胸郭出口症候群の原因はどんなもの??あなたは当てはまりますか??

「吊り革を持っている腕が痺れてくる。」

「電話をしていると腕がいつも以上に重たくなってくる。」

「同じ姿勢で作業をしていると手まで痺れてくる。」

このようなお悩みはありませんか??

もし当てはまるような感じがあるなら、それは・・・

胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)かもしれません。

現代の生活習慣病に、ストレートネックや首こりなどの首周辺を痛めてしまう方がとても多くなってきています。

胸郭出口症候群そのような生活習慣病の一つになってきています。

同じ姿勢での作業が多いと腕から手にかけて痺れてくる。

腕を上に挙げていると冷たくなるように感じて痺れてくる。

ここではそのような症状があるあなたに、胸郭出口症候群の原因について紹介していきますね。

胸郭出口症候群とは?

まず、胸郭出口症候群とは一体どんなものでしょうか。

胸郭出口とは、鎖骨と肋骨の1番上(第一肋骨)と斜角筋(首から肩にかけて付いている筋肉)が造る隙間のことです。

この隙間を鎖骨や斜角筋などの首から肩にかけて付いている周辺の筋肉が血管や神経の通り道を圧迫してしまい、背中の

肩甲骨周辺や腕・手や指にしびれやだるさ、痛みなどの症状がでてきます。

場合によっては酷くなると筋力や握力の低下、特定の姿勢の際に症状が悪化し、生活や仕事に支障をきたす事もあるのです。

そして胸郭出口症候群とは、

斜角筋症候群、肋鎖症候群、小胸筋症候群・過外転症候群の3種類のいずれかの状態になっている事を総称しています。

鎖骨や斜角筋などの首から肩にかけて付いている周辺の筋肉が血管や神経の通り道を圧迫してしまい、背中の肩甲骨周辺や腕・手や指にしびれやだるさ、痛みなどの症状がでてきます。

場合によっては酷くなると筋力や握力の低下、特定の姿勢の際に症状が悪化し、生活や仕事に支障をきたす事もあるのです。

胸郭出口症候群の原因

特に女性でなで肩の人は一般的に体の構造上、この胸郭出口が狭く、胸郭出口症候群の症状が出やすいのです。

しかし男性でも胸郭出口症候群にかかる人はもちろんいます。
斜角筋や小胸筋(大胸筋の下層部にある筋肉)を鍛えている方は起こる可能性が増加する傾向にありますね。

では、どのような場合に胸郭出口症候群になってしまいやすいか、

  • 日常的に特定の姿勢を長時間続けている人(パソコン、スマホ、美容師さんなど)

一定の姿勢を長時間続けることにより、筋肉構造や体の内部構造が変化し、胸郭出口症候群を発症してしまうことがあります。
また、長時間同じ姿勢を続けていると筋肉のコリが増加し、それが神経を圧迫して何らかの症状を出すケースもあります。

仕事の関係上同一姿勢を取ることが多い人は、普段からの運動・ストレッチの習慣がとても大事です。

  • 猫背で痩せ型の人

猫背もそうなのですが、猫背の状態が長く続くと、頭が前方に出てしまっている姿勢」をしている人は特に要注意だと思います。

パソコンやスマホ・携帯電話を操作している時は、ほとんどの方がこのような姿勢になっている可能性が高いので一度しゃ、仕事中の姿勢を写真に撮ってもらうと分かりやすいかもしれませんね。

  • なで肩、首が長い人
  • 筋肉があまり付いてない、運動を日常的にしない人

猫背や頭部前方偏位などの不良姿勢により、鎖骨が下に押し下げられ、なで肩を強いられると起こりやすくなります。

また、首の形状がストレートネックになっていると、背中は同時に猫背になりやすく顎を突き出した姿勢になるので発症しやすくなります。

レントゲンで撮ると、鎖骨が下に下がっている分、首が長く見えます。胸郭出口症候群の約8割はこのストレッチ型と言われています。

正常な鎖骨の形は、『軽いV字』になっていますが、なで肩の人は一直線であるか逆にハの字になっています。肩を支える(持ち上げる)筋力が減少していることに起因します。

鎖骨が一直線からハの字の体型というのは、周辺の神経(腕神経叢)や筋肉がたえず下に引っ張られている状態です。常にと張っている状態なのでストレスがずっとかかっていますね。軽く肩を持ち上げる鎖骨が軽い逆ハの字型にする)と症状が和らぐのはこの張った神経や筋肉を “たわませる” 効果があるためです。

