呑気症は漢方医学において気滞(気のとどこおり)との関連が深いと考えられています。
気滞とは主に精神的ストレスなどによって気の巡りが悪くなることによって起こる病的状態です。
気滞によって起こる典型的な症状としては喉の異物感やふさがり感、ゲップ、胸部や腹部の膨満感、食欲不振、吐気、胃や腹部の張り痛み、ガス、下痢や便秘といった排便トラブル、憂うつ感やイライラ感、生理不順や生理痛、不眠など非常に多岐にわたると言われています。
気の巡りが悪くなると、精神症状に加えて消化器系の症状が起こりやすいことが知られています。呑気症は特に上腹部で生じた気滞による症状が顕著化した、胃気滞と呼ばれるケースと考えられています。
ここでは呑気症に対する漢方の代表的なものをピックアップして紹介します。
呑気症に適応の漢方
四君子湯の効能・効果
体力虚弱で、痩せて顔色が悪くて、食欲がなく、疲れやすいものの次の諸症: 胃腸虚弱、慢性胃炎、胃のもたれ、嘔吐、下痢、夜尿症
六君子湯の効能・効果
体力中等度以下で、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすいものの次の諸症: 胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐
補中益気湯の効能・効果
体力虚弱で、元気がなく、胃腸のはたらきが衰えて、疲れやすいものの次の諸症:虚弱体質、疲労倦怠、病後・術後の衰弱、食欲不振、ねあせ、感冒
このように主症状はゲップやガスでも上記のように胃気滞と呼ばれるように、消化器系のトラブル改善を目的とした漢方がよく処方されているように思います。
もちろん漢方医の先生でしたら、それぞれに見地が違うのも当然ですのでここに書いたもの以外もあると思います。
自己判断にならずにまずは受診するようにしましょうね。
呑気症(空気嚥下症)とは??
無意識に空気をのみ込みすぎておなかの張りやガス(おなら)、ゲップが頻繁に出る症状が呑気(どんき)症と言われています。空気嚥下(くうきえんげ)症ともいい、緊張や不安から首や肩に力が入ったり歯を食いしばったりすると、唾とともに空気をのみこみやすいことでお腹の張りやゲップが出やすくなるというものです。
口の中が狭くなって舌が上顎に当たると、唾液が喉の奥に流れ込んで無意識に飲み込んでしまうよに反射が起こります。
このとき、1回ごとに喉の奥の空気を3~5cc取りこむとされています。頻繁に唾を飲むとおなかの中に空気がたまり、呑気症を引き起こすという事です。
吸い込む空気が原因なので、胃や腸を検査しても異常は見つからない場合が多く、内科でガスを減らす薬や整腸剤などを処方されても効果が少ないとも言われています。
呑気症(空気嚥下症)の症状
- ゲップ
- 腹部膨満感
- ガス(おなら)
- 胸焼け
- 上腹部痛
- 歯肉炎
- アゴの痛み
- 腹痛
- 悪心
- 頭痛
- 睡眠障害
などの症状がありますが、全て当てはまるとは限らず、個人差があります。
どの症状でも漢方に当てはまるものはありますので、自分の症状は少ないなと思っても、まずは相談が大事ですよ。
呑気症を漢方で改善する場合にも先生によっては出される物が違います。色々な見方があるので一つだけに拘らずに、期間を設けて試すのも大事かと思います。呑気症は改善する症状なので気になる点は早く改善すると、精神的な不安解消にも繋がると思いますよ。