妊娠から出産にかけて女性の体は変化します。そのため、産後も体の不調が続いたり、生理がなかなかこなかったりします。
しかし、このようなことは自然なことなのです。
今回は、「産後の不調」について、「生理再開時期」についてご紹介していきます。
産後の体の状態
まずは産後の体の状態です。
妊娠から出産を経験した産後のママは、肉体的にも精神的にも不安定になります。
出産直後は体が疲弊している
出産は何万キロカロリーとも言われるくらいですので、産後のママの体はかなり疲弊しています。
さらに、子宮も大きなダメージを受けます。妊娠中は、胎盤を通して赤ちゃんに栄養を供給しています。その胎盤は出産時にママの体外に出てくることになります。その胎盤が剥がれる際に、子宮にかかる負担が大きいのです。
産後は、体も子宮を含めた内臓も疲れ切っている状態なのです。
ホルモンバランスが不安定
産後しばらくは、母乳を出すために「プロラクチン」というホルモンが分泌されます。別名「乳汁分泌ホルモン」とも言われます。
これは、赤ちゃんが母乳を吸う刺激によってプロラクチンの分泌が促進され、卵胞の発育を促す「性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)」というホルモンの分泌が抑制されます。これによって、排卵が起こらず生理がこなくなるのです。
ですので授乳中は生理がきにくい状態が続きます。
さらにママは、赤ちゃん中心の生活を強いられることで、エストロゲンやプロゲステロンなどのホルモンバランスも不安定になっているため、精神的に不安定になりやすいです。
骨盤が開いたままの状態
妊娠中は赤ちゃんが大きくなるにつれて骨盤が開いてきます。出産時は赤ちゃんが出てきますので、骨盤は最も開いた状態となるのです。
骨盤は体の土台となる場所なので、骨盤が開いたままの状態だと、体には様々な負担がかかるのです。
産後の主な不調
そんな産後のママには不調が現れることがよくあります。産後は様々な不調が出ます。
- 後陣痛
- 悪露
- 産褥熱
- 乳腺炎
- 腰痛
- 肩こり
- 腱鞘炎
- 便秘
- 痔
- 産後うつ
後陣痛
後陣痛とは、産後に起きる下腹部の痛みです。
出産前の子宮は、妊娠初期の頃と比べて、約5倍の大きさにまで広がります。産後は、この大きくなった子宮を元の状態に戻そうとするために、子宮が収縮します。これを「子宮復古」と言い、後陣痛はこの子宮復古に伴う痛みです。
個人差はありますが、産後数日で痛みは治まりますが、1週間ほど後陣痛が続くこともあります。
悪露
子宮復古していく過程で、子宮内に残っている分泌物が排泄されます。この分泌物のことを悪露と言います。
悪露には、血液やリンパ液、粘液、子宮内に残った胎盤や子宮内膜の一部などが含まれており、血が混じっていて赤っぽく、生理の出血によく似ています。
個人差はありますが、悪露は産後1ヶ月ほどで出なくなるのが一般的です。
産褥熱
産褥熱とは、出産後24時間から産褥10日以内に2日間以上にわたって、38度以上の発熱が続くことです。
産褥熱は、出産時に生じた傷口から細菌が侵入し、子宮内に感染が広がって炎症を起こすことによって起こります。発熱の他、下腹部痛や悪露の異常、子宮収縮不良などを伴うことが多いです。
乳腺炎
乳腺炎とは、母乳を作る「乳腺」が炎症を起こした状態です。授乳をしているママの約2〜3割が乳腺炎になると言われています。
乳腺炎には2種類あり、乳腺に母乳が詰まって、溜まることで炎症を起こすと「うっ滞性乳腺炎」と言い、乳腺に細菌が入って炎症を起こすと「化膿性乳腺炎」と言います。
このようにママは産後特有の体の不調が出るのです。
他にも、骨盤が開いたままの状態だと腰痛になったり、育児やホルモンバランスの影響で、肩こりや腱鞘炎にもなります。
また、便秘や痔になることもあり、さらには10人に1人は産後うつになると言われています。
生理の再開時期は?
産後は排卵が起こらず生理がきません。しかしずっと生理がこないのかと言うとそうではありません。
産後の生理の再開時期は、年齢、出産回数、育児ストレス、ホルモンバランス、授乳状況など、これらは個人差がありますので、生理の再開が遅くなったりすることはあります。
母乳で育てているママはミルクで育てているママよりも生理がくる時期は遅くなります。
体の回復具合や授乳頻度なども生理の再開に影響しますので、授乳中でも生理が再開する人はめずらしくありません。
一般的には、
- 母乳育児だと産後約半年後
- ミルク育児だと産後約2~3ヶ月後
くらいには生理がくることが多いとされています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
産後は体に不調がでることはよくあります。生理開始時期も個人差があり、出産してからもなかなか快調とはいかないかもしれませんが、これらの中には、体が元に戻ろうと回復している過程で起きることもあるので、産後はゆっくり休んでくださいね。