このような方は、運動などで改善する可能性がとても高いと思います。

首周辺の筋肉が協調しあって、およそ6kgもある頭を支えています。
腕もおなじように、体についているとはいえ肩から吊られている状態です。これも肩周辺の筋肉が働いているからです。

筋肉・筋力のバランスが崩れてしまうと、頭が前方に移動し、腕も内巻きになりより下へ位置が変わってしまう事で胸郭出口を狭くし、症状を引き起こします。

胸郭出口症候群の症状が出てくると荷物を持つことによって首や肩周辺の負担が増大してしまい、胸郭出口部分を更に悪化させてしまいますね。

しかし、体の上体を改善し症状の出ていなかった時の体に戻せば良いのです。
運動などで整えてあげれば症状は改善する可能性がとても高いです。

  • 交通事故等を経験したことがある人

転倒や交通事故等で首周辺に強い衝撃が加わってしまい、筋肉が正常な力を発揮できずに前かがみになってしまうのです。結果、それが元で胸郭出口症候群の状態になってしまうケースです。

  • 骨隆々な人(稀におられます)

このような場合は本当に少ないですが、おられます。

上半身のトレーニングを継続しておられる方に多く、隆々な筋肉に発達した結果、筋肉が密になってくるのでその隙間を通過している神経や血管が圧迫されて胸郭出口症候群の症状が出てしまうというケースです。

  • 逆流性食道炎

逆流性食道炎とは胃液が食道や口腔まで逆流してやってくる病気です、胸焼けを主症状としますが喉頭部に慢性的な炎症を起こすことがあり、それが刺激となって斜角筋に筋緊張を起こします。胸焼けやゲップ、胸のつかえ感、慢性的な喉頭の違和感や食後に肩が凝る場合に疑います。また、「食事をすると肩がこる」という場合も逆流性食道炎を疑ってみましょう。

  • 胸式呼吸(咳やクシャミ、過呼吸、花粉症)

胸郭出口症候群の原因筋である斜角筋や小胸筋は呼吸の補助筋で、激しい運動や咳、クシャミ、鼻をすする、過呼吸など、肩で息をするときによく働きます。風邪の後、首肩の痛みや手のしびれが出たときや、普段から胸式呼吸の場合はこれを疑います。

  • その他(ストレスや緊張)

斜角筋はストレスや緊張、ショックなどに対し、敏感に反応して異常収縮を起こしやすい筋肉のひとつです。

胸郭出口症候群の症状

  • 慢性的に辛い肩こりがある
  • 首~肩周辺にかけてしびれや痛みがある
  • 肩から腕にかけてダルイ感じがする
  • 重たいものを持っていると症状が悪化する
  • 特定の動作や姿勢が続くとしびれや痛みがある
  • 腕を上に挙げている状態が続くとしびれや痛みがある
  • 手の指の中指~小指にかけて違和感や、痺れを感じる
  • デスクワークで集中しているとしびれや痛みがある
  • 握力の低下がみられる
  • 筋力の低下がみられる

以上の10項目が胸郭出口症候群の主な症状です。

もちろん症状や感じ方はそれぞれ違う事が多いので絶対ではありませんが、上記の症状が当てはまる場合は、

ほぼ間違い無いと思います。

胸郭出口症候群の種類

胸郭出口症候群といっても様々あります。大きく分けると、

  • 神経と血管が圧迫されて起こる圧迫型
  • 神経と血管が引っ張られて起こる牽引型

の2種類です。

また障害されてしまう場所によっても3つに分類されます。

斜角筋症候群(しゃかくきんしょうこうぐん)

