「痺れや痛みが足まででてくる。」
「立ち座りで症状が強く出る。」
「ヘルニアの治療はどんな方法があるの?」
「手術だったら不安だな・・・・」
このような悩みをお持ちではないですか?
そして、その症状がいつまで続くのか考えると余計に不安になると思います。
ここでは腰椎椎間板ヘルニアの主な治療法について紹介していきたいと思います。
少しでも自分の体の症状にあてはまりそうならこれからの行動を考えやすくなると思います。
腰からお尻、足にかけての痺れや痛みが気になる、病院に行こうと思ったら予備知識として知っておいても良いと思いますよ。
腰椎椎間板ヘルニアになってしまう原因
脊椎と脊椎の間にあって、クッションの役割をしているのが椎間板です。この椎間板が本来あるべき場所からはみ出してしまうのが、椎間板ヘルニアです。
- 日常生活での動作が引きがねとなる
- 椎間板の老化
- 骨の老化
- 膝をつかずに重い物を持つ
- 重たい物を前かがみになって運んだ
- 腰を強くひねった
- 長時間の座り仕事や運転などの良くない姿勢
なかでも20代、30代の方は働き盛りですし筋力がそれなりにある分、激務で腰や背中に過剰な負担をかけていたとしてもそのまま続けられてしまい、疲労の蓄積を繰り返してしまうことが要因の一つになっている事が多いようです。
前かがみの姿勢が多い、立ちっぱなしや座りっぱなしなど、長時間同じ姿勢をとることは椎間板だけでなく腰全体に大きな負担がかかる事になります。
よくスポーツをしている方も、ねじりや衝撃といった負担が多いので椎間板を損傷しやすいですね。
何回もぎっくり腰を起こしていると徐々に椎間板が背中側に突き出してきて、ヘルニアになりやすい言われています。
ヘルニアにならなくてすむならそれにこした事はないですよね?
日常生活で気をつけていれば防げるものとして、椎間板ヘルニアの根本原因のひとつ、姿勢の悪さをイメージしてください。
上記の原因に共通している事は、腰部分の背骨に負担をかけるという点です。
これらの動作を繰り返したりすることが、腰椎ヘルニアになりやすい原因となる事が多いのです。
ですので、正そうと思えば正すことが出来るもの。つまり、普段から注意していれば防げるものとして、椎間板ヘルニアの根本原因のひとつ、「姿勢の悪さ」からくる背骨の歪みに注意して読んで頂けたらと思います。
腰椎椎間板ヘルニアの5つの症状とメカニズム
腰椎椎間板ヘルニアになると足のほうに痛みやしびれ、ダルさなどを感じ、ひどくなると排尿・排便ができなくなってしまう場合もあります。
また、腰椎のどこにヘルニアができたかによってその症状は異なります。
1.腰の上が痛い
第1~2腰椎がヘルニアになっている状態です。
2.足の付け根やそけい部の違和感
第2~3腰椎がヘルニアになっていて、痛むだけではなくダルかったりしびれを伴います。
3.太ももの違和感
第3~4腰椎のヘルニアです。これも痛み、しびれ、だるさを感じます。
4.お尻から太もも横・膝下や外側のスネの痛み
第4~5腰椎がヘルニアになっています。
腰椎椎間板ヘルニアの中で最も多いパターンであり、痛みやしびれの他、足の親指の力は入らない、足首が上がらないなどの症状も出ます。
5.お尻の真ん中~足の小指にかけての痛み
第5腰椎がヘルニアになっています。
お尻だけではなく、太もも裏からふくらはぎ、踵に足の裏、小指へと痛みがあり、しびれたりもします。
つま先歩きができなくなったり、アキレス腱も反射しなくなっていきます。
保存療法と手術療法
まず、腰椎椎間板ヘルニアかどうかの診断はMRI画像が必要です。MRI画像は、身体を細かく輪切りにして撮影することができます。それにより脊柱管をはっきり映し体の内部の状態を詳しく確認する事ができます。
レントゲンだけでは分からない軟部組織の異常も可能な部分もありますので、詳しく検査をするのなら大事なことになると思います。
その上でどのような治療法を選択するかを医師と相談しながら進めると良いと思います。
腰椎椎間板ヘルニアの治療には、手術療法と保存療法があります。
保存療法の内容
- 安静
初期や痛み・しびれの症状などが強く出ている場合には、患部を動かさないようにして、過度な刺激を入れない様にする事で原因となる病気の進行を食い止め、症状の出現を少なくする方法です。
- 温熱
原因となっている部位の筋肉の硬さを緩め、収縮した血管内の血液の循環を改善し促すのが温熱療法です。患部に当てるホットパックや赤外線照射などがあります。しかし、この方法では完全に深部まで温めることはできません。そして患部の炎症がきつくでている場合は、温めることで痛みが増す場合があるので発症直後や症状が強い場合は注意が必要です。
- マッサージ
