不安障害とは?
不安障害とは、不安感や恐怖感、過度の心配や緊張を主な症状とする精神疾患のことです。
- 分離不安障害
- 選択性緘黙症(せんたくせいかんもくしょう)
- 限局性恐怖症
- 広場恐怖症
- パニック障害
- 社会不安障害
- 全般性不安障害
- 強迫性障害
- 心的外傷後ストレス障害(PTSD)
パニック障害とは?
不安障害の一種であるパニック障害は、突然以下の症状が起こります。
- 動悸
- 発汗
- 体や手足が震える
- 呼吸困難
- 胸の圧迫感・不快感
- 吐き気
- 腹痛
- めまい・ふらつき
- 自分自身ではないような感覚
- 気が狂う恐怖に襲われる
- 寒気・ほてり感
- 死ぬかもしれないと思う
こういった発作は数分~30分ほどで落ち着きますが、一度パニックを起こすと、また同じ場所や同じ状況になると再びパニックを起こすのではないか、という「予期不安」に襲われ、外に出るのが怖くなるなど、日常生活に支障をきたすようになります。
さらにパニック障害は、不安障害の一種である「広場恐怖症」を併発することが多いです。
パニック障害に併発する広場恐怖症とは?
広場恐怖症は、逃げ場がない状況や、自分がコントロールできない状況に対して過剰な恐怖を感じる状態です。
この広場恐怖症は、パニック障害の発作を経験したことが原因となって、「いつどこで発作が起こるのか不安」という気持ちから広場恐怖症になってしまうことが多いのです。
このようなことによって、できるだけ恐怖を感じる状況からの回避行動をとるようになり、一度回避してしまうと、次に同じ状況に直面するときにはより不安が強くなってしまいます。
こうした悪循環から、徐々に行動範囲が狭くなり、公共機関がつかえなくなったり、外出ができなくなって引きこもってしまうこともあります。
広場恐怖症の診断基準
アメリカ精神医学会のDSM-Ⅳ-TRによる診断基準です。
■逃げるに逃げられない(または逃げたら恥をかく)ような場所や状況、またはパニック発作やパニック様症状が予期しないで、または状況に誘発されて起きたときに、助けが得られない場所や状況にいることについての不安
広場恐怖が生じやすい典型的な状況:家の外にひとりでいること、混雑のなかにいること、橋の上にいること、バス、汽車、または自動車で移動していること、などがある
※注意:1つ、または2~3の状況だけを回避している場合には特定の恐怖症の診断を、または社会的状況だけを回避している場合には社会恐怖を考えること
■その状況だけが回避されている(例:旅行が制限されている)か、またはそうしなくても、パニック発作、またはパニック様症状が起こることを非常に強い苦痛、または不安をともないながら耐え忍んでいるか、または同伴者をともなう必要がある
■その不安、または恐怖症性の回避は、以下のような他の精神疾患ではうまく説明されない
・社会恐怖(例:恥ずかしい思いをすることに対する恐怖のために社会的状況を避ける)
・特定の恐怖症(例:エレベーターのような単一の状況だけを避ける)
・強迫性障害(例:汚染に対する強い強迫観念のある人が、ごみや汚物を避ける)
・心的外傷後ストレス障害(例:強いストレス因子と関連した刺激を避ける)
・分離不安障害(例:家を離れること、または家族と離れることを避ける)
パニック発作の診断基準
アメリカ精神医学会のDSM-Ⅳ-TRによる診断基準です。
「パニック発作とは、突然、激しい恐怖または強烈な不快感の高まりが数分以内でピークに達し、その時間内に、以下の症状のうち4つ(またはそれ以上)が起こる」定義付けされています。
- 1 動悸、心悸亢進、または心拍数の増加
- 2 発汗
- 3 身ぶるいまたはふるえ
- 4 息切れ感または息苦しさ
- 5 窒息感
- 6 胸痛または胸部の不快感
- 7 嘔気または腹部の不快感
- 8 めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、または気が遠くなる感じ
- 9 寒気または熱感
- 10 異常感覚(感覚麻痺またはうずき感)
- 11 現実感消失(現実ではない感じ)または離人感(自分ではない感じ)
- 12 死ぬのではないかという恐怖
- 13 抑制力を失ったり気が狂うのではないかとう恐怖
パニック障害の診断基準
アメリカ精神医学会のDSM-Ⅳ-TRによる診断基準です。
1.と2.の両方を満たす
(1)予期しないパニック発作がくり返し起こる
(2)少なくとも1回の発作のあと1カ月間(またはそれ以上)、以下のうち1つ(またはそれ以上)が続くこと
・もっと発作が起こるのではないかという心配の継続
・発作、またはその結果がもつ意味(例:コントロールを失う、心臓発作を起こす、「気が狂う」についての心配
・発作と関連した行動の大きな変化
広場恐怖症が存在しない
広場恐怖症が併発してないパニック障害である
広場恐怖症が存在する
広場恐怖症が併発しているパニック障害である
パニック発作は、物質(例:乱用薬物、投薬)または一般身体疾患(例:甲状腺機能亢進症症)の直接的な生理学的作用によるものではない
パニック発作は、以下のような他の精神疾患ではうまく説明されない
・社会恐怖(例:恐れている社会的状況に暴露されて生じる)
・特定の恐怖症(例:特定の恐怖状況に暴露されて生じる)
・強迫性障害(例:汚染に対する強迫観念のある人が、ごみや汚物に暴露されて生じる)
・心的外傷後ストレス障害(例:強いストレス因子と関連した刺激に反応して生じる)
・分離不安障害(例:家を離れる、あるいは身近な家族から離れたときに生じる)
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