ヘルニアの症状は最初、くしゃみをしたときに痛んだり、前かがみなど中腰になった時に痛む程度です。そして椎間板ヘルニアは初期症状であれば自然に治ることも多く、気付いていない人もいます。
しかし、その一方でふとした衝撃で一気に悪化し、手術が必要になることもあるのです。
ここでは進行度合い別に、現れてくる症状を解説いたします。
ある日突然歩けなくなるというようなことにならないよう、椎間板ヘルニアにはどのような症状があるのか知っておき、少しでも早く気づいて対処できるようにしましょう。
初期でも出るつらい症状
痛みが腰や首以外に出てくる
単なる腰痛ではなく椎間板ヘルニアだった場合、腰だけの痛みだったのが、徐々にお尻から足全体にかけて痛みがでるようになります。
頸椎であれば、最初は背中や胸の前あたりにでます。座骨神経痛と呼ばれる状態です。
飛び出した椎間板の一部が神経を圧迫しているために、各所に痛みが出るのが座骨神経痛です。
腰の痛みだけで坐骨神経痛の症状が出ない人もいれば、腰は痛くないのに座骨神経痛の症状から出る人もいます。また、痛むのではなくだるくなることもあります。
目の症状やめまい、耳鳴りなどの2次的症状も出る
頸椎でも1~3番目など、上に位置する場所がヘルニアになると、神経根や血管への圧迫で、気分が悪くなったり吐き気が出てきたりもします。
目の奥が痛くなる、目が疲れやすくなる、充血するなどの症状がでて、目の病気を引き起こすこともあります。
めまいがひどい、耳鳴りがひどいなどの症状もあるので、まさかヘルニアが原因とは思わない人もいることでしょう。
なぜこれらの症状がでるかというと、ヘルニアで首の骨が変形することにより、頭のほうへと続いている血管が圧迫されるからです。
動脈硬化もこれに加わると、ますます血管の中の血の通り道が狭くなり、脳梗塞などの2次的症状の原因にもなってしまいます。
知覚神経や運動神経の障害が強くなった時に出る症状
下半身や体の片側にしびれが現れる
最初は椅子から立ち上がるときに痛む程度だったのが、しびれも出るようになります。
軽いしびれの場合もあれば、電気が走るようなしびれを感じることもあります。
腰椎のヘルニアの場合、太ももの裏やふくらはぎ、スネ、足の甲、つま先や足の裏などにしびれが出ます。
あまりにしびれが強いと、歩くのも辛くなってくるので、単なるしびれと放置しないようにしましょう。
しびれはいつも出るわけではなく、立ち上がる瞬間、歩いているとだんだんしびれてくる、仕事でずっと立っている時など、その人により出やすい時があります。
ただし、中にはしびれの症状がなくヘルニアが進行する人もいます。
また、椎間板ヘルニアになると、最初はしびれが片側だけに現れますが、悪化してくると今度は両側に現れる傾向があります。
神経が多く集まる脊髄が強く圧迫されてきている証拠です。
麻痺して感覚がなくなってくる
麻痺状態になると感覚がなくなるので、手であれば文字を書くのさえ困難になります。
足であれば、歩くともつれて転んでしまうような状態です。
モノに躓いてよく転んだりすれば、感覚が鈍くなってきている証拠です。
他にも足を持ち上げられなくなるなどが、麻痺の最初の兆候になので、見逃さないようにしましょう。
最終警告サインとなる症状
歩行障害
脊髄障害の状態だと、杖どころか車いすを使わないと移動できなくなります。
もはや足のもつれで歩きにくい状態ではなく、歩けなくなっている状態です。
排尿・排便障害
排尿に違和感があったり、出が悪くなるなどの症状が出ます。逆に頻尿になったりする人もいます。膀胱直腸障害という状態です。
さらにしびれや麻痺が足だけではなく、肛門付近にも出てくるので、便も出ている感覚がなくなることがあります。
ひどくなると尿を漏らしてしまったり、尿が出なくなったりします。このような症状が出てくると、脊髄の障害が重度になっている証拠です。
また、ヘルニアは腰椎、頸椎の他に胸椎などにも起こります。胸椎だともっと初期の症状が自覚しにくく、そのまま歩行障害や排尿困難になるまで進行してしまう人もいます。
一度ヘルニアになったことがある人は特に注意
もともと椎間板ヘルニアを持っていた人がストレスを抱えたりすると、ヘルニアが悪化してしまうことがあります。
また、リハビリを無理しすぎたり転んだりぶつかったりして急激な負担がかかった場合にも、一気に悪化してしまいます。
せっかく治療しても負担がかかるような姿勢や動作を繰り返すと、今度はもっとひどい状態になりますので、リハビリや日常生活で無理は禁物です。
一度ヘルニアになったら、頭痛や肩凝りが繰り返すのと同じように繰り返しなる可能性があると考え、身体の様子に注意を向けながら生活していきましょう。
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