気管支喘息と気管支炎はどちらも症状は似ていますが、発症原因が異なるため、それぞれに適した治療法があります。
今回は、気管支喘息と気管支炎の違いと治療方法などについて、詳しく解説していきます。
気管支喘息と気管支炎の違いは原因と症状
気管支喘息の原因は、慢性的に炎症を起こしている気道にホコリや気温の変化など、何らかの刺激が加わることで発症します。
一方、気管支炎については、細菌やウイルスなどが侵入することで発症する感染症です。
見分け方としては、呼吸が苦しそうな状況であれば気管支喘息の可能性が高いと言えますが、気管支炎にも同様の症状はしばしばみられます。
なお、気管支炎の発症がきっかけとなって気管支喘息を引き起こすことがあります。両者は併発する可能性があるため注意しましょう。
気管支喘息の主な治療法と日常での注意点
気管支喘息の治療には、吸入ステロイド薬が用いられることが多く、有効性が高いと言われています。[注1]
炎症を起こしている部分にだけ作用し、長期に渡って使用する場合にも適しています。
また、吸入ステロイド薬の使用にためらいがある方などには漢方薬による治療が施されることもあります。
しかし、漢方薬については、繰り返しの服用による体質改善の意味合いが強いため、即効性には乏しく、頻繁に起こる発作への対処には向いていません。
気管支喘息を治すためには、これらの薬による治療とあわせて、日常生活でも様々な点に気を付ける必要があります。
例えば、ハウスダストや花粉などをできるだけ吸い込まないよう、可能な限り清潔な環境で過ごしたり、煙草を吸っている方は禁煙することなどが推奨されます。
患者本人が煙草を吸わない場合でも受動喫煙にならないよう注意しましょう。
参考:
[1]『気管支喘息、アレルギー疾患』徳島大学大学院医歯薬学研究部呼吸器・膠原病内科学分野
気管支炎にはパイナップルや緑茶がおすすめ
気管支炎には急性のものと慢性のものがあり、それぞれに適した治療法があります。
急性気管支炎については、対処療法の薬が処方されることが多いので、医師の指示に従い薬を服用し、安静を保ちながら治療していきます。[注2]
慢性気管支炎の場合は、抗生物質が使われたり、感染症が原因の場合は抗菌薬などを使いながら完治を目指しましょう。
気管支炎を患っている際には、パイナップルを食べたり、暖かい緑茶を飲むことがおすすめ。
パイナップルには、タンパク分解酵素が含まれており、痰の分解を促してくれます。また、緑茶には殺菌作用がありますよ。
入浴については、高熱などの重い症状がなければ、基本的には推奨されます。入浴によって血流が良くなり、浴室内は湿度が高いため、喉も潤います。
参考:
[2]『呼吸器の病気 急性気管支炎』一般社団法人日本呼吸器学会
気管支喘息や慢性気管支炎は根本的な治療が求められる
風邪やインフルエンザに伴って発症することが多い急性気管支炎は、投薬などの対症療法にて症状を抑えれば数日から数週間程度で治癒しますが、慢性気管支炎や気管支喘息は短期間で治ることは少ないとされています。
そのため、症状を抑えることと同時に、根本的な原因を突き止め、対処することが求められます。
気管支喘息や慢性気管支炎を招いてしまう大きな原因として「喫煙」がありますが、長年に渡って煙草を吸っていると気管支内にある粘膜からの粘液や分泌物が多くなって、痰も増えてきてしまうのです。
喫煙者には禁煙が求められますが、すぐに効果は現れません。特に長期に渡って多くの本数を吸ってきた方などは、目に見える効果が出るまでに数年間を要する場合もあるでしょう。
しかし、禁煙をしなければ症状の改善は難しいですし、薬の効能も弱めてしまいます。禁煙をせずに、喘息や気管支炎の完治を目指すのはかなり困難です。
もし「今すぐにでも症状を緩和させたい」なら、整体院で自律神経を整えるなどして改善を目指すと良いでしょう。
治療には生活習慣の見直しと周りのサポートも大切
急性気管支炎についてはしっかりとした対処をすれば短期間で完治するので対応しやすいのですが、気管支喘息や慢性気管支炎は、通常の治療に加えて生活習慣の改善も求められます。
清潔な空気環境が保てるようにするには、患者本人だけでなく周りの人のサポートも大切です。
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