脊柱管狭窄症改善のために、ダンベルなどを使う筋力トレーニングは必要ありません。腰を回したり、首を伸ばしたりといった難易度の低いストレッチでもじゅうぶんに改善の可能性があります。
脊柱管狭窄症のストレッチは、筋力トレーニングとは異なり、狭窄になりやすい姿勢を改善したり、衰えた筋肉を鍛えることで身体そのもののバランスを取り戻したり、体力そのものを増強していくことが目的です。
ですから、きついと感じるストレッチである必要はありません。ここでは快適に日常生活を送るために、簡単にできるストレッチを紹介していきます。
脊柱管狭窄症で痛む部位別のストレッチ法
1.腰が痛い人は、8の字スクリュー運動
腰が痛い場合は、清水整形外科クリニックの院長である清水伸一先生が考案した
8の字スクリューと呼ばれる運動がおすすめです。
<実践>
- 肩幅程度に足を開いて、床に立ちます。真っ直ぐに立ちだけで痛みが出る人は、痛みが出ないよう前かがみぎみで大丈夫です。
- 腰に手を当てて、ゆっくりと腰だけを床に対して水平に8の字を描くように回します。5回回したら、今度は回転方向を逆にしてさらに5回がワンセット。1日3回が目安です。
この運動はインナーマッスルを鍛え、特定の脊柱管に負荷がかかり圧迫されている状態から、負荷を分散することを目的にしています。
背骨そのものを支える筋肉を動かし柔軟に動かせるようにすれば、自然と姿勢が安定し、痛みを感じる部分だけに負荷がかからない身体を作れるというわけです。
2.脊柱管狭窄症が原因で、足が痛む場合におすすめの運動
<実践>
- 安定した椅子の背中やテーブル、手すりなどを片手で握り、手をついている側と同じ側の足でしっかりと片足立ちします。
- 立っている方の足と反対側の足を前後左右にぶらぶらと5秒程度ゆらしてみてください。力を抜いて真っ直ぐに伸ばしたままの状態で行うことがポイントです。
- 手と足を左右逆にして、今度は逆の足を5秒程度ゆらします。これを左右5回ほど繰り返してワンセットです。1日3回が目安。
脊柱管を通る神経と、足の神経はつながっていますが、このストレッチをするとその神経のつなぎ目部分を圧迫されにくい状態にできるので、改善が見込めるのです。
3.首が痛い人には、首を重力から開放してあげること
<実践>
- 畳やヨガマットなど、ある程度固い床の上で大の字になって仰向けになります。両足は自然に開き、腕は軽く開き、手のひらが上を向くようにします。
- あごを少し上にあげ、後頭部は床の方に押すようにします。そのまま20秒キープします。これを1日2〜3回行ってください。
注意点は、マットレスや布団など、腰や頭は沈んでしまうような柔らかい場所を避けることです。強い痛みがないなら、頭を床方向にぐっと押しつけるように首に力を入れると首の筋力アップにもなります。
常に首は頭の重さを支えていますから、頭を支えなくても良い姿勢を取り重力から開放する時間をとるだけで、痛みが軽減することがあります。
4.脊柱管狭窄症で肩や手が痛む場合はストレートネック改善が鍵
手や肩に痛みが走るのは、頸椎の狭窄がそもそもの原因ですから、首のカーブを復活させるストレッチが効果的です。
<実践>
- 床にひざまづき、手のひらを床につけて四つんばいになります。
- ゆっくりと首を下げて首の後ろを伸ばします。痛みが強くなければ頭頂部がまっすぐと下向きになるようにすると良いでしょう。これを30秒×3回行ってください。
首があまり曲がらないという場合は、片方の手を軽く後頭部にあててゆっくりと下に押すようにすると良いでしょう。
首を通っている骨が上手く頭の重さを分散・吸収できるようにあれば、一箇所に集中している圧力も分散されます。
痛みを感じた場合には無理は禁物!
痛みを感じた場合は、無理せずすぐに中止してください。逆に気持ちがよく自分に合っていると思えた場合には、できるだけ長く、できれば一生続けるつもりでストレッチに取り組みましょう。
脊柱管狭窄症は、その多くが50代からの発症で、筋肉や体力が衰えることで悪化しやすい傾向があります。痛みが収まったから、楽になったからとストレッチを辞めてしまうと、加齢によって再発の可能性が高まります。
手軽にできるストレッチを継続的に行って、無理なく脊柱管狭窄症を改善していきましょう。
効果を実感できないときは、整体院などで施術をしてもらったり、自分にあった運動を教えてもらうのも有効ですよ。
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