病院でレントゲンを撮ると、
「骨が変形している。」
「加齢による変形ですね。」
「うまく付き合っていくしかないと思います。」
このような診断を医師から言われたのではないでしょうか??
最初にお伝えしますが、経年変化はどなたにもあります。
その中で骨の変化にも個人差があり、頚椎症に悩まさる方もいらっしゃれば、あまり感じずに生活できる方もいらっしゃいます。
変形性頚椎症と言われる事が多いですが、この頚椎(首の骨7個)の変化は首の骨に負担が多くかかってしまい変形が始まってしまう事を言います。
その過程で関節部分に炎症が起きて、首や肩まわりに痛みや違和感を感じるようになるのです。
骨の変形が進行すると、骨棘といわれる、骨にトゲの様なものが形成されることがあり、そのトゲが腕の痛みやしびれ、握力低下などを引き起こす要因になるのです。
頚椎はなぜ変形するのか?
- 自分の頭を支えるために首には常にストレスがかかっている
同じ部分に負担が掛かり続けると、良くないというのは想像できますよね?
骨も負担がかかり続けると、その刺激に対して変化が起こります。
それが骨にトゲができてしまう要因になってしまうのです。
そしてそれだけ負担になっているのは骨だけでなく、骨と骨の間にある椎間板と呼ばれるクッションの役割をしている組織にも影響し、この椎間板を擦り減らしてしまいます。
そうすると関節の動きが悪くなり炎症が起きてしまい、通常とは違う動きをしてしまう、そしてまた悪化する。
このような悪循環になり、頸椎単体だけでなく関節を成している部分にも変化が起きてしまいます。
勝手にできてしまった骨のトゲがスムーズな関節の動きを妨害し、首に違和感を感じるようになるのです。
スムーズな首の動きができなくなると、関節内に炎症が起きてしまう可能性も出てきます。
炎症が強くなってくると、首の関節だけでなく周囲の靭帯や筋肉などにも影響が広がり、様々な症状が引き起こされます。
ストレスとはどんな姿勢か??
それは、デスクワークやスマートフォンを使用している時になりやすい猫背やうつむくような姿勢の事です。
なりがちな姿勢を長時間、または長期間続けている事で頭はあるべき位置から前方へ移動してしまいます。
その状態が続くとなにもしていなくても同じ姿勢が体に染みついてしまい首の骨に更に負担がかってしまうという事です。
前へ少しずれるだけで首への負担は急激に増加してしまいます。
人間の頭は、成人で約6kg以上の重さがあります。
とはいえ、ある程度は首に負担がかかることを想定した人体の構造になっているので、異常がなければ頭を支えることにそれほど支障は無いはずですが、前方移動してしまうとその4倍以上の負担になるんです。
本来、人間の首は横から見ると、前に向いて弓なりにカーブをしていて、適度にしなりながら首にかかる負担や衝撃を逃してくれる構造になっていて、その上に頭がのっている状態です。
ですが、この正常なカーブが無くなりストレートネックなどになってしまうと頸椎症にもなりやすくなってしまうんです。
関節にも炎症が起きて痛みや違和感を感じるようになります。そして、負担が継続すると骨は自分を守ろうとして、変化していくのです。
変形性頚椎症の原因は「加齢」だけではない
病院で診察を受けたりすると、「加齢ですね…。」と言われることが多いと思います。インターネットで検索しても、だいたい同じようなことが書いているでしょう。
しかし原因はそれだけではありませんし、20代30代の方でも近年は増加傾向にあります。
初めにも言ったように経年変化は必ずありますが、首の骨が変形しているのは、7個ある首の骨のうち2~3個ぐらいのものです。それも、負担のかかっている部分だけ。
一部の骨の特定の場所にだけ集中して骨の変形が起こるのは、そこにだけ負担をかけている原因があるからです。
それが先程お伝えした頭の位置不良による負担の激増ですね。
残念ながら、一度変形してしまった骨はなかなか元には戻りませんが、諦めずに自分の体に向き合うことで頭の位置の改善は可能です。
進行を止めてあげないとそのまま悪化が続いてしまいます。
そうならないように首の骨に負担をかけている頭の位置を改善して、体の構造を回復させてあげましょう。
「首を鳴らす」ことは危険!?
