グキッ!!
となった瞬間、動けない・・・
急に襲ってくる腰の痛み。つらいですよね?
ぎっくり腰になったらどうすれば良くなるのか。早く痛みをどうにかしたいあなた。
今回は、そんなぎっくり腰の治療につてご紹介します。
ぎっくり腰とは
ぎっくり腰は、重たい物を持った瞬間に突然、腰に激痛が出て動けなくなります。正式には「急性腰痛症」や「腰椎捻挫」と言います。その痛みの様子から、欧米では「魔女の一撃」とも言われています。
腰椎椎間板ヘルニアや、腰椎椎間板症などの、腰の疾患の症状の出だしに、ぎっくり腰のような症状が出ることもあります。
痛みの度合いや、原因は人それぞれで、早ければ2~3日で治まることもありますし、痛みが長期に及ぶと、慢性腰痛に移行することもあります。重たい物を持った瞬間が多いですが、それだけではなく、何かした心当たりがない場合もあります。
ぎっくり腰の原因
ぎっくり腰の原因は解明されていないことも多いのですが、以下のような原因が考えられています。
- 筋力低下
- 筋疲労・柔軟性の低下・筋バランスの崩れ・冷え
- 身体の歪み・姿勢
- 急な過負荷
- 内臓由来
- 体の使い方
などがあります。
ぎっくり腰の症状
・歩けないほどの強い痛み
・ゆっくりならなんとか歩けるが体勢を変える時に痛い
・立ち上がれないし起き上がれない
・寝返りができない
・前かがみや後ろに反らすと痛い
・立ってるだけで精一杯
・椅子に座れない
・咳やくしゃみをすると腰に響く
・最初は腰の違和感だったが、徐々に痛みが増して数時間後には動くことができない
・冷や汗が出る
など、症状は軽度のものから重度のものまでさまざです。急に動けなくなるほどの激痛があったり、最初は違和感だけだったのが、徐々に痛みが強くなっていくこともあります。
ぎっくり腰の治療
ぎっくり腰は原因や症状が様々なので、これをすれば必ず良くなるというものはありません。ですが、ぎっくり腰に効果的な治療があります。発症直後の急性期は、炎症が起きているので、炎症を抑える方法も含めて治療法をご紹介します。
- 冷やす・温める
- 薬
- 湿布
- コルセット
- テーピング
- 動ける範囲は動く
- 体の歪みを整える
- 体の使い方
- インナーマッスル強化
冷やす・温める
ぎっくり腰になった時は、腰に炎症が起きています。基本的に、炎症期はアイシングで冷やすことが重要ですが、中には、温めた方が楽という人もいます。アイシングは、強い痛みのある炎症期、つまり2,3日程度行います。そして、強い痛みが引いてきたら、今度はお風呂などで、全身を温めます。
アイシングは、毛細血管が損傷して出血している組織に対して、冷やすことで、血管が収縮し、出血を抑えるという効果があります。温めることは、血管が拡張して血流が良くなります。血流が良くなると、老廃物を流してくれたり、栄養や酸素を組織の細胞に供給できるのです。
薬
薬は、いろんな種類の薬が市販されています。その中でも、代表的なものが「ロキソニン」です。これは、NSAIDsと言いって、ステロイドを使用していないものです。ステロイドとは、炎症を抑える抗炎症薬です。病院に行くと、痛みが強い場合には、ステロイドを入れて注射を打つことがあります。
急にぎっくり腰になって、どうしても仕事を休めない時などに、応急処置として服用します。勘違いしないでほしいのが、薬を飲んで痛みがなくなっても、治ったと思わないようにしてください。あくまで痛みを抑えているだけです。
湿布
湿布には冷湿布と温湿布があります。しかし、冷やす効果、温める効果はありません。痛みを抑える薬はついているのですが、冷たく感じるか、温かく感じるかの違いだけです。先ほど、痛みが強い時にはアイシングで冷やすと効果的、とご紹介しましたが、冷湿布を貼っても冷やす効果はありませんので注意して下さいね。冷湿布温湿布の使い分けは、自分が気持ち良いと思う方を貼ってください。
湿布以外にも、ロキソニンテープと言われるものが病院で処方されたり、市販されています。これは、先ほど、ご紹介したロキソニンと言われる炎症を抑える薬がついていますので、腰の痛い部分に貼ると効果的です。
コルセット
コルセットは病院で処方されるものや、市販されているものなど、種類がたくさんあります。病院で処方されるものの中には、オーダーメイドで、自分の体に合ったコルセットを作る場合もあります。
コルセットは、腰の痛みが強い時に巻くと、楽に感じるかと思います。巻くときのポイントは、左右の骨盤を締めることです。コルセットの巻く位置を見てみると、骨盤の上に巻いている人がいるので、しっかりと骨盤をとめてください。注意点としては、コルセットを巻くと楽です。でも、ずっと巻きっぱなしだと、体がコルセットに依存してしまい、コルセットがないと不安な状態になってしまいます。しかも、本来は、腰やお腹の筋肉で腰を支えているのですが、コルセットに依存することにより、これらの筋肉が弱くなってしまうのです。ですので、痛みが軽減してきたら、コルセットの使用は、巻くときと外す時のメリハリをつけましょう。例えば、出かける時だけつけて家にいる時は外すようにするとかです。
テーピング
