あなたは自分の子供に対して、「これって普通なのかな?」と思ったことはありませんか?
子供がすぐ泣いたり、よく癇癪を起して困っていませんか?これだけでなく、日常生活に支障をきたしていませんか?
保育園に通いだしてもう半年たつけど、ママから離れると大泣きをする。これが毎回続いているのなら、不安障害かもしれません。
今回は、子供の不安障害について、「不安障害とは何か」「不安障害の種類」についてご紹介していきますので、子供のことでお悩みの方は、参考にしてみて下さい。
子供の不安障害とは
過剰な不安感や恐怖感が出ることによって、本人が苦痛を感じたり、日常生活に様々な支障をきたすようになる状態を「不安障害」と言います。
以前では、この不安障害は「神経症」や「不安神経症」などと言われていました。また最近では、「障害」という文言が偏見につながるという見方もあり、その配慮から「不安症」と言われることもあります。
子供の不安障害の一般的な症状の特徴です。
- 激しい恐怖
- 過度の心配・緊張
- 不安感
これらの症状が長期間持続することで、日常生活に支障をきたします。
- 不登校・中退
- 友人との不仲
- 低い自己評価
- 学校などでの不適応
- 薬物や飲酒
- 成人後も持続
子供の不安障害は早期に治療を開始しないと、不登校を繰り返して学校にもなじめず、友人と仲良くできなかったり、自分のことを過小評価するようになってしまいます。症状が長期間持続することで、これらのような状態に陥ってしまうこともあります。
子供と青少年(9~17歳)の100人中13人が何らかの不安障害を経験しています。特に、男子より女子の方が発症率が高くなり、その子供の両親が不安障害を持っている場合は、子供の不安障害の発症率は、通常よりも高くなると言われています。
不安障害の専門家は、子供が6~8歳の頃に不安障害の徴候があるかを注意深く観察することを推奨しています。
不安障害の種類と症状
子供の不安障害の種類です。
- 分離不安障害
- 強迫性障害
- 社会不安障害(社交不安障害)
- 全般性不安障害
- パニック障害
分離不安障害
分離不安障害は子供の数%に見られ、性差はあまりなく、6、7歳頃に多いですが、分離不安そのものは小児の発達途中で見られる正常の現象です。
分離不安
赤ちゃんは、生後半年頃から親のことを特別な存在だと認識するようになります。
赤ちゃんは、時間の感覚や記憶が未発達のため、親が自分から離れると不安を覚えるのです。これを分離不安と言います。一歳半を過ぎる頃になると、親が自分から離れても、再び戻ってくる事が分かるようになり、この時の不安は徐々に軽減してきます。
例えば、初めて幼稚園や保育園に通った時には、お母さんと離れるのが嫌で大泣きすることは、子供によって多かれ少なかれあります。しかしこれは、成長するに伴って起こる正常なことなのです。この分離不安は、特に何もしないでも、適切な育児や親子関係を育むことで、自然と解消されていきますので治療は必要ありません。
分離不安障害
子供が成長していく過程で、この分離不安が解消されず、特に子供が小学生になるころになっても過剰な分離不安が継続している状態を、分離不安障害と言います。
子供の分離不安障害では4週間以上持続して、以下のような不安症状が見られます。
- 家を離れる事への強い不安感がある
- 常に親と一緒にいたがる
- 1人になるのを嫌がる
- 1人で眠れない
- 学校へ行けない
- 頭痛、腹痛など体の症状が出やすい
- 親が急に事故や病気になっていなくなってしまうのではと不安になる
- 悪夢を見る
強迫性障害
ある考えや、イメージが何度も浮かんできて、同じことを繰り返す状態です。誰でも経験があるのは、鍵をちゃんとかけたのか心配になり、戻って確認するというような行為です。これだけでは強迫性障害にはなりませんが、これが過剰になって、日常生活や精神状態に影響する不安障害を強迫性障害と言います。この不安障害は子供に限らず大人にも見られます。
例えば、手が汚れているのではないかと思うことで、何度も手を洗います。これは「手が汚れている」という強迫観念によって、「何度も手を洗う」という強迫行為が結びついています。自分でも分かっているのですが、止められないのです。
強迫観念→不安→強迫行為→一時的な安心→強迫観念→不安→強迫行為→
というような流れが繰り返されます。
強迫観念が一度頭に浮かぶと、それにとらわれてしまい、強い不安が起こります。そして、その不安を解消するために、強迫行為をします。強迫行為をすることで、不安は解消され一時的に楽になりますが、再び強迫観念による不安がでてくると、以前よりもさらに強迫行為をせずにはいられなくなってしまう不安障害です。
このサイクルが、何度もくり返されることで、悪循環に陥ってしまうのです。
子供は手を洗っても、「まだ汚れているのではないか」と不安になり、何度も手を洗い、汚れていないか周囲に確認を求めることもあります。さらには、外に出ることで手が汚れてしまうのが怖くなり、外の出れなくなってしまいます。
また、鍵をかけ忘れたのではないか、と不安になることによって、何度も戻って確認するという行為の結果、遅刻が増え、外に出ることが不安になり、引きこもりになってしまうこともあります。
不安障害の一種の強迫性障害は、WHO(世界保健機関)によって「経済損失および生活の質の低下に影響する10大疾患」の1つとされたほど、苦痛や日常生活に支障をきたすものです。しかし、なかなか治療に踏み出せず、悩んでいる人が多いのが現状です。
社会不安障害(社交不安障害)
