妊娠初期は個人差はありますが、悪阻(つわり)などの症状が出たりと、なにかと体調も不安定な時期です。
そんな時期でも仕事を頑張るママに少しでも参考になるよう、ここでは妊娠初期の働き方についてお話ししていきます。
妊娠初期とは
まず、妊娠初期とはどの時期をさすのでしょうか。
一般的には、妊娠2~4か月(4~15週)までの時期を言います。
お腹の赤ちゃんの様子
妊娠初期のお腹の赤ちゃんは、どのように成長していくのでしょう。
・妊娠2ヵ月
妊娠8週目までの赤ちゃんは「胎芽」と呼ばれます。妊娠4~6週頃には、赤ちゃんの入っている胎嚢(たいのう)とよばれる袋が確認でき、赤ちゃんの心臓の動きが確認されると正常な妊娠と判定されます。
この頃の赤ちゃんの大きさは身長0.3~2.0cm、体重4gm程度です。超音波エコーでは豆粒のように見えます。
この妊娠2ヵ月の時期は非常に大切な時期で、脳、心臓、肝臓、目、耳、鼻、血管など、重要な臓器や器官が作られ始めます。
さらに、手の指、遅れて足の指もでき始めます。
・妊娠3ヵ月
この時期の赤ちゃんは「胎芽」から「胎児」と呼ばれ、骨の形成が始まります。
身長3.0~8.0cm、体重4~25gmと少し大きくなり、徐々に2頭身から3頭身に分かれて、手足を動かせるようになってきます。
腎臓が完成するので、赤ちゃんは羊水を飲んでおしっことして排泄し始めます。また、爪やまぶたもでてきます。
・妊娠4ヵ月
この頃の赤ちゃんは身長9~16cm、体重25~40gmになります。髪の毛も生え始め、成長がスピードアップします。
妊娠13週目までには内臓や手足など全身のほとんどの臓器が作られてしまうのです。骨や筋肉も発達するので手をグーパーにしたり口をパクパクしたりと体を活発に動かします。中には自分の指をしゃぶる様子が見られることもあります。
妊娠15~16週頃になると胎盤が完成し、赤ちゃんには胎盤からへその緒を通して酸素や栄養が送られます。
赤ちゃんの成長は最初が重要
赤ちゃんの成長は最初が重要です。受精した瞬間から成長をし始めていくのです。
受精卵から胎芽、胎芽から人間らしい胎児になり成長を重ねていくのです。そして、早くも妊娠13週にはほとんどの臓器が作られるので、この妊娠初期という時期はどれだけ大切な時期かということが理解できますね。
妊娠初期は流産に注意
特に初めて妊娠したママにとっては、流産したらどうしようという不安があると思います。
流産とは、妊娠22週未満までに、何らかの原因で胎児が死亡したり、母体の外に出て妊娠が中断してしまうことです。
全ての妊娠のうち約10%の確率で起こると言われています。
・妊娠5~7週(22~44%)
・妊娠8~12週(34~48%)
・妊娠13~16週(6~9%)
となり、妊娠初期(4~15週)までで全流産の90%を占めます。
原因の多くは染色体の異常なので、母体が原因となるものはほとんどないと言われています。
流産にならないように気をつける時期は妊娠初期です。お腹の赤ちゃんが成長するのに大切な妊娠初期は無理をせずに注意しましょう。
悪阻
妊娠がわかった段階くらいから悪阻が始まります。まれに悪阻がないという人もいますが、妊娠すると80%が悪阻を経験すると言われています。
悪阻の症状は様々で、個人差があります。
- 吐き気・嘔吐
- 体の怠さ
- 眠気
- 胃もたれ
- 臭いに敏感になる
- 食べ物の好みが変わる
- 便秘
- 情緒不安定
などがあります。
悪阻は早い場合は、妊娠4週目頃から症状が出はじめ、妊娠12~16週頃には落ち着くのが一般的とされていますが、個人差があるので、悪阻の期間や程度も人により様々です。
妊娠悪阻
この悪阻が進行して重症化しとものを妊娠悪阻(にんしんおそ)といいます。これは、繰り返しの嘔吐、体重の激減、脱水症状などに陥り、入院する場合もあるので危険な状態です。
妊娠初期の働き方
悪阻でなんらかの症状があっても仕事をしているママはたくさんいます。さらには、悪阻がひどく吐き気や怠さがあっても仕事が休めないというような場合もあったります。
妊娠中の仕事は、会社側の理解があるかないかで、ママ自身のストレスや疲労もかなり変わってきます。
働くママは仕事をする上での注意点をしっかりと理解しておきましょう。
早めに上司へ報告する
上司への報告はなるべく早い方が良いでしょう。
妊娠初期は人により様々ですが、悪阻がひどくて体調が不安定な時期です。早めに報告しておいた方が楽に働けます。
しかし、妊娠が分かった段階ではまだ上司に知らせてない人も少なくありません。人間関係や諸事情があって報告がなかなかできない場合もあります。そして周りに気を使って余計に体調が悪くなるという悪循環になってしまいます。会社に理解を得られる人が一人でもいるのなら、すごく頼りになります。
悪阻がひどくて会社に行くのが困難な場合は、病院で診断書を書いてもらい職場に提出するのも一つです。
ハードな仕事は避ける
妊娠初期は、お腹に力の入る作業や重労働、転倒する危険性のある仕事はやめましょう。また、夜勤やストレスの溜まる仕事も良くありません。お腹の赤ちゃんに影響します。