テーピングを貼る目的としては、筋肉のサポートです。テーピングと聞くと、足首や手首を固定するというイメージがありますが、ぎっくり腰のテーピングは固定ではなく、筋肉のサポートです。ですので、重度のぎっくり腰より軽度の方が、効果が感じられやすいかと思います。しかし、重度のぎっくり腰でも、テーピングを貼ることで、多少楽になるので試してみても良いでしょう。
テーピングは、伸縮性のあるものを使用します。貼り方は、痛みの出方や症状の度合いによって、いろいろ組み合わせて貼っていきます。皮膚がかぶれやすい方は3,4時間くらいで貼り換えた方が良いです。テーピングを貼る際は皮膚を清潔に保ってください。
動ける範囲で動く
少し前までは、ぎっくり腰になったら「安静」が第一の治療と言われてましたが、安静にしすぎると良くないです。実際に、ぎっくり腰の患者さんで実験を行った結果によると、安静にしてた人より、動ける範囲で動いていた人の方が、1ヵ月後の改善が良かったのです。
例えば、朝起きた時に腰が痛いという経験はありませんか?朝起きた時は腰が痛いけど、動いているうちに痛みがなくなってしまいますよね?あれは、硬くなった筋肉を動かすことで筋肉の血流が良くなり、柔らかくなって痛みがなくなるのです。みたいな感じで、ぎっくり腰になると、筋肉が硬くなっているので、動ける範囲で動いて、血流を促進してあげた方が改善しやすいということなのです。動くと言っても激しい運動をするということではありません、日常生活内で動ける範囲で大丈夫です。
体の歪みを整える
ぎっくり腰の原因の一つに体の歪みがあります。例えば、骨盤に歪みがあることで、腰の筋肉の硬さに左右差が出て、腰に負担がかかりやすい状態になっています。ぎっくり腰になることで、筋肉がさらに硬くなり、もともと筋肉に左右差があると、余計に状態が悪くなってしまいます。なので、歪みを整えることで、筋肉のバランスが整い、腰への負担は軽減され、痛みも改善していきます。
歪みは、全身の関節全てに生じる可能性はあります。例えば、肩の左右の歪みがあると背骨や骨盤の歪みにつながります。もちろん、骨盤の歪みから肩の歪みにつながることもあります。偏平足の場合は、膝が歪んで股関節が歪み、そして骨盤の歪みにつながります。なので、原因になっている歪みを調整することで、間接的に腰への負担も軽減され、ぎっくり腰が改善していきます。
イメージしやすいのが姿勢です。不良姿勢の方は、頭が前方に出てることが多いです。顎の関節はバランスのセンサーの役割をしています。不良姿勢によって、頭が前方に出ると、体自体のバランスが崩れてしまいます。すると、顎の関節でバランスを取るのです。そして、顎の周囲の筋肉が硬くなり歪みが生じてきます。顎が歪むことで、頸椎にも歪みが生じてしまうのです。背骨は骨盤から頚椎まで一本の積み木のようにつながっています。頚椎が歪むことで下にある腰椎や骨盤にも歪みが出てきてしまうのです。このような場合は顎の関節の調整が必要になります。顎の関節の歪みを調整することで、ぎっくり腰の痛みも緩和することがあります。
つまり、全身はつながっているということです。腰が痛いからと言って腰を揉んでても良くならないことはよくあることです。全身の状態を評価して、歪みを整えることが大切です。
体の使い方
ぎっくり腰になった時、あるいは、それ以外でも体の使い方で腰への負担は軽減されます。これは治療というより予防に近いと思います。
例えば、自分の前に腰ぐらいの高さにある荷物を、自分の右側へ移動させるような動作をするとします。この時に、荷物を持って、そのまま腰を右側に捻って移動させるのと、荷物を持って右足を右側に一歩出しながら腰を捻るのとでは、負担のかかり方が変わります。当然右足を一歩出した方が負担がかかりにくいです。
他には、床に置いてある荷物を持ち上げる時には、しゃがんでから自分の体に近いところで荷物を持って立つようにしましょう。よく、立った状態で前にかがんで持とうとする人がいますが、その持ち方は腰に負担がかかります。
ぎっくり腰になって、腰の痛みが強い時に、負担のかかりやすい体の使い方をしていると、治りが遅くなってしまいます。体の使い方ひとつで、負担を減らすことができ、予防にもつながるのです。
インナーマッスル強化
体幹のインナーマッスルは主に4種類あり、コルセット筋とも呼ばれています。名前の通り、これらの筋肉がしっかり機能することで、腰が安定し、コルセットの役割をしてくれます。ぎっくり腰になると、このインナーマッスルが機能していない場合があります。しっかりと機能するようにトレーニングを行いましょう。
方法としては、いろいろありますが、一つご紹介します。
まず、膝が90度になるような椅子に座ります。そして、頭を上に少し上げるように姿勢を伸ばして、お腹の下の部分に力が入るのを感じて下さい。この時に、腰を反らないように注意してください。この状態で、深呼吸をします。ポイントは、息を吸う時と、吐くときにお腹が前に出過ぎず、引っ込み過ぎず一定に保つように意識をします。これを繰り返し行います。痛みが出る場合は控えるか、中止して下さい。
体幹のインナーマッスルを鍛えることは、ぎっくり腰に限らず、人間が動くうえで重要になるので、痛みがなくても、行った方が良いですね。
まとめ
いかかがでしたでしょうか?ぎっくり腰は、これをすれば良くなるというものは基本的にはないので、今回紹介した方法を、いくつか試してみて下さい。それと、ぎっくり腰にならないように、普段から予防しておくことも大切ですね。