口を開いた時や顔を洗う時、何の前触れもなく突然顔の片側に電気が流れたような鋭い痛みを感じることはありませんでしょうか。
三叉神経痛は顔の片側が突発的に強く痛む疾患であり、その発症率は季節や1日のサイクルでも変化します。

こちらでは、三叉神経痛が起きる主な原因と典型的な症状、具体的に痛みの症状が起きやすい顔の部位や間違った判断をしてしまいがちなポイントについて解説します。三叉神経痛である、もしくは疑いがあるという人は参考にしてみてください。

顔の片方が突然強く痛む場合は三叉神経痛の可能性が高い

三叉神経痛は前触れなく顔の左右どちらかが突然強く痛むという症状が主な特徴として挙げられているので、該当する場合は三叉神経痛の可能性が高いでしょう。
痛みの度合いとしては「とても強い」部類に属するとされ、中には我慢できる人もいるようですが、あまりにも痛みが強いケースだと食事や歯磨きといった顔を動かす動作ができないので、日常生活に支障をきたすこともあります。

痛みのたとえとしては、「ビリッ」といった顔に電気ショックが流れたような鋭く瞬間的な痛みであるとされ、発症時間は短い場合だと数秒から数十秒、長く続いても数分から数十分で治まるという持続性が低い点が大きな特徴です。
三叉神経痛で痛みの症状が発生する顔の具体的な部位は以下の3箇所のいずれか、または複数の場合もあります。

• 前額部
• 頬部
• 顎部

顔の特定部位に刺激が加わると痛むケースもある

三叉神経痛を発症した人の中には顔の特定部分に対してなんらかの刺激が加わったときに鋭い痛みが起きるというケースもあります。
三叉神経痛はこのような誘発性を持っており、大きな刺激ではないはずなのに顔が局地的に異常なほど痛むという場合は三叉神経痛を疑うべきです。

三叉神経痛は血管による神経の圧迫が主な原因

三叉神経痛は顔の奥に位置する三叉神経が血管によって圧迫され、神経の情報伝達に異常が生じることで顔の強い痛みが引き起こされると考えられています。

そもそも三叉神経とは顔全般の「冷たい」「熱い」といった感覚を司っている神経であり、これが血管によって圧迫された状態だと脳へ正しく感覚の伝達ができないため、軽く顔に触れただけで「触れた」という感覚が神経の伝達異常によって「痛い」と間違った情報が伝わってしまう疾患です。

脳は様々な感覚をそれぞれ独立した神経回路で感じ取っていますが、血管によって神経が圧迫されてしまうと、この信号伝達がエラーを起こしてしまいます。

三叉神経痛は虫歯と間違えやすい

三叉神経痛の多くは持続性のある痛みを伴わず、顔に対する刺激や動作をトリガーとした突発的な強い痛みが特徴ですが、頬付近が痛むことが多く、さらに食事や歯磨き時に症状が出るケースもあるので虫歯と誤認されることもあります。

虫歯を疑って歯医者へ訪れても実際は虫歯が原因ではないため、中には原因がはっきりしないまま抜歯されてしまうこともあるようですが、抜歯後の症状によって三叉神経痛だと判明するケースもあるので、自身の判断だけで原因を早急に決めつけるのは避けるべきです。

三叉神経痛は女性の発症率が高い

三叉神経痛を発症する割合は男性に比べて女性の方が高く、さらに年齢別で見ると50歳以上が発症しやすい傾向にあるとされており、これは加齢によって動脈硬化が進み血管が変形しやすくなるためと考えられています。

また、痛みの発症は季節の変わり目に訪れることが多く、暖かくなる時期や寒くなる時期に発症しやすいという点に加え、夜間は昼間と比べて痛みを感じる頻度が少ないので、寝ている時に激痛で目が覚めるといったケースが少ない点も三叉神経痛を判断する上でのポイントです。

痛みは心身的なストレスが大きいので我慢は禁物

痛みは身体に異常をきたしているという大事なサインであり、心身的なストレスが大きいので我慢するのは避けてください。
三叉神経痛は症状が重いと食事や洗顔といった顔に刺激が加わる動作が困難になってしまうだけではなく、いつ痛みが再び訪れるかといった不安を無意識の内に感じながら生活することになるので心身共に疲弊してしまいます。

今はまだ痛みが軽い場合でも、長いこと我慢していると症状が悪化してやがて強い痛みへと変化してしまう可能性もあるので、まずは一人で抱え込まずに三叉神経痛について詳しい専門家に診てもらいましょう。