ストレスと関係の深い過敏性腸症候群の治療は?

919e50ef51bc2a7555802d6121fd8cdc_lあなたのお腹の調子は大丈夫ですか?

突然の腹痛や下痢に悩まされていないですか?

今回は、過敏性腸症候群の治療法についてご紹介していきます。

過敏性腸症候群はどんな病気?

過敏性腸症候群とは、腸の検査をしても炎症や潰瘍などの異常がないにもかかわらず、腹痛に伴って、下痢や便秘、腹部の膨満感などの症状が慢性的に持続する疾患です。「IBS」とも言われます。

20~40歳代に多く、男性と女性では1:1.6とやや女性に多い傾向になっています。男性は、慢性的な下痢を繰り返す「下痢型」、女性は慢性的な便秘を繰り返す「便秘型」が多いです。

診断基準

過敏性腸症候群の診断は、日本消化器病学会の診療ガイドラインで推奨されている「RomeⅢ基準」をもとに診断していきます。これは、国際的に最もよく使われている診断基準で、過敏性腸症候群の診断に有効であるとされています。

RomeⅢ基準

  • 最近3ヵ月のなかの1ヵ月につき少なくとも3日以上の腹痛あるいは不快感が続いており
  • 下記の2項目以上の特徴を示す

①排便によって改善する

②排便頻度の変化で始まる

③便の形状(外観)の変化で始まる

過敏性腸症候群の原因は?

過敏性腸症候群の原因はストレスと言われていますが、それ以外にも原因はあります。

  • ストレス
  • 姿勢
  • 精神的な要因(うつ病、不安症)
  • 生活習慣の乱れ
  • 感染性腸炎

ストレスや精神的な要因、姿勢や生活習慣の乱れは、自律神経に影響を与えます。自律神経が乱れることは、過敏性腸症候群の原因となり、腸の運動異常や知覚過敏となって、腹痛や下痢の症状として現れてくるのです。

過敏性腸症候群と自律神経の関係は?

脳腸相関

これは、脳がストレスを感じると腸に影響を与え、腸に刺激が入ると脳にストレスとして伝達されます。

脳腸相関は、ある実験によっても証明されています。過敏性腸症候群の人と、そうでない人に、ストレスを与えるという実験によると、過敏性腸症候群の人は、大腸の蠕動運動、大腸の筋電図が亢進、脳内の興奮の感受性の亢進が認められました。

脳からのストレスの情報が腸に伝達され、さらに腸から脳へ情報が伝達されます。脳は腸からの情報を「感情」としてキャッチします。なので、腸に刺激が入ることで、腸が過敏に反応し、脳はそれをストレスとして認識してしまうのです。

このように、脳と腸の密接な関係を脳腸相関と言います。過敏性腸症候群は、これが悪循環した状態になっています。

自律神経とは

自律神経とは、自分の意思とは関係なく自動的に体をコントロールしている神経系です。これは、私たちの生命を維持するためにとても重要なものです。

  • 代謝
  • 循環
  • 消化
  • 吸収
  • 発汗
  • 心拍
  • 排尿
  • 排便

などの機能をコントロールしており、重要な役割を担っているのです。

食事をして、食べ物が口から入って胃や腸で、分解・消化・吸収をするのも自律神経の働きによるものなのです。

自律神経は

  • 交感神経
  • 副交感神経
  • 腸管神経

にわけられます。

交感神経

スポーツ時や仕事中など、活動的な時は、交感神経が優位になります。交感神経が優位になると、心拍数が増え、血管が収縮し、胃腸の働きが抑制されます。興奮状態やストレスを感じているときにも、交感神経が優位になります。

副交感神経

リラックスしている時は、副交感神経が優位になります。副交感神経が優位になると、心拍数は減少し、血管が拡張し、胃腸が活発に働きます。食事の時や睡眠時にも、副交感神経が優位になります。

腸管神経

腸管神経は、胃や腸などの消化管に多数存在し、腸の蠕動運動や、水分の吸収調節機能に欠かせない神経です。数億個にも及ぶ神経細胞が存在する腸管神経は、脳からの指令がなくても、腸管の機能を自律的に調節できるため、腸は「第二の脳」とも呼ばれています。

過敏性腸症候群と自律神経との関係

これらの自律神経は、仕事中や食事中、睡眠中など、お互いにバランスをとりながら常に働いているのです。

そこに、ストレスや精神的な要因を感じたりすると、自律神経が上手にバランスをとれなくなり、乱れてしまいます。また、生活習慣が乱れることも、自律神経の乱れにつながってしまうのです。無意識の中で生命維持をしている自律神経ですが、このように、外部からの影響によって知らないうちに乱れてしまい、過敏性腸症候群では、腸が正常に機能しなくなってしまうのです。正常に機能しなくなると、腸での蠕動運動が過剰になったり、知覚過敏になったり腸での消化や吸収、水分の吸収調節機能が正常に機能せず、腹痛や下痢・便秘、ガスが溜まって腹部の膨満感などの症状が出てくるのです。

過敏性腸症候群の治療は?

