自分はどんな仕事をすればいいのだろう。
人と関わる仕事は嫌だなあ。
自分ができる仕事ってあるのかなあ。
仕事ができるのかとても不安。
など、これから社会復帰を考えている方の中には、様々な悩みや不安があるかと思います。
そんなあなたのために、今回は、気分障害の方が社会復帰するためにはどうすればいいのか?向いてる仕事はどういう仕事?などについてご紹介しますので、是非参考にしてみて下さい。
気分障害とは
気分障害とは、気分や感情の変化を基本とする障害で、気分が沈んだり、逆に高ぶったりする症状が特徴です。気分障害は別名「感情障害」とも言われます。感情がコントロールできず、気分の変化に伴って、日常生活にも影響が出てしまいます。
- うつ病
- 双極性障害(躁うつ)
気分障害は、気分が異常に沈んでしまう「うつ病」や、気分が沈んだり高ぶったりを繰り返す「双極性障害」などが代表的な疾患です。ですので、気分障害とは、うつ病や、双極性障害などを含めた、広い意味での表現になります。
気分とは、喜怒哀楽や快・不快など、ある期間持続する、自分が感じる気持ちや感情のことです。
私たちは、日常を過ごす中で、気分が高ぶったり、落ち込んだりすることは必ずあります。しかし、基本的には、この気分の変化は、生活には大きな支障をきたさない程度、期間に収まっており、極端に長期間続いたり、生活ができないほどになることは、ほとんどありません。気分障害になると、この気分の高ぶりや、落ち込みが異常になり、長期にわたって持続することで、仕事や私生活に支障をきたしてしまいます。
うつ病とは
うつ病は、極端に気分が落ち込んで、食欲の低下や、睡眠障害、何事に対しても意欲がなくなってしまいます。まるで脳が止まってしまったかのように、心身が共にスローになり、絶望感や自己否定が強く出てしまい、普段楽しいと思えていたことも楽しめなくなってしまうのです。「興味」・「喜び」の喪失が、うつ状態の典型的症状です。
うつ病は、比較的身近な病気で、一生のうち、10人に1人はうつ病にかかると言われています。しかし、うつ病は早期に治療を受ければ徐々に回復できる病気です。ですが、治療を放置してしまうと重症化してしまい、自殺願望が出てきて深刻な状態に変わってしまいます。
双極性障害(躁うつ)とは
双極性障害は、うつ状態に加え、うつとは逆の躁状態も現れ、これらを繰り返す状態です。
うつ状態に加え、激しい躁状態が起こる双極性障害を「双極I型障害」と言います。うつ状態に加え、軽躁状態が起こる双極性障害を「双極II型障害」といいます。
躁状態
躁状態は、とにかく気分が高ぶり、機嫌が良く、自分が一番だと思っています。睡眠をとらなくても元気なので、よく動き、活動的になります。誰かと話す時も、言葉数が増え早口で話しますので、周囲の人を困らせてしまうこともあります。活動的になるので会社を作る言ったりなど、行動がどんどん大きくエスカレートしていきます。一方では、気が散りやすく一つのことに集中できず、自制心を失っているので、こうした行動の結果、人間関係を悪化させたり、多額の借金を抱えたり、法的な問題を起こしたりという状態になってしまいます。
軽躁状態
軽躁状態は、躁状態みたいに、周囲の人を困らせるということはありません。躁うつ状態よりも軽度な状態です。これもやはり、睡眠時間が短くても元気でエネルギッシュで、行動的です。本人のことを良く知っている人から見ると、人が変わったように感じられます。
躁状態と軽躁状態に共通してることは、本人は自分の状態の変化を自覚できないことが多いという点です。
なぜ気分障害になるのか
気分障害になる原因としては、ストレスや、環境的な要因、遺伝的な要因があげられます。その人の性格によってもストレスの感じ方が違いますので、性格的な部分も影響します。
周囲の環境の変化がストレスと感じることもありますし、人間関係や、仕事での責任・プレッシャーなど、日常生活を送るうえで、常に体には何らかの負担がかかっています。ストレスが溜まることで、自律神経と言われる私たちの身体をコントロールしている重要な神経が乱れます。自律神経が乱れることで、睡眠障害や気分の低下など、心身ともに様々な不調が出てきます。これが継続的に、もしくは、重度になってくることで、気分障害と言われる状態になってしまうのです。
社会復帰は焦らずゆっくりで大丈夫
社会復帰を考えている方は、周りの人に相談しながら、焦らずゆっくりと考えましょう。
病院で治療を受けている方は、医師の指示に従うようにした方が良いです。医師からまだ仕事はしない方がいいと言われているにも関わらず、体調もよく以前より元気になったと自分で思い込んで、勝手に就職活動をしてしまうと、面接の前になって調子が悪くなったり、仕事を始めてからうつ状態が出てきたりすることもあります。
気分障害の方の特徴は、離職率が高いことです。治療の放置は再発や重症化のリスクがあるので、医師の指示のもと、きちんと治してから社会復帰を考えた方がいいです。
焦らずゆっくりと社会復帰を目指しましょう。
精神保健福祉センター
社会復帰をする時は、精神保健福祉センターに相談しましょう。精神保健福祉センターとは、気分障害などの心の病を持っている人に対して、自立や社会復帰のための、指導や援助などを行っている公共施設です。電話相談や面接相談などを通じて、社会に適応していくための指導や、仕事や日常生活で困ったことの相談、簡単な助言や、専門の相談機関の情報提供などをしてくれます。
この精神保健福祉センターは、各都道府県に設置されています。一度、あなたのお住まいの地域の精神保健福祉センターに合わせしてみてはいかがでしょうか?