デスクワークなどで長時間首を動かさないでいると、筋肉の緊張によって首や肩がこったり、首の動きが悪くなったりしますよね。このような時に、首を大きく動かして「ボキボキ」「バキバキ」と大きな音をたててみたり、人がしているのを見たことがあると思います。
音を鳴らした後は首の動きが良くなってスッキリしたように感じますが、実は大きな音がするほど、骨の周りにある関節包の中で小さな空気が破裂するので、この時に頚椎にも大きな衝撃が加わっています。これを続けていると頚椎にどんどん負荷が蓄積され、頚椎の老化を早めてしまいます。場合によっては一度に大きな負荷がかかることで、その瞬間から首に痛みが走るようになったり、一定以上動かせなくなったり、最悪、中枢神経である脊髄が損傷してマヒなどの重篤な障害が発生する危険性もあるため、絶対にやめましょう。
頚椎症のセルフチェック方法
- 動かさないのに、首回りが痛む
- 頭痛がひどい
- 肩がパンパンに張っている
- 首を回すと痛い
- 腕が上がらない
- 手がしびれる
- 首を動かすと音がする
以上のチェック項目で、3個当てはまる場合は可能性アリ。4個以上当てはまる場合には頚椎症にすでになあっている可能性がとても高いといえると思います。
神経根症と脊髄症の違い
頚椎症性神経根症の特徴
神経というのは脊髄から枝分かれして出たものですが、神経根が頚椎や骨棘によって刺激されると、腕の痛みやしびれ、筋力低下などが現れます。頚椎のどの部位の神経根が刺激されているかによっても症状が出る位置が異なるので注意が必要です。
頚椎症性脊髄症の特徴
脊髄が刺激されると、運動障害が強くなるのが特徴です。上半身だけでなく、下半身にも症状が広がってゆく恐れがあります。
腕に運動障害が生じると、手指を使って行う作業に支障が生じやすくなります。例えば食事をする際に箸を以前のように使えなくなることがあったり、字を書いたり細かい作業ができなくなります。
足に生じる支障としては歩行障害が生じ、うまく歩くことができなくなります。症状が進行すると排尿障害にもなるので大いに注意が必要です。
頚椎症性神経根症も強い痛みを伴うことがありますが、頚椎症性脊髄症は運動障害や機能障害が生じ、日常生活にも支障が生じるのでさらに注意が必要です。早めの対応をお勧めします。
日常生活の改善
頚椎症を改善するために大切な事
ストレッチや体操も大事ですが、その他に気を付けることは「生活習慣の見直し」です。
具体的にいうと、「身体の使い方」を変えていくことが非常に大事です。
なぜなら、頚椎症は、身体の使い方が良くないと、なかなか改善しないのです。
では、どうすれば具体的にはどうすればいいのでしょうか?
- できるだけ前かがみにならない
- ゆったりと身体を動かす
- 深呼吸をする
これから少しずつ変えていきましょう。
変えていくことで、きっと頚椎症も改善していきます。
正しい姿勢で生活する
正しい姿勢や頭の位置を意識していかなければなりません。
極端な話になりますが肩を丸めてパソコンをうったりなどの動作は非常にやりづらいですよね?
やりづらい姿勢での作業は首にもとても負担になっていますので、もたれながら作業をするようにしたり、
今はまだ症状が軽くても、その状態が長く続いてしまい、日頃の姿勢も改善が見られずに肩が前に出てくると首には少しずつ負担がかかってきて気づかないうちに筋肉が硬くなってしまいます。
肩や首に負担をかけない姿勢が大事になります。
歪みや体液の循環を整えることで筋肉の緊張を緩める
良い姿勢をなるべく維持するようにしていくには、日頃から体の緊張や疲労を取って生活する事も大事んいなりますね。
頭の位置や内臓の調整をすることで全身のバランスを整えて体液循環(血液、リンパ液、脳脊髄液)を良くしていきます。
全身の循環がよくなる事で筋肉や靭帯などを含めた軟部組織の固さも緩み、細胞の活性化も促進されるようになります。この状態を継続する事で神経の圧迫も緩やかになります。
ストレスを軽減させて体の緊張を緩める
仕事の忙しさや普段の人間関係、家事などでストレスがあると自律神経が乱れてしまい交感神経の興奮がなかなか治まらない状態が続いてしまうと、無意識のうちに筋肉の緊張が緩まなくなってしまい常時固くなってしまうこともあります。
この場合はまず、自律神経の乱れに対処していく必要があります。
整体などで対処できることもありますし、セルフケアとして自分自身で音楽を聞いたり、運動をするなどしてもらいリラックスする時間を作る事も大事になります。そして深呼吸を意識することでも筋肉の緊張がゆるみやすくなるので心がけてやってみてくださいね。
ほったらかしは危険!!
変形性頚椎症は頚椎の端に棘(とげ)などができて神経や脊髄を刺激するのですが、首や肩、腕などにこりや痛み、しびれを生じさせます。
首から肩にかけてこりや痛みを生じさせます。程度としては一番初期のものになるでしょう。しかし骨に変形が見られるとしても必ずしもこりや痛みを生じさせるわけではありません。
変形した部分が神経に触れるかどうか、その程度によっても症状の出方が異なるので個人差があります。この時点では、単なる肩こりとしか認識されないことが多いです。
その一方、背中にできたとげにより神経を刺激して方から腕にかけて痛みやしびれが出ることもあります。しびれが出る場合は速やかに整形外科を受診して検査を受けましょう。
自律神経が障害を受け、血管の働きが狂い頭痛やめまいなどを伴うことがあります。
変形性頚椎症の症状が進んでゆくと、脊髄にまで刺激を与えるようになり、下半身にもしびれや神経痛が生じます。場合によっては歩行困難や排尿障害に至ることもあります。
痛みの症状や度合いは人それぞれですが、我慢できない痛みが生じたり、しびれがあるならば速やかに整形外科を受診して検査を受けるようにして下さいね。
まとめ
骨は変形したらそれで終わりではなくて、時間の経過とともに確実に悪化していきます。
一時的な痛みの軽減だけでなく変形を引き起こしている原因を取り除かないと症状は拡大してしまう可能性もあります。
そうなれば残りの人生は、不安と苦痛が多くなってしまいますよね?
そうならない為に、そして今よりも豊かな人生になるようにしましょう。
もしも、あなたが変形性頚椎症でお困りになっていて、根本的な解決を希望される場合は、当院へいつでもご相談下さい。
あなたのお役に立てるはずです。