過敏性腸症候群を改善するにはどうすれば良いのでしょうか?基本的には自律神経を整えることが重要になります。自律神経を整えるにあたっていくつか効果的な方法をご紹介します。

  • 規則正しい睡眠
  • 食生活の改善
  • 適度な運動

規則正しい睡眠

自律神経は、脳にある視床下部(ししょうかぶ)というところでコントロールされています。視床下部では自律神経をコントロールする以外にも、体内時計の役割もあります。ですので、不眠症や睡眠不足で生活のリズムが乱れると、自律神経にも影響が出てしまいます。

睡眠中は、副交感神経が優位になり、日中は交感神経が優位になります。毎日決まった時間に寝て起きることで、体内時計も整ってきて、自律神経もバランスをとりやすくなってきます。寝る時間がバラバラだったり、寝る日と寝ない日があると、体のリズムも崩れてしまい、自律神経がバランスよく働いてくれなくなります。ですので、毎日ある程度決まった時間にしっかりと睡眠をとることは、とても重要なのです。睡眠時間の理想は7時間と言われていますが、人によっては5時間が体に合う人もいれば、8時間の睡眠が体に合う人もいるので、睡眠時間は自分の体に合った時間を理解しておくことが大切です。

食生活の改善

食事療法

偏った食生活は自律神経の乱れにつながります。

  • 食事は3食規則的に摂る
  • 栄養をバランスよく摂取する

この2つは非常に大切です。

毎日同じ時間に食事を摂ることで、その時間帯に副交感神経にスイッチが切り替わるようになり、自律神経のバランスが整いやすくなります。副交感神経が優位になると、腸での消化・吸収が活性化されます。また、ハンバーガーなどのジャンクフードや、インスタント食品、コンビニ弁当などは食べ過ぎに注意しましょう。偏った食事は栄養の面でもよくありませんし、自律神経が整いにくくなります。

過敏性腸症候群の場合は、食物繊維の摂取が効果的です。

食物繊維

人間の体に必要な栄養素として5大栄養素があります。炭水化物、脂肪、たんぱく質は三大栄養素と言われ、エネルギーの原料となったり、体を作るために必要な栄養素です。これに、ビタミンとミネラルを加えると5大栄養素となります。

最近では、この5大栄養素に加え整腸効果のある、食物繊維が重要視されています。食物繊維が不足すると、腸の状態に影響が出たり、免疫機能にも影響が出ますので、食物繊維を入れた6大栄養素が人間の体には必要と言われています。

食物繊維は、

  • 不溶性食物繊維
  • 水溶性食物繊維

に分けられます。

・不溶性食物繊維

水に溶けない食物繊維です。不溶性食物繊維は水に溶けないので、水分を吸収することで便の量を増やします。便が増えると、腸を刺激して、蠕動運動を活発にします。これによって、排便がスムーズになるように促します。

レタス、キャベツたけのこ、ごぼう、ほうれん草、大豆、いも、きのこ類、豆類などに多く含まれています。

・水溶性食物繊維

水に溶ける食物繊維です。水溶性食物繊維は、水に溶けやすく、溶けるとゼリー状になり、便を柔らかくします。

海藻類、蓮根、らっきょう、昆布、こんにゃく、オクラ、りんご、バナナなどの果実類に多く含まれています。

下痢型の方は、不溶性食物繊維の過剰摂取により腸が刺激されてしまうので、水溶性食物繊維が良いとされています。また、お腹の張りや、ガスが気になるときは、お腹の中でガスを発生させる、いも類や豆類などは控えるようにしましょう。

食物繊維の摂取は、水溶性1:不溶性2の割合が理想的とされていますので、両方の食物繊維をバランスよく摂ることを心がけましょう。

カフェインは控えめに

コーヒーや緑茶などカフェインの含まれる物は交感神経を優位にし、体を一時的に興奮状態にしてしまいます。なので眠気覚ましにコーヒーを飲む方が多いのです。寝る前にカフェインを取り過ぎると眠りが浅くなったり、睡眠時間が短くなったりするので、カフェインの摂取には注意が必要です。

適度な運動

シニアの男女

運動することは自律神経を整えるのにとても効果があります。運動すると筋肉が伸びたり縮んだりと動きます。筋肉が動くことによって血流や代謝が良くなり、呼吸が増えることで、全身の細胞に酸素が運ばれやすくなります。

また、ストレスを抑制するホルモン「セロトニン」の分泌も増加します。過敏性腸症候群は、腸内環境の悪化によってこのセロトニンの分泌が低下してしまいます。セロトニンには、ストレスを抑制する他に、腸の蠕動運動や消化・吸収などの機能を助ける働きがあります。ですので、運動をすることは、体にとって良い効果が期待出来ますし、自律神経も整えて、過敏性腸症候群にも効果的なのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?自律神経を整えることはとても大切なのです。人は、食事で体を作って、運動で代謝して、睡眠で回復する。というのが基本です。この流れのリズムが崩れると自律神経も乱れてしまうのです。あなたの食生活は大丈夫ですか?適度に運動はできていますか?規則正しい睡眠ができていますか?日頃からの何気ない習慣がお腹に影響しているかもしれません。これを機に、一度自分の生活習慣を見直してみてはどうでしょうか?あなたが悩まされている過敏性腸症候群の解決の糸口が見つかるかもしれませんよ。

\この記事は私が書きました/

小泉 雅規(こいずみ まさのり)

小泉 雅規(こいずみ まさのり)

大阪市福島区MITO整体院
小泉 雅規(こいずみ まさのり)

・柔道整復師(国家資格)
・整形外科付属の整骨院で副院長として勤務

整形外科付属の整骨院で勤務している時に、痛みが出ている部分だけの施術には限界があることに気づきました。筋肉や骨盤、背骨の調整だけでなく内臓、静脈、リンパ、経絡などを含めて全身のバランスを調整することにより痛みが自分で改善できるようになります。

もし、あなたがマッサージや骨盤矯正を受けても痛みが改善しないのであれば、ぜひ当院にご相談ください。

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