中学生と高校生の不眠症が急増している!?

しっかり眠れていますか?

睡眠は人間が健康に人生を送るうえで欠かせません。

十分な睡眠が取れなくなってしまう「不眠症」。不眠症で悩まされている方は非常に多いのが現状です。

さらに、最近では中学生や高校生の不眠症が増えてきているのです。

これは恐ろしいことですよね。

今回は、中学生や高校生の不眠症についてご紹介していきますので、不眠症で困っている方や、お子さんが眠れなくて悩んでいる方は、是非参考にしてみて下さい。

睡眠の重要性

日本人の睡眠時間は年々減少傾向にあります。忙しい毎日を過ごす中で、時間を作ろうと思ったら、睡眠時間を削るという人が多いということです。

睡眠時間が減少することで、体に疲労やストレスが溜まりやすくなります。そのような状態を過ごしていくことで、不眠症になりストレスが慢性化してしまい、結果的に、うつ病などの精神疾患を患ったり、自殺する場合も珍しくない時代になってきています。

私たちの体は「生体リズム」によってコントロールされています。生体リズムとは、脳の視床下部(ししょうかぶ)にある体内時計を元に作用する、睡眠と覚醒のリズム、体温のリズム、行動のリズム、ホルモン分泌のリズムなど、身体の様々なリズムのことです。

睡眠のリズムは、生体リズムによって体内時計と、外部の環境が連動しています。この生体リズムによって、「朝になったら目が覚めて起床し、夜なったら眠たくなって就寝する」というような規則正しい習慣ができるのです。生体リズムは、私たちが意識しなくても、決まった周期で変動しており、毎日の身体を整え、健康に生活できる状態を維持するために、働いているのです。

睡眠は、人生の1/3もの時間を占めます。1年間の内、4か月間分は睡眠しているということなのです。90歳の人生とすると30年間分にもなります。中には睡眠時間がもったいないと思う方もいると思います。しかし、逆に考えると、これだけ睡眠は人間の身体のとって大切だということなのです。

睡眠の効果

  • エネルギーの節約
  • 脳と体の疲労回復
  • 記憶の定着・学習の効率化
  • ストレスの解消
  • 成長ホルモンの分泌
  • 病気の予防

などがあり、これらのことがなくては人間は生きられないということなのです。つまり、私たちが健康に生きていく中で、睡眠はとても重要なものなのです。不眠症になるとこのような効果が弱くなってしまいます。

理想的な睡眠時間は7時間と言われています。しかし、人によって5時間の睡眠で調子よく生活を送れている人もいます。ですが、中学生や高校生の成長期は体や心が成長している段階なので、この時期はしっかりと睡眠をとることが大切なのです。

しっかり睡眠がとれないと、身体に様々な不調を引き起こし、生活に支障をきたしてしまいます。最悪の場合は死に至ることもあります。この睡眠が障害される状態を「睡眠障害」といい、睡眠障害の1つに「不眠症」があります。

不眠症とは

ストレートネックとうつ病

不眠症とは、十分な睡眠が取れないことによって、日常生活や身体的・精神的に何らかの支障をきたしている状態です。具体的には、寝ようとしているのに寝れなかったり、十分時間があるのに思うように睡眠が取れなくなったなどがあります。

不眠症の具体的な症状は

  • 十分に眠った感じがしない
  • 日中の眠気
  • 思考力の低下
  • 注意力の欠如
  • 疲労感

などの身体の不調が起こり、生活に悪影響を及ぼしてしまう状態です。また、不眠症になると精神的にも悪影響が出てきます。

  • すぐイライラする
  • 不安になる

といった情緒不安定になり、精神的にも障害されてしまうこともあるのです。

多忙によって睡眠が十分にとれず、朝起きても眠たいというのは、ただ単に寝る暇がないだけです。このような場合は、時間が確保できれば十分に睡眠ができるので、これは不眠症とは言わず、「睡眠不足」ということになります。

厚労省の調査結果によると、5人に1人が、自分は不眠がちだと感じており、10人に1人は、長期間不眠に悩まされており、3人に1人は、過去に不眠で悩んだことがある、と報告されています。

何時間以下の睡眠が不眠症になるのかではなく、本人が十分に睡眠ができていないと感じ、日常生活に支障が出て困っているなら、それは不眠症と判断されます。

中学生や高校生の不眠症が増えている!?

