頸椎ヘルニアは、腰椎ヘルニアと比べると、一般的に頸椎ヘルニアの方が、症状が軽いと言われています。
しかし、頸椎ヘルニアも症状が悪化してしまうと、「首→腕→頭→足」の順に様々な症状が現れるので、もちろん注意が必要です。
ヘルニアにより、周囲の筋肉や血管まで影響を及ぼしてしまい硬くなったり、循環不良になったりもしますし、よく言われように、背骨のすぐ近くにある神経が圧迫されてしまい、痛みやしびれが生じてしまうのです。
では、ここでの本題の症状は、頸椎ヘルニアによってどのように生じて、どのような症状が生じてくるのでしょうか?
できるだけ詳しくご紹介していきますね。
ヘルニアになってしまう原因は?
人は重たい頭を首だけで支えているのですが、首には頚椎(けいつい)と呼ばれる背骨が7つあり、それぞれの頚椎のすぐそばを想像以上に多くの神経が走行しています。
頚椎ヘルニアと同じような症状のでる頚椎症という病気もあるのですが、これは加齢っや負担の集中などによる骨の変化によって肩の痛みや手のしびれなどが出る病気で、椎間板ヘルニアとは別です。
60歳以上の方でレントゲンを撮ると、4人に1人くらいは症状がなくてもレントゲン写真上では骨が変化しています。その中でどれくらいの方に症状が出てくるかはわかっていませんが、骨の変化の上では多くの方が頚椎ヘルニアや頚椎症と診断されやすい状態になっているのです。
- 不良姿勢などの積み重ね
- 加齢的変化
- 交通事故などの外傷
- 運動などによる負荷
などが、頚椎ヘルニアを引き起こしてしまう原因になります。
やはりまず挙げられるのは姿勢の悪さ。
感じてしまう猫背ですが、じつは首にかかる負担は、まっすぐ立った時に対して約3倍に増えるのです。
ただでさえ人間の頭は6kgほどありますから、猫背の状態では20kg近くの負荷がかかっていることになります。猫背になりがちなデスクワークのときには1時間に1回は休憩をして、首を休ませてあげましょう。
スポーツが原因というのもよく見られます。体をひねる水泳やゴルフ、格闘技やテニスなどのハードなスポーツに多いですね。そのなかでも特に、プロレスラーには高い確率で頚椎ヘルニアが起こります。
ラグビーやアメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツではとても多い外傷の一つです。
ほか、交通事故やケガによって椎間板を痛めるケースもあります。
また加齢による骨の老化も原因となり、頚椎ヘルニアの患者で1番多い年代は50〜60代の中高年なんです。
ヘルニアとは、「飛び出す」という意味です。
椎間板ヘルニアとは、文字どおり中身である髄核が飛び出してしまう症状です。
頚椎ヘルニアの原因として、20歳代からすでにはじまる椎間板の「加齢的変化」や、「不良姿勢」などの背骨にかかる負荷の積み重ねにより、線維輪がふくらんだり、亀裂が生じて中身である髄核が外にはみ出します。
この結果、脊髄や神経根を圧迫して症状があらわれるのです。
そして、7つの頸椎の上から数えて4番目、5番目、6番目、7番目にあたる神経は、手や腕に繋がっているため、圧迫されてしまうと、手や腕のしびれ、握力低下などが生じます。
一方、上から1番目、2番目、3番目までにある神経は、頭に繋がっており、これらが圧迫されると、頭痛・吐き気・眼精疲労・視力低下・耳鳴りなどの、頭部を中心とした症状が起きます。
このように、症状が頸椎ヘルニアの特徴の一つです。
頭痛は血行の問題??
頭痛のもう一つの大きな要因として、首の周辺の筋肉の血行不良が挙げられます。
筋肉は、痛みを感じると縮んで固くなる性質があります。
ヘルニアの痛みによって、首や肩周辺の筋肉がこり固まり始めると、血行が悪くなり、
さらに固まりが激しくなっていく、というふうに悪循環になってしまいます。
そして、さらに酷くなってしまうと、頭部にいくはずの血液も量が減ってしまい、頭への酸素と栄養の供給が不足し、頭痛を引き起こしてしまいます。
また、筋肉の血行不良ではなく、ヘルニアや変形した頚椎によって、頭部への血管が圧迫され続けることによる頭痛も考えられます。
このような状態を放置しておくと、脳梗塞につながる恐れもあるので、注意が必要です。
このように、頭部への血行不良によって、頭痛が引き起こされる場合があります。
首・肩・腕の症状(痛み・肩こり・前胸部痛)
頚椎ヘルニアの症状は頭、首、背中、腕、下半身に症状が現れます。
脊柱症状
脊柱症状は線維輪に亀裂や剥離が生じたり、椎間関節炎が起きたりすることによって周囲の神経が刺激され筋肉が緊張することによって起きます。
- 首こり、肩こり、首の痛み、背中の痛み、
- 前胸部の痛み
- 緊張型頭痛、後頭部痛
左右片方の手や肩部分に、強い痛みやしびれが起きるのが特徴。
最初に、寝違いと似た痛みや違和感を感じることが多く、次いで片方の手・肩の広い範囲で強い痛みが出てきます。安静に過ごすことで2〜3週間ほどで症状が落ち着いてきます。
以降、鈍痛やしびれが残りますが、首の後ろ側から背中、また胸の前あたりにかけて痛みやこり、だるさ、違和感などが現れます
腕・手(痛み・しびれ・だるさ・手のむくみ・握力低下・筋肉の萎縮・背中の痛み)
第四頸椎から下にある神経根が圧迫されると肩から手先にかけて症状がでてきます。
先端に行くほど強いしびれがさまざまな程度で、両側もしくは片側に起きます。
握力低下や手指の細かな動作に障害が現れ、字が書きにくくなったり、衣服のボタンの留め外しが難しくなります。
首・肩・腕の痛みだけじゃない?
