もう10年以上も耳鳴りに悩まされている。このまま一生治ることはないのか。
耳鼻科に行っても、年齢のせい、慣れるしかないと言われた。
検査では耳に異常はなく、処方された薬を飲んでも効いている感じがしない。
という経験はありませんか?
病院で原因が分からず、薬も効かないとなると、何をしたらいいのか分からず不安になりますよね?
耳鳴りの原因のひとつにストレスが関係します。今回は、耳鳴りとストレスの関係についてご紹介していきますので、きっとあなたのお役に立てるかと思います。是非参考にしてみて下さい。
耳鳴りとは
耳なりとは、実際に音がしていないのにもかかわらず、何かの音が聞こえる状態です。
一般的に耳なりは、特発性難聴(とくはつせいなんちょう)や、めまいが生じるメニエール病とともに発症することが多いとされています。一日中持続する耳鳴りは、睡眠や仕事など、日常生活に支障をきたすこともあります。
飛行機に乗った時などの気圧の変化や、静かな場所に入った時にも耳鳴りがしますが、これらは一時的なもので、特に心配はなく、注意するべき耳鳴りは、慢性的に続く耳鳴りです。
耳鳴りは2つに分類されます。
- 自覚的耳鳴(じかくてきじめい)
- 他覚的耳鳴(たかくてきじめい)
自覚的耳鳴
実際に音がしていないのに本人のみに音が聞こえるという耳鳴りです。特徴としては、何かに集中している時は感じにくく、周りが静かになった時に感じやすいです。特発性難聴や、メニエール病に伴って発症することが多いですが、そういった症状を伴わずに発症するなど、耳鳴りが単独で生じることもあります。
他覚的耳鳴
他人が聞いても聞こえる耳鳴りです。どういうことかと言いますと、聴診器などを相手の耳にあてることで、同じ耳鳴りを聞くことができるのです。
耳鳴りの原因
耳鳴りの症状が出てくると、耳鼻科などの病院へ行くことがほとんどです。しかし、病院に行っても検査は異常なしで、原因がはっきりと分からないことも多々あります。また、処方された薬を飲んでも効果がない場合もあります。
耳鳴りの原因は、はっきりと分かってはいないのですが、内耳の問題、ストレス、疲労の蓄積、加齢などによる体内の変化や、循環障害、血圧の異常などの、全身の不調が耳鳴りの原因になると言われています。
また、耳の病気などの影響を受けて発症することもあります。
- 外耳炎
- 中耳炎
- 内耳炎
- 鼓膜炎
- 耳軟化症
- 耳管開放症
- 耳管狭窄症
これらの耳の病気の影響を受けて発症するものは、病態が分かっているので、診察や対処法など比較的容易に行えます。
自覚的耳鳴
自覚的耳鳴の原因としては、内耳(ないじ)の障害によって生じることが多いと言われています。
耳は、外から奥に向かって「外耳」「中耳」「内耳」と呼ばれる3つの部位に分かれています。
音は空気の振動として耳に入ります。外から入った音は、外耳から入り外耳道を通って鼓膜を振動させます。
その鼓膜の奥は中耳になります。中耳には、鼓膜に付着する耳小骨と呼ばれる3つの小さい骨があり、鼓膜で受けた音の振動が、耳小骨を経由してさらに奥の内耳に伝わります。音の振動は内耳という部分で、神経の伝達によって脳へ到達し、そこで「音」として認識されます。
この内耳から神経伝達により脳まで到達するというメカニズムのどこかが障害されることで、耳鳴りが生じるとされています。
他覚的耳鳴
他覚的耳鳴は、間欠的な耳鳴りと、持続的な耳鳴りに分けられます。
間欠的な耳鳴り
「コツコツコツ」「プツプツプツ」というように、一定のリズムで聞こえるものです。これの原因としては、耳の周囲の筋肉が痙攣することで聞こえます。
持続的な耳鳴り
「ジーーー」「ザーーー」というような、持続的に聞こえる耳鳴りです。これは血液の流れている音が聞こえています。高血圧や脳血管の動脈硬化などの、血液循環の障害などによってこのような音が聞こえるのです。
自律神経とは
耳鳴りとストレスの関係を理解するうえで、自律神経の存在を知っておいてください。
自律神経とは、代謝・循環・消化・発汗・心拍・排尿・排便などの機能をコントロールしており、生命維持のための重要な役割を担っています。この自律神経は、自分の意思と関係なく無意識の中で、常に自動的に体の状態を正常に保とうとしてくれているのです。
自律神経は、正反対の働きをする交感神経と副交感神経に分かれます。
基本的には、日中の仕事やスポーツなど活動的な時は、交感神経が優位な状態になり、夜間の睡眠やリラックスしてる状態の時は、副交感神経が優位となります。日々の生活で、この交感神経と副交感神経がバランスよく働くことにより、私たちの身体は正常に機能しているのです。
耳鳴りとストレスの関係
