腰痛が起きている方が坐骨神経痛も患っている場合「坐骨神経痛が腰痛の原因ではないか?」と思ってしまうことがよくあります。
しかし、坐骨神経痛は病気そのものの名称ではなく、腰痛の原因となる別の病気によって坐骨神経痛の「症状」が引き起こされているにすぎません。
腰痛と坐骨神経痛の違いをよく理解し、誤って認識しないようにしましょう。
坐骨神経痛の症状は腰痛だけではない!足全体の痛み・麻痺や痺れも
坐骨神経痛の場合、痛むのは腰だけではなくお尻や太もも、ふくらはぎに脛(すね)など足全体です。そして痛みだけではなく、麻痺や痺れといった症状も出始めるでしょう。
他にも
- 足を動かすと痺れが強くなる
- 歩くのが困難
- 力が入りにくい
などの症状があります。
悪化するとトイレに行って排尿、排便することが難しくなってしまうケースも。このように、腰が痛むだけではなく様々な弊害を生む症状が「坐骨神経症」なのです。
坐骨神経痛の診断方法「ラセーグテスト」「SLRテスト」
坐骨神経痛かどうかを正確に判断する場合は、整形外科でMRI、CT撮影、レントゲン、触診を行う必要があります。
その結果、坐骨神経痛であると判明した場合「ラセーグテスト」「SLRテスト」という専門的なテストを医師が行い評価します。
ラセーグテスト
- 仰向けに寝ます。
- 医師が膝を直角に上げます。
- 膝と踵を持ちながら、足を上に伸ばしていきます。
- 伸ばすときに痛みを感じたら、座骨神経痛と判断される可能性があります。
SLRテスト
- 仰向けに寝ます。
- 足をまっすぐにしたまま、医師が踵を持ち上げます。
- 70度以上足が上がらなければ、坐骨神経痛であると判断される可能性があります。
このテストは素人が無理に行うと腰を傷めてしまうこともあります。
また、病気の診断は坐骨神経痛や腰痛の場合、総合的に行わなければ重大な病気が隠れていた時の対処ができません。自分で軽く判断するだけで済まさないようにしましょう。
腰痛は腰への過度な負荷などが原因で起きる
坐骨神経痛の正体が分かったところで、次は腰痛の原因にもなり得る病気について解説します。
腰痛を判断するには、まずその原因を突き止めることから始めましょう。主な原因は次の3つです。
1. 腰への過度な負荷
重い物を持ったことが原因で起きる「ぎっくり腰」など。
2. 腰そのものの異常
腰の軟骨である椎間板が破れて起きる「椎間板ヘルニア」や、「骨粗しょう症」で腰が骨折している状態です。
3. 他の病気
腰痛の原因は腰にあるとは限りません。
- 尿管結石
- すい臓がん
- 子宮内膜症
- 感染や炎症など
といった病気によって腰痛が起きる場合もあります。
激しい痛みを伴う場合、身体のちょっとした歪みなどで起きるような腰痛と違い、病院で正確に判断してもらう必要があるケースも。
例えば3項目目に挙げた「他の病気」が原因となっている場合は、CTやMRIを受けて判断しなければなりません。
坐骨神経痛は「病名」ではなく「症状」
それでは次に、坐骨神経痛が引き起こされるメカニズムや原因について見ていきましょう。
坐骨神経は人の体の中で最も大きい神経です。腰椎と仙骨から出てお尻にある梨状筋の下、そして太ももの後ろ中央を通り、膝の裏で2つに分かれ足裏まで通っています。
坐骨神経痛は「脊髄や脊髄から枝分かれした神経根が圧迫され、炎症を起こしていることが原因で各所に出る症状」のことを指します。よって坐骨神経痛は「病名」ではなく「病状」であり、腰椎椎間板ヘルニアといった病気の原因となる症状の1つになります。
つまり、坐骨神経痛によって腰痛が起きるのではなく「腰痛を引き起こす各種の病気によって坐骨神経痛の症状が出る」ということですね。
原因が特定されるケースは10~20%のみ!
とはいえ坐骨神経痛の原因がはっきり特定されることは、あまりありません。その多くが原因不明であり、原因が特定されるケースは10~20%の患者に過ぎません。
また、病院の医師によっても坐骨神経痛への考え方が異なる場合も少なくありません。関節の機能障害が主な原因と考える医師もいれば、神経の痛みそのものが問題と考える医師もいるといった具合ですね。
一般的に、坐骨神経痛の原因として考えられているものは以下の通りです。
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)、脊椎分離症、脊椎すべり症
- 腰部や殿部の筋の異常(過剰な緊張や収縮)
- 妊娠
- 病原体による感染症
- ストレスなどによる精神的要因
上記の中でも、「腰椎椎間板ヘルニア」と「脊柱管狭窄症」が坐骨神経痛の2大原因だと言われています。
坐骨神経痛の原因を知り、正しい対処を
腰痛と違い坐骨神経痛では足全体やお尻に痛みや痺れ、麻痺といった症状出ますが、その原因となる箇所は別であることが大半です。
「坐骨神経痛だから腰痛になる」と考えていると、原因が病気であった場合に正しく対処することができません。坐骨神経に炎症が起きているのはなぜなのか、腰痛の原因は何なのか知ることで、初めて正しい対処ができるのです。
坐骨神経痛は原因不明であるケースが多いとはいえ、自己判断は禁物です。
きちんと医師の判断を仰ぐ必要がありますが、病院で治療を受けても薬の処方や安静にしているように、と指示を受けるだけで中々改善されない場合もあります。
そのような方は整体院で施術を受けてみてはいかがでしょうか。
腰椎ヘルニアなど腰の病気が原因で坐骨神経痛が起きている場合は、姿勢や身体全体のバランスを整えることで根本から改善していけるケースもあります。
辛い症状から中々解放されず悩んでいるという方は、ぜひ整体院での治療も視野に入れてみてくださいね。
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