最近は、中学生や高校生の不眠症が増えています。睡眠が取れないことで、学校の授業中に居眠りをしてしまったり授業に集中できなかったりと支障をきたすことが増えてきています。

ある調査によると、中学生と高校生の約20%が不眠症を訴えたという報告があります。中学1年生から高校3年生まで、年齢が上がるにつれ、睡眠時間が少なくなる傾向にあり、高校3年生では、約25%が5時間未満の睡眠時間でした。また全体的にみても70%が7時間未満の睡眠時間という結果が出ています。

中学生や高校生の不眠症の原因

ではなぜ中学生や高校生の不眠症が増えているのでしょうか?

中学生や高校生誰もがやっているゲームや携帯電話、特にスマートフォンの普及が大きな原因になっています。また、24時間営業の飲食店やコンビニが増えたことによって、夜でも外を歩けば明るく、何でも手に入る世の中に変わり、この時代に育つ子供からすれば、当たり前のことなのでしょう。こういったことが背景にあることで、現代の中学生や高校生に不眠症が増えているのです。

中学生や高校生のスマホ依存症

中学生や高校生の不眠症に大きく関係している「スマホ依存症」です。

スマホの普及によって私たちの生活は便利になりました。インターネットの閲覧やクオリティの高いゲーム、テレビ電話、SNSを使って色んな人との交流ができ、LINEでは友達と簡単に連絡を取り合うことが可能になりました。

そういった便利なスマホですが、このスマホがないと生きていけない、常に暇さえあれば常にスマホをいじってしまうとなると、これは完全なスマホ依存症です。これが問題になるのです。便利な反面、依存性が強いので中学生や高校生の不眠症が増えているのです。今このスマホ依存症は深刻な問題となっています。

スマホの使用時間が増えることで、ブルーライトを浴びる時間も必然的に増えます。ブルーライトは目から入り、脳を覚醒させてしまうのです。ですので寝る前のスマホの使用は、睡眠に支障をきたすと言われています。これは中学生や高校生だけに限らず、大人も同様です。

スマホを見る時間が増えるとそれだけ脳に刺激的な情報が入り続けているということなので、脳は休む時間がなく、体内時計のリズムも乱れやすくなってしまうのです。結果的に、睡眠を妨げてしまって不眠症の原因になっているのです。

中学生や高校生の受験勉強

中学生や高校生の受験勉強も不眠症の大きな原因です。

最近は就職難は少し回復してきましたが、まだまだ厳しい状態が続いており、多くの高校生が大学を受験をするようになってきています。高校生の特に3年生の約25%が5時間未満の睡眠時間というのは、大学受験に向けて深夜遅くまで勉強している人が増えたことも関係していると思われます。こういったことが背景にあり、生活リズム、睡眠リズムの乱れが、体内時計の乱れに影響し、不眠症の原因となってしまうのです。

睡眠と自律神経の関係

自律神経は視床下部でコントロールされています。ですので、視床下部の体内時計が乱れることは、自律神経の乱れにも影響するのです。

自律神経とは

自律神経とは、人間の身体をコントロールしている神経です。自分の意思でコントロールすることができず、無意識の中で24時間常に機能している生命維持に必要不可欠な神経です。そんな自律神経は、代謝・循環・消化・発汗・心拍・排尿・排便などの生きていく上で欠かせない機能を正常に保つように働いてくれているのです。

  • 交感神経
  • 副交感神経

自律神経は、交感神経副交感神経の2つに分けられます。

交感神経

交感神経が優位に働いている時は、主に日中です。仕事中やスポーツをしている時など、興奮状態や緊張状態にある時などです。つまり、交感神経が優位に働くことで、体を活動しやすい状態にしてくれているのです。また、疲労やストレスが溜まってくることでも、交感神経が優位に働いてしまいます。