立ち仕事から座る仕事に変えてもらったり、よく歩く仕事の場合は、お腹が張ったりするので無理をしないようにしてください。
またデスクワークの人は、服装や空調に気をつけて体を冷やさないようにしてください。体が冷えると血流が悪くなり、赤ちゃんに十分な栄養や酸素を送れなくなってしまいます。
通勤ラッシュを避ける
毎日の通勤が満員電車の中で、座ることもできず立ったままの場合や、臭いに敏感になっているので密集した中での色んな臭いで気分が悪くなったりすることもあります。
それを我慢していると貧血のような状態になって倒れてしまう危険性もあるので、気分が悪くなったら遅刻してもいいので途中下車したほうが良いです。マタニティマークをつけていることで席をゆずってくれる人もいますよ。
そんな状況での通勤は、肉体的にも精神的にもつらいものです。お腹の赤ちゃんにも影響するので、こういう時は会社に相談して電車の時間を遅らせて通勤ラッシュを避けて行くのも一つの方法です。
自転車通勤は注意
自転車で通勤している人は、自転車をこぐためにお腹に力が入り腹圧が上がってしまいます。さらにお尻からの振動はお腹の赤ちゃんには良くなく、振動が伝わってお腹が張りやすくなります。しかし、自転車に乗らなければならない状況もあると思うので、主治医に相談してください。
ヒールは履かない
ヒールは転倒のリスクがあるので履かない方がいいです。
マスクの着用
悪阻の症状の一つに眠気があります。しっかり睡眠をとっても眠たくなるのです。マスクを着用することで、仕事中にあくびをしても目立ちにくくなります。
ちょっとした食べ物を持参する
口に何か食べ物を入れてないと気分が悪くなる悪阻のママもいます。会社内でもこそっと食べれるものを置いておくと便利です。
アロマでカモフラージュ
臭いに敏感なママは、ハンカチに大丈夫なアロマオイルを数滴たらしたものを持ち歩くのもひとつです。
無理はしない
何といっても妊娠初期はこれです。妊娠初期は無理は絶対にしてはいけません。
「職場に迷惑がかかるから」と、職場や上司に気を使って無理をしないようにしてください。ストレスは赤ちゃんに影響を与えます。働き方を工夫してなるべく負担のかからない仕事を無理の無いようにやりましょう。
仕事による赤ちゃんへの影響
妊娠初期に仕事をして、赤ちゃんへの影響はないのかが心配ですよね?
仕事そのものの疲れやストレス以外に、
- 自分の悪阻のつらさが理解されない
- 体調不良で休んだり早退すると、周りに迷惑をかけているのが申し訳なく感じてしまう
- 退職を促されているような気がする
などたくさんのストレスが溜まってしまうこともあります。
やはり妊娠初期は大切な時期ですので、重労働やストレスは赤ちゃんに悪影響です。
切迫流産
妊娠初期に仕事を無理して切迫流産になったり、最悪の場合流産してしまう可能性があります。
切迫流産とは、流産しかけている状態で、赤ちゃん自体は無事です。
もし切迫流産と主治医に言われたらしっかりと指示に従い、安静にしてください。安静が第一です。
切迫流産の症状としては、生理のような出血や何日も続く不正出血は注意が必要です。また下腹部の痛みも出ます。
無理をして後悔をしないように。赤ちゃんを守れるのはママだけです。
母性健康管理指導連絡事項カード
この母健連絡カードは、主治医が行った指導事項の内容を妊産婦である女性労働者から事業主へ的確に伝えるためのカードです。事業主は、このカードの記載内容に応じ、男女雇用機会均等法第13条に基づく適切な措置を講じる義務があります。
母健連絡カードの使い方
①妊娠中及び出産後の健康診査の結果、通勤緩和や休憩に関する措置などが必要であると主治医に指導を受けた時、母健連絡カードに必要事項を記入して発行してもらいます。
②女性労働者は、事業主に母健連絡カードを提出して措置を申し出ます。
③事業主は母健連絡カードの記入事項に従って、時間差通勤休憩時間の延長などの措置を講じます。
やはり、妊娠してても会社側に休憩時間の延長や、労働時間の調整などは言いにくいものです。そんな時はこのような制度を活用してみましょう。
まとめ
妊娠初期はとても大切な時期ですが、この時期に働かなければならないママはたくさんいます。少子化が進む中で、子供を作ったとしても、経済的な問題や、退職後の再就職への不安、保育園の空き状況など、様々な問題が出てきます。
妊婦が安心して働ける環境にはまだまだ課題がありそうですね。お腹の赤ちゃんのことを優先して働ける妊婦のための環境に、社会自体が理解を示す時代に変わらなくてはいけませんね。
妊婦さんのための制度や法律を利用しながら、周囲の理解を得て、マタニティライフを充実させたいものです。
赤ちゃんを守れるのはママだけです。働きながらでも元気な赤ちゃんを産みたいですね。
\この記事は私が書きました/
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