10代~20代多くみられる起立性調節障害
「朝、起きようとしても体が重くて起き上がれない」
「立ち上がる際にふらつきが起こる」
このような症状でお困りではありませんか??
起立性調節障害と思われる症状は近年注目されています。
今までは検査をしても分からなかった原因が自律神経の不調からきていると考えられ、その観点から医師の治療等を受けている方に改善が見られるようになりました。
年齢的には小学生から増えてきて、中学1年生~高校3年生くらいが一番多いと言われています。ただ、20歳になるくらいまでには、ほとんどの方が良くなるそうです。
交感神経や副交感神経の調節不良で循環器系の調節もうまくいかなくなる状態です。
立ち上がる際に血圧が低下したり、心拍数が上がり過ぎたり、調節に時間がかかりすぎたりします。
これは脳や心臓と自律神経のコントロールが一瞬遅れてしまい、脳への血液供給が低下してしまうことが
大きな要因とされています。
この状態は自律神経が大きく関係しているので身体的要素以外にも、精神的要素、環境的要素も関わって
起こると考えられています。
身体的要因
背骨のお腹側に多く存在している自律神経が不安定になることが挙げられます。小学校高学年~中学生に多くみられますが、この時期は第二次性徴期とも重なり、体の様々な機能が大人へと変化していく時期です。この変化は自律神経にも起こるため、循環器系の調節がうまくいかなくなることがあります。
医師のよれば「真面目で気を遣うタイプ」のお子様が起立性調節障害になりやすいと言われていますが、これはストレスをため込みやすいという精神的、環境的要素に関連すると考えられます。注意しなければいけないのは、あくまでも体の病気であり、本人が頑張ればどうにかなるということではありません。
起立性調節障害の症状は、思春期には健常な子どもでも自覚することがしばしばあります。生活に支障をきたしている場合は、医師診察を受ける必要があります。起立性調節障害の典型的な症状は、
「立ちくらみ」「疲れやすい」「長時間立っていられない」などです。
また、朝起きあがる事が辛いので不登校に繋がるケースも多いことが知られています。
改善ポイント
起立性調節障害は軽症であれば症状を緩和するための注意で症状をコントロールできるようです。
以下の症状緩和ポイントを理解していただき、少しずつできることから取り組んで頂けると効果を期待できると思いますよ。
水分2L、塩分10gを目安に摂る
起立性調節障害が疑われる場合、血圧が低いことも考えられます。ということは、血液量が少ないので、循環している血液量を増やすために、水分と塩分をしっかりと摂りましょう。目安としては、食事以外に2Lの水分と、食事を通して10gの塩分です。1日3食、おいしいと感じる味がついている食事をすれば1日7g程度の塩分は摂れていますが、起きられずに朝食を抜かしてしまうとその分不足してしまうので、不足分を意識的に摂るようにしましょう。
日中は寝転がらない
自律神経系は、人間が活動をしやすいように、様々な体の状態を調節しています。起床後もゴロゴロしていると、自律神経系がそのゴロゴロした姿勢にあうように体を調節します。すると、さらに起立しづらくなるという悪循環を生むので、日中は体を横にしないようにしましょう。立ち上がることはできなくても、座ったり、どうしても寝たい時は上半身をあげるようにするなどして頭の位置を心臓よりも高くし、高い位置に血液を送るための調節を自律神経が忘れないようにすることが大切です。
起立するときはゆっくり立ち、長時間の起立はできるだけ避ける
起立性調節障害が疑われる場合、立ち上がるときの調節が苦手なので、急に立たずにゆっくり立ち上がり、うつむきながら起立して最後に頭を上げるようにします。長時間同じ姿勢で起立していると下半身に血液がたまり、頭の血液が不足してしまいます。この状態はなるべく避け、どうしても立っている必要があるときには、足を動かしたり、クロスさせたりしましょう。下半身にたまっていた血液を筋肉で押し戻すことができます。
ストレスコントロールをする(周囲の協力が重要です)
起立性調節障害は自律神経が大きく関わっていることはご理解いただけましたか?
自律神経は心理的要因の影響を受けやすいので、ストレスは症状悪化の大きな要因になります。症状がひどく学校や職場に行けないことを非常につらく感じています。その苦痛を理解し、頑張っていることを評価することがとても重要です。「午後からなら登校できる、行事や部活動なら行ける、遊びになら行ける」などは体調が万全でないときの起立性調節障害の子どもには良くあることです。心の負担なくこれらができるように、症状があっても充実した生活ができるように、周囲で協力して見守りましょう。
検査をしても異常がなく医学的に説明がつかない症状を不定愁訴(ふていしゅうそ)といいます。起立性調節障害の症状は自覚症状のみがほとんどで、外見上の特徴的な症状が少なく、血液検査など一般的な検査では異常がみつからないため不定愁訴と同じように扱われることがよくあるそうです。しかし、起立性調節障害も本人にすれば辛い状態です。起立性調節障害かどうかしっかりと医師や相談できる方と話をしていきましょう。
\この記事は私が書きました/