自律神経失調症とは
自律神経失調症とは、自律神経の交感神経と副交感神経がバランスを崩し、常に交感神経が優位に働いてしまいます。そして自律神経自体が正常に機能しなくなることで、体に様々な不調が出てくる状態です。
最近では、更年期を迎えた女性以外にも、中高年の男性や、若年者にも自律神経失調症が増えてきています。
疲労感や倦怠感、不安感や情緒不安定などの「不定愁訴」(ふていしゅうそ)を訴える場合は、病院で検査を受けても、特に原因が見つからず、その結果、自律神経失調症と診断されることが多いです。
自律神経とは
自律神経は、交感神経と副交感神経がバランスよく作用することで、代謝・循環・消化・発汗・心拍・排尿・排便などの生命維持に必要な機能を正常に保つようにコントロールしています。自分の意思ではコントロールすることができず、24時間常に自動的に働いている神経です。
自律神経失調症の原因・症状
原因
自律神経失調症は、ストレスなどの精神的な問題が原因になることが多いです。
原因は大きく分けて次の通りです。
- ストレスなどの精神的な問題
- 女性・男性ホルモンの乱れ
- 更年期
- 生活習慣
症状
身体的な症状
- 慢性的な疲労
- 倦怠感
- 微熱
- めまい・立ちくらみ
- 頭痛
- 動悸・息切れ
- ほてり
- 暑くないのに汗をかく
- 吐き気
- 便秘・下痢
- 腹痛
- 耳鳴り
- 幻聴・幻覚
- 肩こり・腰痛
- 手足のしびれ
- 不眠・過眠
- 食欲の低下・過食
- 口やのどの不快感
- 頻尿・残尿感
- 血圧の変動が激しい
- 性機能の低下
精神的な症状
- やる気が出ない
- 集中力がなくなる
- 情緒不安定
- 人間不信
- 不安感
- 被害妄想
- 疎外感
- 落ち込みが激しい
- ゆううつになる
- 感情の起伏が激しい
- あせりを感じる
- 涙もろくなる
何科を受診すればいいのか?
自律神経失調症は様々な症状が出ます。しかし、何科を受診すればいいのか分からないですよね?
人によって症状の出方や度合いが違いますので、今出ている一番つらい症状に対しての専門の科を受診しましょう。
例えば、
- 肩こりや腰痛であれば整形外科
- 手足のしびれは整形外科、脳神経外科
- 耳鳴りは耳鼻科
- 頭痛は内科、脳神経外科
- 不眠は睡眠外来
などです。
自律神経失調症と同じような症状の出る別の病気がある可能性があります。
上記以外では、糖尿病や癌でも倦怠感は出ますし、逆流性食道炎でも口や喉の不快感は出ます。こういった病気を見逃さないためにも、その症状の専門の科を受診することは大切です。
専門の科を受診しても改善しない場合や、明らかに自律神経失調症が疑われる場合は、すぐに精神科もしくは心療内科を受診して下さい。
結局のところ何科に行けばいいのか?
今出ている症状の専門の科を受診することも大切です。しかし、自律神経失調症の特徴としては、早期の適切な治療が重要となります。
つまりは、
- その症状の専門の科
- 精神科・心療内科
の両方を受診して下さい。
早期に適切な治療をすれば改善の可能性は高くなります。しかし、自律神経失調症を放置すると、うつ病になってしまうこともありますので、「ちょっと疲れが溜まっているだけだから大丈夫」ではなくて、早期に両方の科の受診をおすすめします。