就労移行支援
就労移行支援とは、国の支援制度で、障害のある方の社会参加をサポートする、障害者総合支援法という法律に基づいた、就労支援事業のひとつです。
一般企業への就職を目指す、障害のある方に対し、就労に必要な知識や技術の向上を目的とした訓練や準備を行います。また、実際に職場で体験したり、その人に適した職場の提供、就職活動の支援や、就職後の職場定着支援や相談、自立支援などを行う機関です。
就労移行支援の期間は原則2年間以内です。ただし、何らかの必要性があると認められた場合は、最大12カ月の延長利用が可能となっています。
対象になる方
- ① 原則18歳以上から65歳未満の方
- ② 身体障害・知的障害・精神障害や難病の方
- ③ 就職に必要な知識や技術の習得、就職支援が必要など、単独で就職することが困難な方
- ④ 企業等での就労を希望し、雇用されることが可能であると見込まれる方
障害者総合支援法という法律に基づいたサービスであるため、障害者手帳を持っていない方でも、障害福祉サービス受給資格や、医師の意見書などがあれば、基本的には利用可能なサービスです。ただ、実際の運用は各自治体で行われているので、就労支援のサービスを受けられるかどうかの判断は、各自治体によって違う場合があります。なので、一度問い合わせをしてみた方が良いです。
就労移行支援事業の流れ
❶相談
(こんな仕事がしたい、これくらいの時間から働きたいなど)
↓
❷就職活動の準備
(就労に必要な、知識や技術の向上のための勉強や訓練を行う)
↓
❸職場や職種を体験
(実際に企業で、職場の雰囲気、作業内容、通勤時間などを体験する)
↓
❹就職活動
(履歴書や職務経歴書の書き方、面接の仕方、合同面接会への参加など、サポートを受けながらの就職活動)
↓
❺就職後のサポート
(就職後も定期的な面談を行い、職場の人とのかかわり方など、就職後に自立できるように定着支援を行う)
気分障害の人に向いてる仕事
気分障害の方が社会復帰を考えている中で、どのような仕事が合うのかということはその人によって変わってくるものだと思います。仕事を探すうえで、心身に負担にならないことや、楽しめる仕事を基準に選んだ方が継続しやすいです。
規則正しい勤務時間・残業がない
シフト制でも構いませんが、できるだけ決まった時間に出勤して決まった時間に退社する方が良いです。そして残業がなく、勤務時間をある程度固定することによって、生活リズムが整いやすく体への負担も軽減され、精神的な安定も得られます。
清掃関係
清掃はほとんどの方が人生で掃除をしたことがあると思います。ですので、特別な知識や技術も必要なく、簡単なマニュアルを覚える程度で済むことが多いですし、掃除用具の使い方や掃除の仕方・範囲など、すぐにある程度は覚えることができます。また、清掃は一人での作業がほとんどなので、気分障害の人には適している仕事の一つです。
軽作業
工場などでの軽作業は、基本的には同じことを繰り返す仕事が多いです。仕事内容もそこまで頭を使うような難しいことは要求されないので、ストレスもなく、適している仕事の一つです。
IT関係(システムエンジニア・プログラマー・WEBデザイナー)
基本的に、IT関係の仕事は、パソコン作業のみのことが多いです。ある程度パソコンの知識が必要になりますが、自分のペースで仕事ができます。さらに、IT業界は、うつ病の方の割合が多いので、雇用する側も自分の状態に、ある程度の理解は示してくれるはずです。なので、コンピューターが好きで経験があれば、楽しみながら仕事を出来ますし、そこまでストレスは溜まらないと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?これから社会復帰を目指している方にとって、少しでも参考になればと思います。
仕事をする上で大切なことは、楽しめる仕事を探すこと、ストレスにならないかというところと、生活リズムが整うのか、ということろを基準に考える方が良さそうです。国の支援制度もあるので、活用できるところは活用して、自分に合った仕事に出会えると嬉しいですね。
\この記事は私が書きました/
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