歯が痛いのに歯に原因はない?!それは三叉神経痛かもしれません!

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歯が痛くなると、もちろん歯医者さんに行きますよね?

しかし、歯の治療をしても痛みが取れないことがあります。

以前から歯が痛くて、だんだん顔も痛くなってきた。

このような場合は、「三叉神経痛」と呼ばれるもので、歯医者さんでは治療ができません。

今回は、そんな三叉神経痛について、歯の痛みとの関係についてご紹介していきますので参考にしてみて下さい。

三叉神経痛とは

三叉神経とは、痛みなどの顔の感覚を脳へ伝達する神経です。これは脳から出ている神経で、三叉神経から3つの神経の枝が出ています。上の枝から、

  • ①眼神経
  • ②上顎神経
  • ③下顎神経

とあり、この3つの神経の枝があるので「三叉神経」と呼ばれています。これらの神経は、それぞれの支配領域が違います。

①眼神経

眼神経は、顔の上の範囲に痛みが出ます。頭の前の部分、眼、鼻などの感覚を支配している神経です。

②上顎神経

上顎神経は、顔の真ん中の範囲に痛みが出ます。上顎、上の歯、上唇、頬、口の中などの感覚を支配している神経です。

③下顎神経

下顎神経は、顔の下の範囲に痛みが出ます。舌、下顎、下の歯、下唇、頬、耳の一部の感覚を支配している神経です。また咀嚼(噛む)時に働く筋肉を動かす運動神経も含みます。

三叉神経痛は、痛みは顔や口の中に出ますが、障害される神経の枝によって、痛みの出る場所が変わります。50歳以降に多く、年齢とともに増加する傾向にあります。男性1:女性2の割合で、多くは女性に発症しやすい疾患です。秋から冬にかけて寒い時期に多く見られます。自然に治まることもありますが、再発することもあります。

三叉神経痛の症状

三叉神経痛

三叉神経痛の症状の特徴としては、片側の顔に出る突発的な痛みで、数秒間ですが、数十秒間にわたって痛むこともあります。「電気が走るような痛み」や「針を刺すような痛み」と表現されることが多いです。1日に何回も痛みが出るので、生活に支障をきたすことも少なくありません。

ひどい場合は、1日に100回以上痛みが繰り返されることもあります。また、痛みが数分から数十分続くような場合は三叉神経痛ではない可能性が多いです。

痛みは、転げまわるくらいきついこともあります。痛みの多い場所としては、鼻の横の頬と顎に好発し、歯に痛みを感じることもあるのです。

三叉神経痛は障害される神経の枝によって痛みの場所が変わります。どれかの神経の枝に触れることで痛みが誘発されることもあります。このような場合は、特定の場所に触れることで突発的な痛みが出ます。

痛みの誘発原因としては、

  • 髭剃り
  • 洗顔
  • 化粧
  • 歯磨き
  • 物を噛む
  • 喋る
  • 冷たい水や風に当たる

など、顔や口の中、歯に触れると痛みが出ることがあります。

三叉神経痛による歯の痛み

三叉神経痛

三叉神経痛は、痛みの出る部位によっては、虫歯と間違えることがよくあります。歯が痛いので歯医者に行きます。歯が痛くても歯に原因はないのです。なので、「様子をみましょう」とか「噛み合わせを良くしましょう」と言われるだけのこともあります。実際それが正しいこともあるのですが、三叉神経痛による歯の痛みだと気づかない場合もあります。

三叉神経痛による歯の痛みは、電気が走ったような激痛が見られ、痛みは数秒から数十秒で、持続的な痛みではありませんが、激痛を何回も繰り返すのでかなり辛いです。さらに、歯に触れるだけで痛みが出ることもあります。上の歯の場合は、三叉神経の2つ目の枝の上顎神経の障害によるもので、下の歯の場合は、3つ目の枝の下顎神経の障害によるものです。

物を噛むと奥歯が痛い

三叉神経による歯の痛みの出方としては、物を噛むと奥歯が痛いという出方があります。この場合、ほとんどの方は、虫歯かと思いますので、歯医者に行って治療を受けます。歯医者では、歯に異常はないがお医者さんの判断で、神経を抜いたり、抜歯をすることがあります。しかし、痛みはとれないのです。そして、徐々に片側の顔にも痛みが出てくるようなケースもあります。

このように、歯を治療しても歯の痛みが改善しないことをきっかけとして、三叉神経痛と診断されることがあります。

歯茎の痛み

三叉神経痛は、歯茎に痛みが出る場合もあります。例えば、ちょっと前に親知らずを抜いた場合、その部分に痛みが出ると、本人は、親知らずを抜いた時の炎症がまだ残っているのかも、と思われることが多いです。三叉神経によるものであれば、このような場合でも、歯医者さんに行ったところで、特に問題は見つかりません。

顎からの歯の痛み

歯が痛いので、歯医者さんに行くと、当然歯には問題はありません。お医者さんに、顎がガクガクする顎関節症が原因ではないかと言われることがあります。歯の痛みが、顎関節症による痛みでは無く、顎関節症や顎の歪みが原因となって三叉神経に影響して痛みが出ていることは、臨床上よくみうけられます。その場合は、マウスピースを作製したり、顎の調整をすることが大切になります。

