手根管症候群とは手の指に痺れが生じ、特に明け方に強く症状が現れることが多い疾患です。
腱鞘炎とは異なり、痛みよりも痺れが強いことが特徴です。
手の酷使により手首にある手根管という神経が圧迫されることが原因で、手首のストレッチを行なったり、日常生活での手首に対する負担を軽減することで症状を軽減することができます。
ここでは自宅でもできる、簡単な対処方法をお伝えします。

ストレッチで手首をのばす

筋肉、神経に関する痛みにはストレッチが効果的です。
深呼吸してリラックスしながら、ゆっくりと手首を曲げたり伸ばしたりしていきましょう。

ストレッチ例

例として、手首を色々な方向に曲げるストレッチを紹介します。

(1)腕を伸ばして手のひらを内側に向け、親指を内側にして拳をにぎります。
その拳を手小指側に曲げます。
チョップした手を握り垂直に下に曲げるようなイメージです。

(2)手のひらを上側に向け、腕は伸ばしたまま手首を曲げて自分側に引っ張ります。
引っ張る時には反対の手を使って指から手の甲を持ちます。

(3)手のひらを上側に向け、腕は伸ばしたまま指を下にそらします。
引っ張る時には反対の手を使って指から手の甲を持ちます。
そのまま壁に手のひらをつけ、反対の手で腕を上から軽く押すとより効果的です。

(1)〜(3)を各10秒ずつ×1セット行います。

日常生活での手首保護

家事の際は、道具の持ち手が太くなるよう工夫する

何か道具を持つというだけのことでも手首に負担がかかり、痺れが強くなることがあります。
対策として、道具を持つときには持つ部分を太くして、指をできるだけ曲げないようにすると良いでしょう。
例えばフライパンや鍋・掃除機を持つ時などは、持つ部分にタオルを巻いたり両手で持つようにすると、通常よりも指を曲げずに済むので、手首への負担が減ります。

なお、手根管症候群は女性に多く発症しますが、これは家事で手首に負担がかかること、ホルモンバランスが崩れやすいためと言われています。
手根管症候群と判断された場合は、家庭内で家事分担を行うことも大切です。

パソコン入力や書き物をする際は手首にタオルを巻く

キーボードを打つ時や筆記具で書類に記入をする際は、タオルやハンカチなどを手首に巻き、できるだけ曲がらないようにすると負担が減ります。
巻くのが難しいという場合は、手首の下にタオルを丸めて置いたり、負担のかからないマウスパット等を利用することでも効果があります。
マウスパッドの場合、ソフトタイプで手首を置けるつくりになっているものを選ぶとより良いでしょう。

またキーボードやマウスを利用する際は、出来る限り腕と手が直線になるようにし、手首が曲がりすぎたり、反りすぎるような角度にならないよう気をつけましょう。誤った角度で使用することも負担に繋がります。

サポーターやギブス、テーピングを用いる

手首は日常生活で最も多く使用する部分の1つです。
炊事や掃除、パソコン操作以外でも日常生活で手首に負担がかかる動作としては以下のようなものがあります。

• 育児中の赤ちゃんの抱っこやおんぶ、オムツ替え
• 食事、特に箸を使う際
• スマホの操作(指を動かす時に手首神経への負担)

これらの動作で日常的に手首が辛いと感じるようなら、日頃からサポーターを巻いたりギブスをつける、テーピングで固定するなどして保護しておくことが重要です。
また、指・手を使う時には負担がかかっていることを意識して、ゆっくり動かしましょう。意識的にゆっくりと動かすことだけでも負担は軽減されます。

頑張りすぎず、少しずつ治していきましょう！

手根管症候群に悩む方は、日々の家事や仕事などを頑張りすぎてしまう方に多いと言われています。
まずは少し肩の力を抜いて、是非これらの軽減策を試してみてください。
自宅でのストレッチに不安のある方は、整体院などへ行ってみるのも、有効なストレッチを受けられたり、自分でできる簡単なストレッチを直接教えてもらえたりするのでおすすめですよ。
日常生活のあらゆる場面で使う手ですから、複数の方法を組み合わせながら、少しずつ負担を軽くしていけたら良いですね。