神経根症状
神経根症状は頚神経の4番目以下の神経根に刺激が加わると症状が起きます。
- 肩から腕にかけての痛み、だるさ、むくみ
- 間欠的の起きる腕や手のしびれ
- 持続的に起きる指先のしびれ
- 一側性の上肢、胸部の筋萎縮、上肢の筋力低下、握力低下、感覚障害
頚椎ヘルニアの症状は、飛び出した椎間板が脊髄そのものをどの程度圧迫しているか、あるいはどの神経や神経根を圧迫しているかによって変わります。
圧迫の程度が軽いときの代表的な症状は、首の後ろや肩、腕の痛み・しびれです。これらの症状は、少なくとも日常生活は送ることができるという点で軽い症状と言えます。圧迫される神経の場所によって、片側の腕だけにしびれがでたり、片側の肩だけが痛くなったりすることもよくあります。
自律神経症状
頚椎ヘルニアが原因で頚部の筋肉が緊張すると、自律神経の副交感神経の働きが弱まり自律神経が乱れ症状が起きます。
- 浮遊性のめまい
- 手の冷え
- 低気圧接近による身体の不調
- 全身の倦怠感 など
下半身(足のつっぱり・歩行障害・尿失禁・尿コントロール障害)
頸部にある脊髄が圧迫されると、上半身だけでなく下半身にも神経障害が現れます。
脊髄が圧迫されると、足の下肢では、足が前に出にくくなって歩幅が狭くなり、階段の昇り降りがしずらくなります(痙性歩行)。
脊髄のどの部位がどの程度圧迫されるかで、手のしびれ感程度から立ち上がることもできないような高度な麻痺までさまざまです。
対策方法は!?
脊髄から枝分かれした神経根が圧迫されると、頸部痛と片側の上肢にのみ症状が出現します。
とくに、頸椎の位置や動きで変化する上肢の痛みやしびれ感が特徴的で、通常、上を見上げる動作や咳・くしゃみなどで増強します。
では、どのような対策を立てればよいでしょうか?
一般的には注射で神経を麻痺させたり、手術でヘルニア自体を取り除くことによって、
神経の圧迫による痛みに対処する方法が考えられます。
しかし、なかなか手術を踏み切るのは勇気がいるものです。
もし手術以外で症状が改善するのであればそれにこした事はないと思います。
首の周辺の筋肉の血行不良による頭痛の場合は、血行を改善するために頭・首・肩・背中を温めることが効果的です。
また、整体やマッサージで、筋肉のこりをほぐし、血行を良くするという事も考えられますね。
おもな治療法は保存治療
この神経根症状の場合は「保存治療」をおこないます。保存治療とは、ヘルニア部分にかかる負担を極力減らすことで自然と消滅することが科学的に証明されてますので、それまでのあいだ安静にしたり温めたり、回復機能を向上が第一歩になります。
しかし、症状を和らげることは筋肉をリラックスさせ、血行を促し治癒を早めるという、れっきとした治療効果を発揮してくれるんです。首に限らず、今やヘルニア治療の9割はこの保存治療で治ると言われています。
ただこれらは、ヘルニアの根本的解決にはなりません。
一時的には痛みが和らいだりするかもしれませんが、あくまで一時的な効果にとどまると思います。
では根本的に解決するにはどんな事が必要でしょうか?
それは食事・睡眠・運動という3つの柱で考えないといけません。
食事は甘いもの(砂糖など)を極力控えましょう。
睡眠は薬を使わずに10時〜2時を含む8時間以上の睡眠をとりましょう。
運動とは適度に歩くなどです。
まとめ
もちろん一度悪くなってしまった状態となると、改善する為にはまだまだ必要な事はありますね。
人間本来の能力である自然治癒能力をひきだしてあげる事がとても大事になり、手術をせずに回復する為にもあなた自身の努力が必要になります。
また、日常の生活の中で、不良姿勢になり頭の位置が前方に移動しているようであれば、なるべく後方に移動するように姿勢を改善するのも効果的です。仕事の合間にもたれるなどのリラックスできる姿勢を取るように心がけましょうね。
激しい頭痛に、めまいや吐き気が伴う場合は、症状が重くなる前に、病院で精密な診断を受けることをお勧めします。
頸椎ヘルニアを本気で改善させたいと思っているのならいつでもご相談下さい。
少しでもあなたのお役に立てると幸いです。