歯の痛みと頭痛の関係

三叉神経は、頭痛の原因にもなります。三叉神経による歯の痛みがある方は、頭痛を持っていたり、併発する場合があります。また、三叉神経は、鼻や目にも影響しますので、鼻炎や後鼻漏、目の疲労や充血などといった症状が出る場合もあります。

三叉神経痛の原因

原因ははっきりとは分かってはいませんが、多くは血管による三叉神経の圧迫が原因と言われています。

三叉神経が圧迫を受ける原因は、

  • 血管
  • 腫瘍
  • 血管の奇形

全体の90%は血管による圧迫と言われています。加齢による動脈硬化で血管が硬くなることや、自律神経の乱れによって、血管の収縮拡張が正常に機能せず圧迫を起こします。また、血管の位置異常によっても圧迫を起こします。それ以外には、腫瘍によって圧迫を受けたり、かなり少ないですが、血管の奇形による圧迫もみられます。

三叉神経痛の治療

医療イメージ 注射

治療は主に、

  • 薬物療法
  • 神経ブロック
  • 放射線療法(ガンマナイフ療法)
  • 手術
  • 自律神経整体

三叉神経痛の治療は、薬物療法や神経ブロック、手術が一般的でしたが、最近では、ガンマナイフ療法と言われる放射線治療も注目されています。

薬物療法

まずは薬物療法から治療を行います。薬物療法では、抗痙攣薬や抗うつ薬を使用します。これらの薬は服用する量によっては、眠気やふらつき、発疹などの副作用が出ます。薬を服用しても効果が見られなかったり、副作用が出る場合は、その他の治療法を検討します。

神経ブロック

神経ブロックとは、痛みの出ている神経の枝に、局所麻酔や神経破壊の薬剤を入れた注射を打ちます。薬物療法のみでの改善が難しい場合は、薬物療法と神経ブロックを併用することで改善することがあります。また、手術後に痛みが残る場合も神経ブロックが効果的なこともあります。

放射線療法(ガンマナイフ療法)

ガンマナイフと言われる医療機器の上に寝て、頭の周りからガンマ線を病巣に集中照射することで、頭を切らずに治療する画期的な治療法です。ガンマナイフ療法後3か月までに全体の95%の人に強い疼痛発作が無くなります。この治療は、2015年から保険適用になり、薬物療法での改善が困難な三叉神経痛に対しての治療が行われるようになりました。

手術

手術では、三叉神経を圧迫している血管を移動させたり、腫瘍を取り除いたりします。血管の圧迫によるものに対しての手術は、「微小血管減圧術」と言われる手術を行います。この方法は、耳の後ろの筋肉を切開します。そして、頭蓋骨に小さな穴をあけて、脳をよけて三叉神経を露出させます。三叉神経を圧迫している血管があればその血管を神経からずらしたり、神経から離して、間に詰め物をする場合もあります。通常はこの手術で症状は改善されますが、再発することもあると言われています。

自律神経整体

自律神経を整体で整える方法です。自律神経とは、人間の体を自動的にコントロールしている神経系です。交感神経と副交感神経からなり、呼吸、代謝・循環・消化・発汗・心拍・排尿・排便などを24時間常に正常に機能させています。つまり、自律神経は、私たちの生命維にとって必要不可欠なものなのです。

  • 交感神経

主に日中、活動的な時には交感神経が優位に作用します。交感神経の働きは、血管を収縮させたり、脈拍を促進させたり、血圧を上げるなどの働きがあります。

  • 副交感神経

睡眠中や食事の時など、リラックスした状態の時に副交感神経が作用します。副交感神経の働きは、血管を拡張させたり、脈拍を抑制したり、血圧を下げるなどの、交感神経とは反対の働きがあります。

これらの神経が、常に体の中で互いにバランスをとりながら作用しているのです。自律神経が正常に機能することで、血管は正常に収縮や拡張ができているのです。自律神経は、背骨の前面を走行していますので、姿勢が乱れて背骨が歪むことでも自律神経は乱れますし、生活習慣の乱れによっても自律神経に影響がでてきます。

自律神経が乱れて正常に働かなくなると、血管の収縮拡張機能が悪くなります。急に血管が拡張したり、また、血流が悪くなって、うっ血を起こすことで、血管がパンパンになり拡張してしまいます。そうなることで、三叉神経は圧迫されて歯に痛みが出てしまうのです。

また、三叉神経は自律神経の影響を直接受けるため、自律神経を整えることはとても重要になるのです。

まとめ

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いかがでしたでしょうか?歯の痛みは、歯が原因でないこともあるのです。もちろん歯の痛みの多くは、歯医者さんで治療できますが、このことを知っているのと知らないのとでは、いざ歯が痛くなった時に、歯医者以外の選択肢も出てきますし、自分の症状がどれに当てはまるか調べることもできます。

自律神経が原因で歯の痛みとして出るなんて、初めて聞いた方も多いのではないでしょうか?臨床ではそういった方に遭遇することは少なくありません。そのような方は、実際に自律神経を調整することで、歯の痛みが取れるケースはたくさんあります。

歯=歯医者の概念は持たない方がいいかもしれませんね。

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