妊娠したら嬉しい反面、これからのマタニティライフに不安を抱く方も多いです。
妊娠すると特有の初期症状が現れます。
そんな初期症状とはどういった症状なのか気になりますよね??
つわりに代表されるように、頭痛や腰痛など、様々な症状が現れます。
今回は、そんな妊娠の初期症状について詳しく解説していきますので、参考にしてみて下さい。
妊娠週数
女性は1ヵ月に1回生理がきます。
妊娠週数は、最後に生理がきた初日を「妊娠0週0日」と数えます。
生理後、約1週間後に排卵が起こります。そこで精子と卵子が受精すると受精卵となります。この受精卵は、1週間ほどかけて卵管を通って子宮内に入り、子宮内膜にくっつく(着床)と妊娠が成立します。
この時点で妊娠3週となります。
妊娠検査薬は、早くて妊娠4週からしか陽性反応が出ないため、この妊娠3週頃は妊娠が成立していても、陽性反応が出ない時期になります。
この妊娠0週~4週を「妊娠超初期」と言います。
妊娠初期
妊娠初期とは、妊娠2ヶ月(妊娠5週)~妊娠4ヶ月(妊娠15週)までを表すことが多いです。
妊娠初期症状が現れる時期には個人差がありますが、妊娠が成立するとすぐに妊娠初期症状を自覚する人もいます。
この時点では妊娠3週頃にあたります。
初期症状は、一般的には生理予定日を過ぎた後の妊娠5週~6週頃から症状が現れることが多いです。
お腹の赤ちゃん
では、この時期のお腹の赤ちゃんの様子はどんな感じなのでしょうか。
4週~6週では、赤ちゃんの入った袋(胎のう)が確認できます。超音波エコーでは豆粒のように見えます。
産婦人科の医者が正常な妊娠と判定できるのは、胎のうの中の、胎児の心臓の動きが確認できたときです。だいたいの場合は、5週〜7頃になります。
羊水量が増えて、手足を動かしたり、口を開けたり閉じたりしだします。15週ごろには胎盤が完成し、赤ちゃんの成長が早くなってきます。
妊娠初期は、このように赤ちゃんは日々お腹の中で成長していくのですね。
女性ホルモンの影響
この妊娠の初期には、女性ホルモンの影響を受けることが多いのです。
なので、まず女性ホルモンについて正しく理解しておきましょう。
女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンという2種類のホルモンがあります。
女性の体内では、生理周期に合わせてこの2つのホルモンが常に変化しています。
- エストロゲン(卵胞ホルモン)
エストロゲンは、女性らしい体形にするホルモンです。また排卵の準備をする、髪や肌の潤いを保ち、シミやシワを防ぐ働きがあります。
さらに、丈夫な骨を維持したり、コレステロール値の調整をしたり、動脈硬化を防ぐなど、様々な働きがあります。
- プロゲステロン(黄体ホルモン)
プロゲステロンは、妊娠に備えて子宮の状態を整えたり、体にエネルギーをため込んだり、皮脂を分泌したりする働きがあります。
生理がはじまって約2週間たつと、体の中では排卵が起こります。この時に増えるホルモンがプロゲステロンです。
プロゲステロンは子宮内膜をやわらかくして、妊娠の準備を整えます。
妊娠が起これば、分泌はそのまま続き、出産まで子宮内膜を維持しますが、妊娠が起こらなかった場合、分泌量は約2週間で減少していき、子宮内膜が剥がれ落ちます。
これが生理です。
つまり、妊娠すると生理はきません。
女性は生まれてから思春期になると初経をむかえて、その後は毎月の生理、妊娠、出産、授乳、やがて閉経を迎えます。これは女性ホルモンの働きにより起こるものです。
女性は妊娠の時だけでなく日頃から女性ホルモンの影響を受けているのです。
妊娠初期の症状
では、妊娠初期はどのような症状が出るのでしょうか。
妊娠初期症状といっても最初に説明した、妊娠超初期から症状がでることもあります。
症状の出方や度合いなど、人によってすべて違うので、必ずしもこのような症状が出るとは限りませんが、一般的によく出る代表的な症状をあげていきます。
着床出血
受精卵が子宮に着床した際に起こる出血で、着床出血と呼ばれます。これは1日~数日続きます。
着床するのは受精してから約1週間後くらいなので、この時期に起こります。
おりものに血が混ざったようなものや、生理のような出血だったり、人によって異なります。
この着床出血は、妊娠したすべての人に起こる出血ではなく、ない人の方が多いです。
生理が始まったばかりで出血量が少ないだけという可能性もあります。
性行為によって外性器に傷がついて出血したり、子宮内膜症など病気で性器から出血したりすることもあります。
生理がこない
多くの人はこれで妊娠に気づくのではないでしょうか。
ストレスや自律神経の影響で生理不順の人の場合は、予定日を過ぎても生理がこないこともあります。