交感神経による各器官での働きは以下のようなものがあります。

  • 心臓・・・心拍の促進
  • 気管・・・拡張
  • 肺・・・呼吸の促進
  • 血管・・・収縮
  • 胃腸・・・消化の抑制
  • 肝臓・・・糖分の分解
  • 瞳孔・・・散大
  • 唾液腺・・・唾液分泌減少
  • 膀胱・・・弛緩して尿を貯める
  • 汗腺・・・発汗の促進

このように、交感神経が優位に働くことで、心臓や血管、血圧などをコントロールして、全身の細胞に栄養や酸素の供給量を上げて、体が動きやすい状態にしてくれているのです。

副交感神経

副交感神経が優位に働く時は、主に夜間です。食事の時や、入浴中、休息時、睡眠時など、身体がリラックスした状態にある時です。副交感神経が優位に働くことで、睡眠の質が上がり、身体をリラックスして休ませる状態にしてくれる神経です。

副交感神経による各器官での働きは以下のようなものがあります。

  • 心臓・・・心拍の抑制
  • 気管・・・収縮
  • 肺・・・呼吸の抑制
  • 血管・・・拡張
  • 胃腸・・・消化の促進
  • 肝臓・・・糖分の合成
  • 瞳孔・・・縮小
  • 唾液腺・・・唾液分泌増加
  • 膀胱・・・収縮して尿を出す
  • 汗腺・・・作用しない

睡眠時は、副交感神経が活発になることで、ゆっくりと大きな呼吸になります。血管を拡張させて、心拍を抑制し、血圧を下げることで、ゆっくりと血液を循環させます。そして深い眠りに入ります。

普段の私たちの身体の中では、このようなことが24時間常に行われています。相反する作用を持つ交感神経と副交感神経ですが、両者はお互いバランスを調整しながら作用することにより、身体を正常に機能させているのです。

睡眠と自律神経の関係

睡眠を取ることは、交感神経の活動が低下して、副交感神経の活動が活発になることが大切です。正常な場合は、夜になると、交感神経の活動が低下して、副交感神経が優位に活動するため眠たくなります。

自律神経が乱れると、交感神経が興奮状態で、副交感神経が活動しにくくなるので、睡眠に支障をきたしてしまうのです。

この状態が長期間続くと、不眠症になり、少し寝れたとしても、体や脳が休憩できてない状態になってしまいます。

さらには、睡眠が取れない事自体がストレスとなり自律神経の乱れにもつながるのです。不眠症は自律神経の乱れが影響し、不眠症によって、自律神経がさらに乱れるという悪循環になってしまうのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。現代の中学生や高校生は、スマホをはじめ便利なものに溢れかえっている環境が普通で過ごしています。スマホは便利ですが、使い方を間違えると不眠症などの体の不調に影響します。

今後も、受験勉強に時間を割く人が増え、スマホももっと進化してくるので、まずは自分の身体に目を向けてみて下さい。中学生や高校生の子を持つ親もしっかり理解して子供が不眠症にならないように気をつけてあげて下さい。

身体は交換できないので早いうちからの対処が必要です。

\この記事は私が書きました/

小泉 雅規(こいずみ まさのり)

小泉 雅規(こいずみ まさのり)

大阪市福島区MITO整体院
小泉 雅規(こいずみ まさのり)

・柔道整復師(国家資格)
・整形外科付属の整骨院で副院長として勤務

整形外科付属の整骨院で勤務している時に、痛みが出ている部分だけの施術には限界があることに気づきました。筋肉や骨盤、背骨の調整だけでなく内臓、静脈、リンパ、経絡などを含めて全身のバランスを調整することにより痛みが自分で改善できるようになります。

もし、あなたがマッサージや骨盤矯正を受けても痛みが改善しないのであれば、ぜひ当院にご相談ください。

症状について詳しくはこちら

自律神経失調症

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