妊娠中は生理は当然きませんが、産後はしばらくして生理が再開するのが自然な流れです。
しかし産後に生理がなかなかこないと不安になっているママも多いのではないでしょうか?
今回は、なぜ産後の生理がこないのか?いつから再開するのか?ホルモンとの関係性や生理の仕組みなどについてご紹介していきますので、参考にしてみて下さい。
生理の仕組み
女性ホルモンには、2種類のホルモンがあります。
- エストロゲン(卵胞ホルモン)
- プロゲステロン(黄体ホルモン)
女性の体内では、生理周期に合わせてこの2つのホルモンが常に変化しています。
エストロゲンは、女性らしい体形にするホルモンです。また排卵の準備をする、髪や肌の潤いを保ち、シミやシワを防ぐ働きがあります。
さらに、丈夫な骨を維持したり、コレステロール値の調整をしたり、動脈硬化を防ぐなど、様々な働きがあります。
プロゲステロンは、妊娠に備えて子宮の状態を整えたり、体にエネルギーをため込んだり、皮脂を分泌したりする働きがあります。
生理がはじまって約2週間たつと、体の中では排卵が起こります。この時に増えるホルモンがプロゲステロンです。
プロゲステロンは子宮内膜をやわらかくして、妊娠の準備を整えます。
妊娠が起これば、分泌はそのまま続き、出産まで子宮内膜を維持しますが、妊娠が起こらなかった場合、分泌量は約2週間で減少していき、子宮内膜が剥がれ落ちます。
これが生理です。
産後はなぜ生理がこないのか?
妊娠・出産からの子宮の回復
出産後は、子宮が非常に大きなダメージを受けています。
妊娠中は、胎盤を通して赤ちゃんに栄養を供給しています。その胎盤は出産時にママの体外に出てくることになります。
胎盤が剥がれる際に、子宮は非常に大きなダメージを受けます。さらに、大きくなった子宮を元の大きさに戻さないといけません。
そのため、子宮の働きが元に戻るまでは、少し時間がかかるのです。
このように子宮が自然に回復していくのですが、この時期は、排卵が起きて生理がくるということはありません。
ホルモンバランスが不安定
産後しばらくは、母乳を出すために「プロラクチン」というホルモンが分泌されます。別名「乳汁分泌ホルモン」とも言われます。
このホルモンの分泌によって、卵巣の機能が抑制され、排卵がしばらく起きず、生理がこないという仕組みになっています。
これは、赤ちゃんが母乳を吸う刺激によってプロラクチンの分泌が促進され、卵胞の発育を促す「性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)」というホルモンの分泌が抑制されることで、排卵が起こらず生理がこなくなるためです。
ですので授乳中は生理がきにくい状態が続きます。
さらに産後の状態に加え、赤ちゃん中心の生活を強いられることで、エストロゲンやプロゲステロンなどのホルモンバランスも不安定になっているため、生理がしばらくはこないのが自然なことなのです。
産後はいつ生理がくるの?
産後の生理の再開時期は、
- 年齢
- 出産回数
- 育児ストレス
- ホルモンバランス
- 授乳状況
など、これらは個人差がありますので、生理の再開が遅くなったりすることはあります。
母乳で育てているママはミルクで育てているママよりも生理がくる時期は遅くなります。
しかし、授乳中は100%生理がこないのかというとそうではありません。体の回復具合や授乳頻度なども生理の再開に影響しますので、授乳中でも生理が再開する人はめずらしくありません。
一般的には、母乳育児だと産後約半年後、ミルク育児だと産後約2~3ヶ月後くらいには生理がくることが多いとされています。
産後になかなか生理がこないとしても、ほとんどの場合病気ではないため、あまり心配しすぎないでください。
産後に生理がこない場合の受診の目安
以下のような場合は、ホルモンや子宮の回復に異常がある可能性が考えられるので、一度婦人科を受診して専門医に相談してみた方が良いです。
- 産後からミルク育児で半年以上経っている
- 断乳してから半年以上経っている
- 産後18ヶ月が経過し、授乳間隔が開いている
- 産後に生理が再開した後、再度こなくなった
まとめ
いかがでしたでしょうか?
産後は、ホルモンバランスや、子宮や身体の状態によって生理がこない時期があります。これは自然なことですので、そこまで心配する必要はありません。もし産後に、生理がなかなかこなくて不安なようでしたら、先ほど紹介した「受診の目安」を参考にしてみて下さい。