しかし、規則的な生理周期にもかかわらず1週間以上遅れていると、妊娠の可能性が高いと言われます。
胸が張る、痛くなる
これは妊娠によるものというよりは、排卵後のプロゲステロン(黄体ホルモン)による影響によって起こると言われてます。
妊娠初期は胸が張るだけでなく、乳首の色が黒くなったり、乳首がブラジャーに触れて、チクチクと痛みやかゆみを感じることもあります。
おりものが多く、水っぽくなる
「おりもの」とは、子宮・膣・汗腺から分泌物や、はがれた細胞(老廃物)などが混じりあい、粘液として出てきたものです。
おりものは生理周期によって、色や臭いなど、状態が変化します。
妊娠初期には、おりものの「量が増えた」「サラサラと水っぽい」という変化を感じることが多いようです。
妊娠した場合、その妊娠状態を維持するために女性ホルモンが分泌されます。女性ホルモンのなかの、エストロゲンというホルモンの影響で、おりものがサラサラと水っぽくなるようです。
また、少量の出血が混ざり、ピンクや茶色のおりものが出る場合もあります。
腹痛、下腹部痛
妊娠超初期に、下腹部にチクチクとした痛みを感じる人もいれば、生理痛に似た腹痛を感じる人もいます。
これは、妊娠することで子宮が収縮することで起こる痛みと言われています。さらに、着床するときに感じる痛みであるとか、ホルモンバランスの変化によって起こる腹痛であるとも言われています。
生理前に起こる腹痛と、妊娠かどちらか判断するのは難しいです。
頭痛
頭痛も妊娠の症状の一つであり、ホルモンバランスの変化で起こると考えられてます。
胃痛
子宮が大きくなるため胃が圧迫されることで、胃痛を感じることがあります。
女性ホルモンの影響で、胃酸が逆流しやすくなる逆流性食道炎になる人もいます。胃の痛みはなくても、胃がもたれる、違和感があるという人もいます。
臭いに敏感になる
妊娠前は気にならなかった、生活臭や食事の時の臭いで気分が悪くなることがあります。
例えば、シャンプーや石鹸の臭いや、ご飯の臭いが無理という人もいます。
中には、2~3歳の子供の、あの独特な臭いがダメという人もいます。
便秘
便秘も妊娠初期に多い症状のひとつです。妊娠中に分泌されるプロゲステロンの働きによって、腸の動きを抑制します。
また、ホルモンバランスの変化により、自律神経が乱れることも便秘の原因になります。
腰痛
普段は腰は痛くないのに、急に股関節や腰周りが痛むようになる人もいます。妊娠によって、骨盤周囲の靭帯が緩みだしたことで股関節や腰痛が出てくるのです。
また、体重が増加するにつれて、身体の重心が変わっていくため、妊娠中はずっと腰痛が続くこともあります。
体がだるい、眠い
妊娠する前は、排卵から約2週間は基礎体温が高い状態が続き、また生理がはじまると体温が低くなります。
しかし妊娠をすると、妊娠を維持するために、女性ホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)というホルモンが分泌されます。
このホルモンの体温上昇作用によって、継続的な基礎体温の上昇が起こり、倦怠感や眠気を感じやすくなります。
人によっては、風邪っぽいとか、寝ても寝てもすっきりとしない、眠気が強くて仕事に集中できないなどという人もいます。
情緒不安定
妊娠すると、ホルモンのバランスが変化するため、すぐイライラしたり、涙もろくなったりします。
肌荒れや口内炎
妊娠してからニキビや湿疹など、肌が荒れてくることがあります。妊娠中はホルモンバランスの変化で、妊娠超初期にも肌荒れの変化に気づく場合もあります。肌にかゆみや痛みを感じる場合もあります。
また、つわりの影響で十分な栄養が摂れず肌荒れが起きるなど、ストレスや睡眠時間、食生活の変化によっても肌が荒れたり、口内炎ができたりもします。
この肌荒れや口内炎は、妊娠以外の原因で起こっている可能性もあります。
悪阻(つわり)
悪阻(つわり)とは、妊娠することで引き起こされる妊婦特有の症状です。妊娠した人の約8割が経験すると言われています。
悪阻の始まりは、早い場合は、妊娠4週目から症状が出はじめ、妊娠12~16週目に症状が落ちついてくるのが一般的です。
悪阻の症状は
- 眠気
- 臭いに敏感になる
- 味覚が変わる
- 気持ち悪い、吐き気がする
- 便秘
- 唾液の量が増える
などがあり、多くは妊娠初期症状と同じものです。
ということは、悪阻も妊娠初期症状の一つと考えられます。
妊娠によって引き起こされる悪阻の症状は、入院しなければならないくらい重症になるケースもあれば、ほとんど症状は感じず、かるい眠気くらいの悪阻など、人によって症状や期間は様々なのです。
妊娠の初期症状には様々なものがありましたね。
充実した妊娠ライフを過ごせるように、パートナーの人には妊娠の症状を理解してもらいましょう。