寝ている時に喉にドロッとした鼻水が垂れてきて息苦しい。

嫌なにおいがして会話がスムーズにいかない。

など、後鼻漏で悩んでいる方は、意外に多いのです。

ではなぜ鼻水が喉に流れてくるのでしょうか？

今回は、後鼻漏の原因についてご紹介していきます。

副鼻腔の構造は？

副鼻腔の構造についてまずは理解しましょう。

鼻の真ん中には、鼻中隔（びちゅうかく）という縦の仕切りがあり、この鼻中隔の左右にはそれぞれ４つの空洞があります。これらを副鼻腔（ふくびくう）と言います。

前頭洞（ぜんとうどう）

前頭骨の内部にあり、鼻の上方、おでこの下部にある空洞です。

上顎洞（じょうがくどう）

ほっぺたの骨の裏にある空洞で、副鼻腔で最も大きいのがこの上顎洞です。

篩骨洞（しこつどう）

両目の間の裏にある空洞です。

蝶形骨洞（ちょうけいこつどう）

鼻の奥の一番深いところにある空洞です。

全ての副鼻腔が細い穴によって鼻腔に通じており、副鼻腔の中は通常、空気で満たされているような状態です。

また、副鼻腔の粘膜の表面には、繊毛（せんもう）と呼ばれる鼻水を排泄する重要な機能を持ったものが密集しています。

後鼻漏とは？

後鼻漏とは、ドロッとした粘り気のある鼻水が大量に喉に流れていく状態です。

中には、喉にへばりついているように感じることもあります。口から痰として出ることもありますが、喉にへばりついた感じだと、口から出そうと思っても出せないことも多いです。

さらに後鼻漏は、仰向けで寝ている時も起こります。その場合は、喉に鼻水が流れたり、へばりついた状態で、呼吸がしずらくなることもあります。場合によっては、窒息しているような息苦しさで目を覚ます場合もあるので、睡眠にも影響を及ぼすので、後鼻漏はとても辛いものです。

そんな後鼻漏は、副鼻腔に溜まった膿が混ざっています。ウイルスや細菌の感染によって、それらを排除しようと攻撃した白血球や細菌などの死骸、それが膿です。実はこの膿は臭いがします。嫌な臭いを自分で感じたり、口臭がきつくなったりします。

後鼻漏の原因には繊毛が関係していた！？

鼻の粘膜は、１日に１リットルもの鼻水が分泌され、粘膜の表面を常に湿らせています。さらに鼻の粘膜は、ほこりやごみ、花粉やウイルスなどを吸着する働きもあります。つまり、吸い込んだ空気は、鼻を通過する時に加温され、さらに、空気中に含まれるほこりや細菌やウイルス、花粉などを取り除いて、肺に送り込むようになっているのです。

副鼻腔の粘膜の表面には「繊毛」が密集しています。

正常であれば、細菌やウイルスを吸着した鼻水は、この繊毛によって、鼻水として体外へ排泄されたり、鼻からのどへ送り出され、胃に飲み込まれて胃酸で消滅させたり、咳によって体外へ排泄されたりします。

つまり、繊毛は体を細菌やウイルスから守る働きがあるのです。

この繊毛の機能が低下してしまうと、鼻水を排泄する機能が正常に機能しなくなるため、鼻水や膿が副鼻腔に溜まったままになってしまいます。この溜まった鼻水などが継続的に喉へ流れると後鼻漏となるのです。

繊毛が機能低下する原因は何？

繊毛は鼻水を排泄したり、細菌やウイルスなどから体を守るといった重要な役割がありますが、ではなぜ繊毛が機能低下を起こしてしまうのでしょうか？

その原因は、風邪などをきっかけに、ウイルスや細菌などの感染によって、副鼻腔に炎症が起こってしまうためです。

この状態を「副鼻腔炎」と言います。副鼻腔炎が慢性化することで、副鼻腔に膿が溜まったてしまいます。この状態を「蓄膿症」と言います。別名「慢性副鼻腔炎」とも呼ばれます。

まとめ

いかがでしたでしょうか？

後鼻漏は、副鼻腔の粘膜にある繊毛の機能低下が深く原因と関係しています。副鼻腔炎が原因で繊毛の機能がみられるので、こまめな手洗いやうがいは、習慣にしておいた方が良いですね。