参考にしてみて下さい。