斜角筋とは頚椎と呼ばれる首の骨から第1肋骨と第2肋骨についている筋肉です。

この場合は、斜角筋が硬くなるなど、緊張してしまう事で神経や血管が圧迫されてしまう症状です。

肋鎖症候群(ろくさしょうこうぐん)

鎖骨と第1肋骨の間の隙間を肋鎖間隙といいます。
この隙間を神経や血管が通っており、ここで圧迫を受けて症状が出るものを肋鎖症候群と呼びます。

この症状の特徴は鎖骨が下がってしまう事で起こりやすく、なで肩の女性や猫背の方に多くみられます。

肋鎖症候群の場合は比較的後天的な原因の影響が強いと言えます。

習慣性の首から腕にかけての過労からくる血行不良、姿勢や老化などによる骨格の変位、怪我などで鎖骨や肋骨を骨折した後の変形などが肋鎖症候群になりやすくなる原因になってきます。

女性に多いとみられるのが、筋・筋膜過労です。筋・筋膜過労は炎症を引き起こしている状態ですので、筋肉の膨張や硬くなってしまうことから血管を圧迫して血行不良、次いで代謝異常などになってしまいます。

仕事で日々重い荷物を背負わなければならない方々も日頃から肩こりだからと簡単に思わずに疲労を取るようにしましょうね。

小胸筋症候群・過外転症候群(しょうきょうきんしょうこうぐん・かがいてんしょうこうぐん)

小胸筋とは胸の前にあり、少し深い場所にある筋肉です。

この小胸筋のすぐ下を神経や血管が通っているため、腕を真横に挙げて伸ばされた時に圧迫を受けてしまい症状が起こります。

症状が急激に現れることは少なく、この場合も肩こりくらいですが、徐々に指先や手のしびれ、だるさ、冷えが出てきたりします。
さらに悪化すると、指先や手の感覚異常、ペットボトルのキャップが開けられないというような力が入りにくいなどの症状も現れます。
吊革につかまる、高い所に洗濯物を干すように手を挙げたり、重い荷物を肩に掛けたりすると悪化し、お風呂などで温めると楽にな場合がみられます。

なで肩の女性や上半身を特に鍛えている方に多いと言われていますが、それ以外の方も含めて小胸筋症候群と診断された方を
診てみると、ほとんどの方にある共通点が見つかります。

  • 症状が軽度の場合

保存療法で経過をみることが多いです。

胸郭出口症候群を引き起こしている原因の腕や鎖骨、肩甲骨の筋肉のストレッチや筋力トレーニングをする事で症状の緩和を図ります。

血流を改善し痛みや炎症を抑えるお薬や神経ブロック注射を服用しながら経過をみる事が多いと思います。

  • 症状が重度の場合

胸郭出口症候群の症状がかなり重度の場合は手術を行う事もあります。

神経や血管を圧迫している筋肉を切開したり、第一肋骨を切除したりする手術になります。

まとめ

日本人は、猫背・細身・なで肩・首が長い体形のようで元々胸郭出口部分が狭い傾向の方が多いです。

近年ではデスクワーク、スマートフォンの普及、運動不足により増加傾向にあります。

まずは日頃の姿勢やご自分の癖を理解して改善する事から始めましょう。

姿勢を改善すれば症状の改善は大幅に見込めますが、癖や習慣化してしまっているものを意識して矯正することは簡単ではありません。

しかし、これがかなり大事ですし、見落としがちになるのも事実です。

もちろん何か1つだけ改善できれば症状が治まるともいえません。

今まで健康で、とくに事故なんかも経験ないのにある日症状が出てきた。という人は、生まれつき胸郭出口部分が狭かった事に加えて、

姿勢の変化や、癖・習慣の積み重ね筋力の低下が症状を引き起こしたと考えられます。

このように様々な要因が絡みあっている場合もありますので根気強く改善していきましょうね。

胸郭出口症候群でお困りでしたら、いつでもご相談下さいね。

少しでもあなたのお役にたてればと思います。

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