パニック障害とは
パニック障害は、不安障害の一種で、「不安」が原因です。そのため、パニック障害の人は、不安を感じれば悪化しますし、反対に安心を感じることが出来れば改善していきます。
パニック障害は突然以下の症状が起こります。
- 動悸
- 発汗
- 体や手足が震える
- 呼吸困難
- 胸の圧迫感・不快感
- 吐き気
- 腹痛
- めまい・ふらつき
- 自分自身ではないような感覚
- 気が狂う恐怖に襲われる
- 寒気・ほてり感
- 死ぬかもしれないと思う
こういった発作は数分~30分ほどで落ち着きますが、一度パニックを起こすと、また同じ場所や同じ状況になると再びパニックを起こすのではないか、という「予期不安」に襲われ、外に出るのが怖くなるなど、日常生活に支障をきたすようになります。
発作の頻度は、人によって異なり、1日に数回起こることもあれば、1ヵ月に1回起こるか起こらないかという人もいます。
パニック障害という病気だということを、周囲の人も認識しておくことが大切になります。
自分に発作が起きた時はどう対応すればいいの?
事前に対処法を決めておく
まずは、周囲の人と事前に、発作が起こった時は状況に応じてどう対応するのかを決めておくことが大切です。例えば救急車を呼ぶのか、落ち着くまで誰かが側に付いていればいいのか。多くの場合は、数分から長くても30分で発作は治まりますので、そういった対応を周囲の人に理解してもらうことが大切になります。
その状況を中断する
講演会やイベント会場などで、発作が出た場合は、その場から離れるか、中断してください。
深呼吸をする
発作が出たときは、呼吸が短く浅くなります。4秒間吸って6秒間で吐くことを意識しましょう。呼吸が短く浅くなることで余計に緊張し不安になりますので、呼吸をしっかりコントロールできれば、自律神経が整い徐々に落ち着いてきます。
ずっと続くものではないと自分に言い聞かせる
発作は永遠に続くものではありません。すぐに落ち着くと自分に言い聞かせてみてください。
自分が不安や恐怖を感じていることを意識すると、余計に不安な気持ちが高ぶって悪循環してしまいます。「死んでしまうのかな」「吐いたらどうしよう」「恥ずかしい」など、こういったことを考えてしまうと、症状がさらにひどくなるだけです。
なので「この発作はずっと続くものではない。いつか終わるんだ」と自分に言い聞かせることが大切です。
意識をそらすために、他のことを考えるもの効果的です。
涙が止まらない場合は、気が済むまで泣く
涙を流す行為は、ストレスを発散したり、軽減させたり、情緒を安定させる目的があります。一番良くないことは、我慢することです。涙が止まらない時は、気が済むまで泣くことで、気分がスッキリとします。
香りをかぐ
アロマオイルを数滴たらしたハンカチを持ち歩くようにして下さい。香りは気分を落ち着かせ、リラックスさせる効果があります。発作が出たときは、このハンカチを鼻に当てて、香りを吸い込み、ゆっくりと呼吸をしましょう。一番自分が落ち着けるアロマオイルを選ぶことが効果的です。
周りの人に発作が起きた時の対応は?
周りで発作が起きた時は、まず自分が落ち着いてください。そして、以下の対応をしてあげて下さい。
- 深呼吸をさせる
- すぐに治まると言い聞かせる
- 意識をそらすように声をかける
- 手を握ってあげたり、背中をさすってあげたりして安心感を与える
このように、まずは安心させてあげることが一番効果的な対応の仕方です。
「落ち着け」は逆効果
発作が起きている時に、周りから「落ち着け」と言われると余計に不安になったり、腹が立っりすることがあります。発作を起こしている本人は「落ち着けないから苦しいのに」と思ってしまいます。ですので、「落ち着け」は絶対に言わない方が良いです。
それ以外にも、
- 「何でこうなったの?」
- 「気のせいだ」
- 「しっかりしろ」
と言う言葉も禁句ワードです。
さらに、発作を無理やり止めようとして、手や足をつかんで体を抑え込んで落ち着かせようとすることは絶対にやらない方が良いです。
そもそも、発作が起きた時に「落ち着け」と言われて落ち着けるなら、パニック障害ではないですよね??
まとめ
パニック障害の発作が起きた時に、本人はどう対応すればいいのか?周りはどう対応すればいいのか?ということを理解しておくだけで、落ち着いて対処できますので、ぜひ今回の内容を参考にしてみて下さい。