せっかく子供が生まれたのに、なぜかすぐに腹が立ったり、夫にイライラしたりしてしまう。
ということはありませんか?
産後は肉体的にも精神的に不安定になったりと様々な不調が出やすい時期です。
今回は「産後クライシス」と「産後うつ」の違いについてご紹介していきますので、参考にしてみて下さい。
産後クライシスと産後うつとの違い
まず、産後クライシスと産後うつは違うものだということを理解しましょう。
産後クライシス
産後2年以内に、出産や育児による心身の疲労や環境の変化によって、産後の夫婦関係が悪化してしまうことです。夫に対しての否定的な感情が現れます。産後クライシスは、夫婦関係の状態を表しているものなので病気ではありません。
産後うつ
産後数週から発症しやすいうつ病です。産後クライシスと同じように、出産や育児による心身の疲労や環境の変化、子育てへの不安やストレスなどによって精神的に不安定になる病気で、赤ちゃんへの否定的な感情が現れます。当然病気のため医師の診察が必要になります。
産後クライシスとは?
産後クライシスとは、医療用語ではなく造語になります。クライシスの意味は、危機・局面・崩壊などの意味があり、「産後の夫婦関係の崩壊」という意味で使われています。
産後クライシスは「産後2年以内に夫婦の愛情が急速に冷え込む状態」と定義されています。
産後クライシスが原因で離婚にまで発展するケースが増えています。厚生労働省の調査結果によると、離婚した時の子供の年齢が、0~2歳が一番多く次いで3~5歳となっており、半数以上が幼児期の間に離婚したということです。
症状
- 夫の些細な言動にすぐイライラする
- 夫に対する愛情がなくなった
- 夫の親に合ったり子供を合わせるのが嫌
- 自分の気持ちは夫には分かってないと感じる
- 夫に触れられるのが嫌
- 夫婦の会話が明らかに減っている
など、主に夫に対する気持ちの変化がポイントです。
産後うつとは?
産後うつとはその名の通り、出産後に精神的に不安定になりうつ病にかかることです。
出産後の女性の約10%、10人に1人がなると言われており、産後数週~数ヵ月後が発症しやすい時期です。
マタニティブルーとの違いは、産後うつの方が時期が遅いことです。マタニティブルーは産後数日~1ヵ月になりやすく、不安定な症状が1カ月以上続くようであればそれは産後うつかもしれません。
症状
落ち込んだ状態が一時的ならマタニティブルーで終わることが多いですが、長期にわたって続くようであれば産後うつの可能性があります。その症状は、
- 不安感
- 気分が落ち込む
- 食欲不振
- 不眠
- 自分を責める
- 子供がかわいいと思えない
- 子供に対して怒りがこみ上げる
- この子がいなかったらなと思う
- 自殺願望
などがあり、子供に対してかわいいと思えなくなったなど、自分の赤ちゃんに対する気持ちの変化がポイントです。
原因は?
産後クライシスと産後うつの原因の多くは、体の変化や環境の変化によるものです。
ホルモンバランスの乱れ
妊娠中と出産後では、女性ホルモンのバランスが変化します。体の中でホルモンバランスが変化することによって、自律神経が乱れやすくなり、イライラしやすくなったり、精神的に不安定になってしまいます。
育児のストレス
出産した後、疲弊した身体が回復する時間もないまま、次は育児に追われます。
当然のことですが、ママはしっかりと赤ちゃんを育てなければならないと思っています。しかし、これがプレッシャーになってストレスにつながります。さらに、ちゃんと育てていけるか不安になったりという状態で育児に追われるのです。
赤ちゃんは泣くのはあたりまえです。そんな中でもママは授乳、抱っこ、おむつの交換、寝かしつけと妊娠中よりも大変な生活になるのです。夜泣きをする赤ちゃんの場合は当然ママは寝不足になります。このようにママは赤ちゃん中心の生活を強いられるのです。
周囲の環境のストレス
夫が育児や家事を手伝ってくれないことや、育児をしながら赤ちゃん中心の生活を強いられていることに対しての夫の理解がない場合はストレスが溜まっていきます。
さらに、姑からの育児に対しての口出しに、何も言えなかったり、自分の母も娘のためと思い、良かれと思って育児に対して口出しすることがプレッシャーになることだってあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
産後クライシスと産後うつは違います。夫は妻のことをもっと理解しようとする気持ちがあれば、それは言葉や態度に表れ、妻のストレスを抑えることができ、しっかりサポートできるはずです。
お互いがお互いを理解しようとする姿勢が大切なのではないでしょうか?そういう意味で夫婦間のコミュニケーションは非常に重要になりますね。