パニック障害とは
パニック障害は、不安障害の一種です。パニック障害は突然以下の症状が起こります。
- 動悸
- 発汗
- 体や手足が震える
- 呼吸困難
- 胸の圧迫感・不快感
- 吐き気
- 腹痛
- めまい・ふらつき
- 自分自身ではないような感覚
- 気が狂う恐怖に襲われる
- 寒気・ほてり感
- 死ぬかもしれないと思う
こういった発作は数分~30分ほどで落ち着きますが、一度パニックを起こすと、また同じ場所や同じ状況になると再びパニックを起こすのではないか、という「予期不安」に襲われ、外に出るのが怖くなるなど、日常生活に支障をきたすようになります。
発作の頻度は、人によって異なり、1日に数回起こることもあれば、1ヵ月に1回起こるか起こらないかという人もいます。
パニック障害という病気だということを、周囲の人も認識しておくことが大切になります。
パニック障害の原因は?
パニック障害は「不安」が根本的な原因になります。不安を感じやすい原因は以下のようなものがあります。
- 性格
- 過去の経験
- 神経伝達物質
性格
日本をはじめとした先進国は、ストレス社会の影響か、発展途上国と比べるとパニック障害の発症率が高いと言われています。ストレスが溜まることで、不安や緊張が高まります。ですので、パニック障害は性格とも関係があるのです。ストレスが溜まりやすい方、不安が強い方や心配性の方、こだわりが強くて神経質な方はパニック障害を起こしやすいと言われています。
真面目・神経質タイプ
このタイプの人は、負けず嫌いで責任感が強いタイプの人です。何事にもコツコツと真面目に取り組みます。何でも粘り強く行なってしまうので、問題が出ないか不安になりやすく、問題が出たときには自分ひとりで抱え込んでしまうことが多いです。こだわりが強く、神経質になり、ついつい頑張り過ぎてしまうので、ストレスが溜まりやすいです。
感情抑制して人に合わせるタイプ
このタイプの人は、嫌なことを嫌と言えない、感情表現が苦手なタイプです。頼まれたことは断り切れず、何でも引き受けてしまいます。さらに、真面目なため、何事にも真剣に取り組み、周りからの信頼もあついです。しかし、出来ない事も出来ると言ってしまうので、余分なストレスや不安、心配事が溜まりやすいです。
マイナス思考で内向型的タイプ
このタイプの人は、考え方が消極的で、細かいことをいちいち気にするタイプです。不安が強く、心配性で、些細なことでもすぐ落ち込みやすく、ずっと引きずってしまいます。さらに、自分のダメな部分に目が向きやすいタイプです。劣等感が強く、思考の悪循環に陥りやすい性格です。
過去の経験
過去の経験やトラウマはパニック障害の原因になります。特に、虐待や親との別れ、受験でのプレッシャーなどが原因となることが多いです。
また、親の愛情不足も原因になります。小さい子供は当然泣きます。理由が分からず泣くことも多いのが子供です。しかし、これは親からの安心感を求めているのです。幼少期の子供の要求に応えることができず、安心感を与えていないと、心が上手く成長しません。
これらのことが「心の傷」となって残ってしまい、パニック障害の発症のリスクとなってしまうのです。
神経伝達物質
パニック障害は、脳内の神経伝達物質の分泌異常が原因と言われています。主に2つの神経伝達物質が関与します。
- ノルアドレナリン
- セロトニン
ノルアドレナリン
ノルアドレナリンは、主に脳の中枢系へ働き、ストレスに反応して、脳内と交感神経抹消から分泌されます。ノルアドレナリンの作用は、思考や意識を活性化させます。「危険」というストレスを感じることで、ノルアドレナリンが分泌されて「集中力」「判断力」「注意力」を向上させ、心拍数や血圧を上昇させ、身体を覚醒させてくれます。さらに、「不安」「イライラ」「恐怖」「緊張」「怒り」などの感情とも深く関わっています。別名「怒りのホルモン」とも呼ばれます。
なんらかの原因によって、このノルアドレナリンが過剰に分泌されてしまうことで、常に緊張状態になり、不安や恐怖感を長期的に過剰に感じてしまいます。
セロトニン
セロトニンは、心と体のバランスをコントロールしてくれます。不安感に影響するノルアドレナリンの分泌量を適量に調整し、精神的な安定やストレスの抑制に効果があります。別名「幸せのホルモン」とも呼ばれます。
パニック障害の場合は、このセロトニンの分泌が減少することで、ノルアドレナリンの分泌量が調整されず、不安感が過剰になってしまうのです。