ソフトなマッサージ等は、筋肉の硬さを緩めて血行を良くするため、その際には痛みが軽くなり症状が緩和されて楽になりますが、腰椎椎間板ヘルニアが原因の場合、患部に直接作用して治療することはできません。あくまでも表面上の痛みに対する対症療法として考えて下さい。
- 鎮痛消炎剤を始めとする内服薬
痛みに対しては非ステロイド性抗炎症薬が広く使用されています。一般の方からはいわゆる「痛み止め」と見なされている薬剤ですが、鎮痛だけでなく「消炎」効果もあります。ですから軽症の部類であれば、結果としてこの非ステロイド性抗炎症薬と筋肉の緊張を緩める効果のある筋緊張弛緩薬とを併用することで効果を得ることができます。
有効成分量の多い座薬もさらに併用することで、身動きができないくらいの腰痛・下肢痛でも改善が図れる場合もあります。
非ステロイド性抗炎症薬で全く効果が得られない場合、新しいメカニズムで疼痛のコントロールを図る薬剤を用いることで、著明に疼痛が軽減し、手術を回避できる事例も多くなってきています。これらの薬剤は従来の薬剤に比べ効果がやや強めの分、個人差はありますが眠気などをもたらす場合もあり、患者さんによって合う合わないもあるため、使用にあたっては量も含めて事前に医師と相談することが望ましいと思われます。
- ブロック注射(神経ブロック)
経やその周辺に局所麻酔薬を注入し、神経の炎症を抑えて痛みをなくす神経ブロックという方法があります。
椎間板ヘルニアから直接圧せられている神経そのものに薬液を注入するもので、神経根ブロックと呼ばれます。万が一その後のブロック効果があまり見られ無くてもさい、初回の注射後に症状の再現が確認できていれば、どの部分の神経根で障害を打受けているの確認する事が出来ます。腰椎椎間板ヘルニアの場合は、仙骨と呼ばれる骨盤の中央部分や腰のあたりに注射し、硬膜外腔(脊髄からその末梢の馬尾と呼ばれる部分までを覆う硬膜と、その外側を囲む脊柱管の間にある空間)へと局所麻酔薬を注入します。それぞれ、仙骨硬膜外ブロック、腰部硬膜外ブロックと呼ばれます。
これらの治療法は、内服薬や座薬でも痛みが抑えられないようなひどい痛みに対して行われる事が多いです。
手術療法
保存治療などでも改善が見られず、痛みやしびれに耐えられなくなった場合は、ヘルニアの切開手術を検討するようになると思います。
- 手術の方法
従来の腰椎椎間板ヘルニアの手術方法には、「直視下」「顕微鏡下」「内視鏡下」といった方法があります。
直視下や顕微鏡下は、患部付近を10㎝前後切開し、筋肉や靱帯、脊髄や神経根などを避けて、ヘルニア部分までメスを入れます。その中でもラブ法と言われる手術が、最も一般的な方法です。手術後1週間は安静、その後数カ月ほどリハビリや入院が必要となります。高齢の方には切開手術やその後のリハビリなど体力も必要になります。
内視鏡下での手術では、背部を3~4cmほど切開し、手術用の顕微鏡や内視鏡を入れて手術を行います。切開する部分が小さいため、出血も少ないというメリットがあります。しかしながら、内視鏡下手術は、どこの病院でもどの医師でもできるというわけではありません。また、どのヘルニアにも対応して内視鏡下手術ができるというわけではないため、手術前に医師との話し合いが必要ですね。しかし、手術療法でも再発が全く無いとは言えません。術後のリハビリや生活習慣を見直していくこともとても大事になります。
- レーザー治療
最近注目されているのが、レーザーによって治療する方法です。レーザーによって組織蒸散という方法を利用しています。腰椎と腰椎の間で押し出され、はみ出してしまった椎間板の圧迫を軽減させるために、椎間板そのものに針を刺して、そこからレーザーを照射させます。すると、椎間板の中に小さな空洞ができます。その空洞が時間の経過とともに収縮することで、ヘルニアによる脊髄および神経にたいする障害が軽減される原理です。局所麻酔を打ち、背中から針を通してレーザーを照射するだけの手術ですので、患者さんにかかる負担は切開手術に比べて大幅に軽減できます。
まとめ
どの方法でも、それまでの生活習慣のまま過ごしていては中々改善しないのも事実ですので、症状がでてきたらなるべく普段の姿勢を見直したり、負担を減らすように心がけましょう。
一時的な痛みの軽減だけでなく変形を引き起こしている原因を取り除かない限りは症状が一時的におさまってもまたいずれは同じような症状で苦しむ事になりかねません。そして症状が酷くなってしまう可能性もおおいにあります。そうなれば残りの人生は、不安と苦痛が多くなってしまいますよね?
そうならない為に、そして今よりも豊かな人生になるように少しずつでもあなた自身で椎間板ヘルニアを改善できるようにしましょう。
上記した医療機関での治療椎間板ヘルニアでお困りになっていて、根本的な解決を希望される場合は、いつでもご相談下さい。
少しでもあなたのお役にたてれば幸いです