社会不安障害(社交不安障害)は、人からの注目や人と接することへの不安や緊張が過度となり、心身や日常生活に様々な支障をきたすものです。社会不安障害の発症の好発年齢は10代ですが、多くは5~35歳の子供から大人まで発症します。
日常的に経験する、「大勢の人の前で話すのが緊張する」「初対面の人だと緊張したり恥ずかしいと思う」など、こういった日常的な場面での不安感が強く出てしまいます。特に子供が学校で人前での発表など、これは誰にでも起こることであり、人前で全く緊張しないという人はめったにいませんし、人前が苦手で緊張しやすい等の、シャイで内向的な性格の人が多いです。しかし、この不安感があまりにも強い場合は、普通の緊張感や性格ではなく、社会不安障害(社交不安障害)という可能性があります。
社会不安障害(社交不安障害)では緊張する場面になると、
- 手が震える
- 頭が真っ白になる
- 大量の汗が出る
- 声が震えたりひっくり返ったりする
というような症状が出ます。
一般的に「あがり症」「赤面症」「対人恐怖症」「場面恐怖症」と言われることもあります。
そして、子供はこういった状況で苦手意識が強くなり、この状況から避げがちになってしまうと、ますます同じ状況での不安感が強くなってしまうのです。そういった悪循環の結果、子供は「学校に行けない」ということになってしまうのです。
このような社会不安障害(社交不安障害)は、2つに分類されます。
- 限局型
- 全般型
限局型の社会不安障害は、日常での対人関係は特別な問題がなく過ごしているにも関わらず、人前での発表やなど、限定された状況になると、急激に不安や緊張が高まってしまうことです。
全般型の社会不安障害は、限定された状況ではなく、社会生活全体的に不安感や緊張が見られる状態です。
全般型の社会不安障害は発症年齢が子供の頃と早く、重症であることが多いと言われています。
全般性不安障害
全般性不安障害は、日常生活の中での様々な出来事や活動に対して過剰な不安や心配を感じます。全般性不安障害も子供に限らず大人にも見られます。
子供の全般性不安障害の学校での具体例をあげると、
- 成績が下がらないか不安
- 自分が何か失敗をしないか不安
- 人に嫌われないか不安
- 周囲の期待に沿えるか不安
- 時間通りに行動できるか不安
など、まだ来てもいない未来の出来事に対して、過剰に不安感を感じてしまいます。これらの過剰な不安や心配は、作業効率的の低下につながり、子供もそれには気づいているのですが、自分自身でこの不安な気持ちを制御することが難しい不安障害です。
この全般性不安障害は、不安が強いために、
- 自己懐疑的
- 自意識過剰
- 完壁主義
- 周囲からの批判に敏感
- 安心感を求めている
- 傷つきやすい
その様な不安から身を守るために、常に緊張し、防衛的にしているため子供なのに無表情や大人っぽく見えたりします。
常に緊張しているため、子供でも頭痛、発汗、めまい、腹痛などの症状を訴えることがあります。
パニック障害
不安障害の一種のパニック障害は、必ずしも大人がかかる病気とは限りません。つまり、10代やそれ以下の子供でもパニック障害になる可能性があり、実際、パニック障害で苦しんでいる小・中学生もいるのが現状です。
発作は、強い恐怖感が突然、下記の症状とともに現れます。
- 動悸
- 発汗
- 体や手足が震える
- 呼吸困難
- 胸の圧迫感・不快感
- 吐き気
- 腹痛
- めまい・ふらつき
- 自分自身ではないような感覚
- 気が狂う恐怖に襲われる
- 寒気・ほてり感
このような症状が出ます。
発作が出た子供は「怖い怖い」「死んじゃったらどうしよう」などと強い恐怖感に襲われ、泣き叫びます。こういった発作は10〜30分ほどで落ち着きますが、一度パニックを起こすと、また同じ場所や同じ状況になると再びパニックを起こすのではないか、という「予期不安」に襲われ、子供は学校に行くのが怖くなるなど日常生活に支障をきたすようになります。
一昔前までは、子供は放課後に野球をしたりサッカーをしたりと自由に遊んでいましたが、現代の子供は、学校が終われば塾に通って勉強したり、厳しい受験勉強を強いられることが増えてきました。
さらに、何といってもいじめの問題が深刻化し、子供の社会でも人間関係が複雑になってきているのが現状です。実際にいじめを受けるだけではなく、友達がいじめられているのを目撃したり、自分がいじめられるかもという不安を抱くようになったりと、子供であっても常に周囲に気を遣い、神経が過敏になりやすい傾向にあります。
こういったことが背景にあり子供のパニック障害は増加しているのです。
パニック障害の発作の頻度としては、1日に数回起こることもあれば、1ヵ月に1回起こるか起こらないかという人もいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?不安障害という言葉を初めて聞いたという方もいるのではないでしょうか。不安障害は子供から大人まで発症する可能性があります。大人でも辛い思いをすることが多いのに、子供の場合は相当つらいかと思います。もし、自分の子供が不安障害かなと思うのであれば、どのタイプなのかを見極めて下さい。子供のことは親が一番気づいてあげないといけませんね。
こういった、身体的、精神的な状態は自律神経が影響してきます。当院では自律神経の整体を行っています。子供でも整体は可能なので、お悩みの方は一度ご相談下さい。
\この記事は私が書きました/
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