普段から私たちは、大なり小なりストレスを抱えています。職場での人間関係や、仕事が上手くいかないなどの精神的なストレス、過労による肉体的なストレスなど、耳鳴りは、疲労やストレスによって強くなる傾向があると言われています。そのため、耳鳴りは、生活環境や生活習慣によって大きく影響を受けるのです。
また、耳鳴りを感じることで、それ自体がストレスとなってしまうこともあります。耳鳴りによるストレスによって、脳が過敏に反応してしまい、さらに耳鳴りが聞こえるという悪循環に陥ってしまうこともあるのです。
このように、体にストレスが溜まることは、私たちの体を自動的にコントロールしている自律神経の乱れにつながり、正常に機能しなくなってしまうのです。
耳鳴りの原因と言われている、内耳の問題や、耳周辺の筋肉の痙攣、血液の循環障害などは、この自律神経がコントロールしています。つまり、ストレスが溜まることによっての自律神経の乱れは、耳鳴りの発症に大きく関わってくるということなのです。
ストレスは姿勢との関係も深い
姿勢が悪くなると、ストレスや疲労が溜まりやすくなり、逆に、ストレスや疲労が溜まることでも姿勢は悪くなってしまう傾向があります。姿勢が悪くなると、背骨は歪み、本来のきれいなS字状のカーブが崩れてしまいます。積み木のように重なった背骨の一番上には、頭が乗っています。背骨が歪むことで、頭や脳への血液の循環が障害してしまうのです。血液の循環障害が障害されることで、内耳の問題につながり、結果的に耳鳴りの症状として出てきてしまうのです。
さらに、実はこの背骨の形状の歪みが、自律神経の乱れにもつながってしまうのです。どういうことかと言いますと、骨盤から頭まで続く一本の長い背骨の前には、自律神経が走行しています。背骨が歪むことで自律神経にも影響を与えてしまうのです。
ストレスとは
現代は、ストレス社会と言われるほど、慢性的なストレスを多くの人が感じるようになっています。人間関係や仕事、家庭環境など、一概にストレスと言っても、たくさんの種類があります。
身体的
病気、怪我、姿勢、通勤、夜勤
環境的
騒音、照明、ほこり、匂い
物理的
暑さ、寒さ、風、雨、気圧、湿度、雪、紫外線
物学的
ウィルス、細菌、花粉、黄砂
精神的
離婚、死別、疲労、不安、挫折、失恋
社会的
学校、仕事、家庭、人間関係
ストレスを溜めやすい性格
適度なストレスは必要と言われますが、人によってその「適度」が違います。ストレスの感じ方は、性格的な部分も関係してきます。中でも、特にストレスを受けやすい性格をご紹介します。
①真面目・神経質タイプ
このタイプの人は、負けず嫌いで責任感が強いタイプの人です。何事にもコツコツと真面目に取り組みます。何でも粘り強く行なってしまうので、問題が出たときに、自分ひとりで抱え込んでしまうことが多いです。いい加減なことができないため、ついつい頑張り過ぎてしまい、ストレスが溜まりやすい性格です。
②感情抑制して人に合わせるタイプ
このタイプの人は、嫌なことを嫌と言えない、感情表現が苦手なタイプです。頼まれたことは断り切れず、何でも引き受けてしまいます。さらに、真面目なため、何事にも真剣に取り組み、周りからの信頼もあついです。しかし、出来ない事も出来ると言ってしまうので、余分なストレスが溜まりやすい性格です。
③妥協しらずの完璧主義タイプ
このタイプの人は、常に自分に自信を持って、理想が高く、完璧を目指すタイプです。このようなタイプの人は、自分の意見が正しいと思っているので、周囲との摩擦が起きやすく、それがストレスになってしまいます。また、自分がうまくいかなかったときに受けるダメージも大きくなり、ストレスが溜まってしまう性格の人です。
④マイナス思考で内向型的タイプ
このタイプの人は、考え方が消極的で、細かいことをいちいち気にするタイプです。些細なことでもすぐ落ち込みやすく、ずっと引きずってしまいます。さらに、自分のダメな部分に目が向きやすいタイプです。劣等感が強く、思考の悪循環に陥りやすい性格です。
このように、ストレスを感じやすい性格があります。しかし、ここに当てはまらない性格の人でも、もちろんストレスは感じます。
まとめ
耳鳴りで病院へ行っても、「原因はわからない」「おそらくストレスからだろう」「とりあえず薬を出しとくので、これを飲んでダメなら治らない」と言われる方は意外に多いのが現状です。
耳鳴りという症状は、体が「疲れている、助けて」というサインなのです。耳鳴りに限らずですが、人間は体に異常が溜まってくると、何かしらの形でサインを出します。それが症状として出てくるのです。
耳鳴りに関しても、原因が分からないと言われていますが、全身をちゃんと検査していくことで、ある程度原因は推測ができます。人によって体は違うので、もちろん原因と考えられるものも違ってきます。
当院では、その人の体をしっかりと検査し、原因に対してアプローチしていきます。また、姿勢の矯正や、自律神経の調整も行っていますので、耳鳴りでお困りの方は一度ご相談下さいね。