スマートフォンやパソコンの使用によって、背中が曲がり「胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)」になることがあります。
「胸郭出口」とは、肋骨・鎖骨・斜角筋との隙間のことで、姿勢が悪く猫背になることで、神経を圧迫し痛み・シビレなどを引き起こします。
マウスを長時間使い続けることが原因になる事も多く、そのため「マウス症候群」とも呼ばれています。
胸郭出口症候群の主な症状と予防のためのポイント
胸郭出口症候群を発症すると以下のような症状が現れます。
●ひどい肩こり
●首・肩の痛み。
●指先のシビレ
●筋力・握力低下
●耳鳴り・ふらつき
病院を受診してレントゲンやMRI検査をしても、異常を発見することは難しく、注射や湿布・痛み止めによる処置のみで終わることが多いようです。
正しい姿勢で座ってストレッチも習慣付ける
胸郭出口症候群を予防するためのポイントは2つです。
- 正しい姿勢で座ること
- ストレッチを習慣的に行なうこと
この二つを実践するだけで、胸郭出口症候群を予防できますし症状を緩和することができます。
3つの正しい座り方
座りながらパソコンやスマートフォンを使用すると、どうしても顎が前に出てしまい、猫背になってしまいます。
理想的な座り方のポイントは以下の通りです。
- 頭は体の上に置く
- 意識的にあごを引く
- 背骨と骨盤を真っすぐに保つイメージ
頭が前に出てしまうと、首に大きな負担がかかります。長時間同じ姿勢を続けていると脛骨に大きな負担がかかり、ヘルニアの原因になることもあります。
背もたれを利用して深く座ると、どうしても骨盤が曲がってしまうので、背もたれを利用せずに浅く座るのも方法の一つです。
この座り方を意識するだけで、胸郭出口症候群を予防することができます。
胸郭出口症候群を改善する4つのストレッチ
胸郭出口症候群を予防・緩和するためにはストレッチが効果的です。自宅で簡単にできるものをご紹介します。
1:胸を開いて胸郭を広げる
横向きに寝転がり、股と膝を曲げます。両方の腕を前に伸ばして、手のひらを合わせます。下半身は横向きのまま、上半身だけ半分ひねり、上の腕で下の腕をなぞりながら、胸に引き寄せてください。
胸が大きく広がっていくのを感じると思います。反対側も同じように行ないます。無理をせず、痛くない範囲で行ってください。
2:猫背を改善するために体幹を鍛える
上向きに寝転がり、膝を立てて肩幅に広げます。両手は胸の上です。背中・腰・お尻の順番に引き上げてください。無理に上げ過ぎると腰を痛める原因になります。肩から腰が一直線になるイメージです。
息を止めずに、吐きながら行ってください。一番上まで上げたら、3秒間キープして元の状態に戻します。勢いをつけるのではなく、ゆっくりと骨の動きを感じながら行ってください。
3:肩こり解消にも効果的
四つん這いになり、両手・両足を肩幅に広げます。顔を正面(または少し上)に向けて、腰を下に沈めます。その状態を3秒間キープしたあと、頭を下に向けて背中を丸めるように腰を引き上げます。同じく3秒間キープします。
腰を上下する時に肩の位置がズレないようにするのがポイントです。反動をつけると腰を痛める原因になりますから、ゆっくりと行ってください。
4:なで肩を解消するストレッチ
両手・両足を床につけて、肩幅に広げます。片方の手を反対側の手の前に持っていき90度に曲げます。手と同じ側の足を後に下げて、すねのあたりを反対側の足にくっつけます。
その体制を維持しながら、手のひらで床を押し、お尻を後に下げていきます。3秒間キープしてから元の状態に戻します。
頭を両肩の中に入れず、背中をしっかりと伸ばして行ないましょう。
ストレッチを行なうときは呼吸を止めずに、ゆっくりとした動作で行ないます。腰や肩などに痛みを感じた時は、無理をせずすぐに中止してください。
10回~20回を1セットとして、1日3セットずつ行なうことが理想です。
その他の予防・改善方法
胸郭出口症候群の原因には体のゆがみも関係しています。毎日の生活スタイルが原因となり、体は微妙に歪んでしまいます。
例えば、右利きの人は右の手・足を頻繁に使うために体が右に歪んでいることがほとんどです。
体のバランスを調整することで胸郭出口症候群の症状を緩和できる場合があります。
バランスの上で安定した状態を保つためには、前後左右のバランスが必要になります。強制的にバランスの上に座ることによって、体の歪みを戻すことができます。
バランスボールを購入する時は自分の体に合ったサイズを選ぶことが大切です。大きすぎるとバランスを取るのが難しくなりますし、小さすぎると効果が半減します。
胸郭出口症候群は毎日のストレッチで解消できる
首や肩に痛みやシビレをもたらす胸郭出口症候群ですが、毎日のストレッチトレーニングや正しい座り方、バランスボールの使用によって予防・緩和することができます。
胸郭出口症候群で悩まされている肩は、ぜひ今回ご紹介したストレッチや正しい座り方などを実践してみてください。
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